プレスリリース

2021/1/15

内田洋行、埼玉県鴻巣市の全小・中学校27校で、児童生徒・教職員の1人1台、ネットワーク、教育ICT基盤をフルクラウド化
〜家庭学習への対応と統合型校務支援システムで教職員の働き方改革を実現〜

株式会社内田洋行(本社:東京都中央区 代表取締役社長:大久保昇、以下内田洋行)は、埼玉県鴻巣市において、教育ICT基盤を全てフルクラウド化し※1、市内の小学校19校、中学校8校の教職員と児童・生徒へ1人1台PCを導入します。デジタルコンテンツや統合型校務支援システムもクラウド環境に整備されることから、児童・生徒の家庭での学習や教職員のテレワークでの利活用も視野に入れた先進的ICT環境となります。
内田洋行は、このICT環境のシステム構築及び運用・活用支援を全面的に実施します。

鴻巣市教育委員会では、2021年1月の3学期より、パイロット校5校で児童・生徒1人1台PCの活用を開始するとともに、今後、家庭学習での使用を想定し、児童・生徒用PCの運用ルールの検討を実施しています。

なお、この鴻巣市のクラウド環境は、学術情報ネットワークSINET※2と、マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureを国内の教育委員会で初めて接続した最先端のICT環境です。


プロジェクト全体図 教育ICT環境整備後のイメージ

※1 フルクラウド化はMicrosoft社のMicrosoft Azure、Microsoft 365 Educationをシステム基盤としています。

※2 国立情報学研究所が全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として構築・運用している情報通信ネットワーク。なお、現状で接続している各教育委員会は、実証実験及び大学との共同研究契約によるものです。https://www.sinet.ad.jp/

鴻巣市の「先端技術の活用による教育ICT環境の刷新」の取組み

鴻巣市教育委員会は、令和元年に「鴻巣市学校教育情報化推進計画」を策定し、“未来の創り手となる子どもたちが、これからの時代に求められる資質・能力の習得が可能となる学校教育を実現するため”に教育ICT環境の構築と、ICTの利活用を掲げ、整備を推進しています。具体的には、子どもたちが自ら考え、様々な情報から触発され、自ら発信する力を身に着けるために、授業の中で文房具のようにICTを自由に使いこなせる姿を目指し、また教職員においては、働き方改革の実現を進めています。

このたびの鴻巣市全小・中学校へのICT環境整備事業は、全国の学校現場への豊富な導入実績をもつ内田洋行グループがプロジェクトマネジメントを請け負っています。内田洋行は、以下の特長で基盤整備をご支援いたしました。

先端的な教育ICT環境での充実した運用支援を構築

短期・中期・長期でICT活用の目標設定から、エビデンスとして教育効果の見える化に至るまで、導入から運用までをトータルにご支援しています。

教職員の指導力や児童・生徒のICT活用の向上をご支援するため、令和3年度は27校に対して、ICT支援員を3名体制※で配備します。また利用時には、学校専門のヘルプデスクやオンサイト保守に加えて、ICT活用のデータ検証、ICT活用におけるアンケート調査、ヒアリングを実施します。教職員の授業デザインをご支援するために情報活用能力の習得に向けたワークショップや教職員研修のサポートも行います。

ICT環境のシステム設計・導入、運用サポートまで内田洋行グループで実施します。ICT支援員の派遣やマネージドサービスは株式会社ウチダ人材開発センタが、学校ヘルプデスク、オンサイト保守、導入時のPCキッティングはウチダエスコ株式会社が担当します。

※令和3年度は全27校に3名体制、令和4年度以降は全27校に2名体制に移行。

学校から家庭まで、いつでもどこでもだれでも学習できる環境に

フルクラウド基盤にサーバー・ネットワークを構築したことで、学校・教室・家庭などいつでもどこでも教材コンテンツや学習系データや機微な校務系データにアクセス可能となり、教職員650人向けにはテレワーク環境が整備されます。

児童・生徒についても、自宅と学校が、オンラインで繋がる環境が整います。また、インターネット環境が無い家庭でもPCで学べるデジタルコンテンツが整備されており、家庭での学習をサポートする環境をご用意します。

授業・学習でPCをより使いやすくする学習ポータルとデジタル教科書

今回の整備では、教職員、児童・生徒のそれぞれの利用者がPCを使い易くするためにPC起動時に様々なアプリや検索ツール、ユーザーの管理等が一つになった内田洋行の学校向け教育ポータル「L-Gate(エルゲイト)」を導入しています。日常の授業で、先生が指定する教育コンテンツを、子どもたちにおいても迷うことなく簡単に使えるインターフェースとなっています。

また授業で使う教材では、内田洋行の教育コンテンツクラウド配信サービス「EduMall(エデュモール)」やオンラインドリル等により、PC用のデジタルコンテンツも充実した環境となります。コンテンツの利用ログやデジタル教科書の稼働履歴も取得可能となっています。今後は学校だけではなく、家庭においても教材利用や学習状況の把握をご支援することを目指します。

児童・生徒の成長を見守る統合型校務支援システム

教職員の新たな働き方として、2016年に導入した統合型校務支援システムを刷新し、子どもたちの成長の見守りと教職員の負担軽減を実現します。内田洋行「デジタル校務」は、小学校から中学校までの9年間を「個人カルテ」として学籍・出欠・成績・保健などの情報を体系的に蓄積します。「欠席が続いている」「保健室によく行く」「アレルギーがある」などの傾向を教職員間で共有し、9年間の成長を見守り、きめ細かい生徒指導をサポートします。今回、校務事務フローの電子化を行い、文書管理機能として教育委員会からの照会等の収受から回答までのワークフローの電子化・電子決裁等、機能を大幅に強化しました。また、QRコードを利用した勤怠管理機能と連携し、研修会案内などの文書通達から行事登録、出張管理、出勤簿作成、スケジュール入力までの一連の流れを完全ペーパーレス化し、教職員の大幅な負担軽減に繋げました。今後はIMS国際技術標準「OneRoster」を利用し、名簿情報の更新など教職員の負担軽減に繋げることや、校務系データと複数の学習系データを連携させ、様々な角度から分析することを目指します。

全国初の学術情報ネットワーク「SINET」 に直結したクラウド基盤の実現

いつでもどこでも新しい働き方と学び方を支援するシステム基盤のために、鴻巣市では、国立情報学研究所が構築・運用する「学術情報ネットワークSINET」とMicrosoft Azureを接続します。高速で強固なセキュリティネットワーク環境を構築し、教職員は自宅からSIMを搭載したモバイルルータによって鴻巣市独自の閉域網からSINETにアクセスします。
学校の授業シーンでは、各クラスが自由にデジタルコンテンツや動画等を一斉に視聴する場合でも、普通教室や職員室に設置された無線LANから閉域網を通じSINETに接続することにより、快適で円滑な授業を実現します。内田洋行グループではネットワークインフラ全体のコーディネートと、SINETとのクラウド接続等の環境を設計・構築しています。

内田洋行は、鴻巣市が目指す「公正に個別最適化された学びを実現することで、一人一人の個性を生かしながら、誰も取り残されることのない教育」の実現をサポートし、「子どもたちがICT機器を文房具のように自由に使える姿」を定着させるための運用支援に邁進してまいります。
【ご参考】 鴻巣市学校教育情報化推進計画

内田洋行の教育への取組み

内田洋行は、1人1台端末の導入や無線環境の構築、クラウドサービス、保守サポートまで、全国各地の学校に、幅広く教育ICTビジネスを展開しています。次世代の教育研究として、1998年、内田洋行教育総合研究所を発足。総務省「フューチャースクール推進事業(2010年)」、文科省「学びのイノベーション事業(2011~2013年)」の参画など産官学で研究を進めています。そのノウハウをもとに、2010年には未来の学習空間「フューチャークラスルーム®」を独自に考案し、内田洋行新川本社、大阪支店に設置しました。2013年には筑波大学附属小学校に「未来の教室」を構築して実証研究を進め、2016年にはインテル株式会社と「アクティブ・ラーニング」実現のための協業を発表しています。

【このプレスリリースのPDFダウンロード】

【このプレスリリースのお問い合わせ先】

株式会社内田洋行 広報部 佐藤将一郎・深澤琴絵
TEL. 03(3555)4072  FAX. 03(3555)4620