プレスリリース

2021/6/30

内田洋行、流山市・東京理科大学・ソニー・インタラクティブエンタテインメントとの産官学連携プログラミング教育プロジェクトに参画
〜プログラミング教育のカリキュラム開発、指導案作成などで協力〜

株式会社内田洋行(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大久保昇)は、千葉県流山市、東京理科大学、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)による産官学連携プロジェクトに参画しますので、お知らせいたします。内田洋行は、2021年7月より開始する流山市小中学校のプログラミング授業の支援として、子どもの創意工夫を引き出すロボットトイ「toio™(トイオ)」を用いた、児童・生徒の発達段階に応じた教科横断的なカリキュラム及び指導案の開発、オリジナル教材開発などを行います。

中学校 技術・家庭科(技術分野)「計測と制御」
小学校5年生算数「正多角形」

産官学プロジェクトの概要

流山市では、昨年策定された「流山市GIGAスクール構想」として、1人1台端末および、子供の関心や能力に応じた教育環境の配備を進めています。このたび、包括連携協定を結ぶ流山市と東京理科大学にて、小学校から中学校までの9ヶ年を対象とする先進的な統合型プログラミング教育の実践計画が策定されました。内田洋行はその計画策定に協力し、共同でサポートを実施するものです。

内容としましては、本計画を推進するにあたり、東京理科大学と内田洋行は、SIEが提供する「toio」を活用してカリキュラムと指導案の共同開発や内田洋行オリジナルの教材開発を行い、SIEは機材および技術サポートを提供します。

【先進的統合型プログラミング教育での内田洋行の実施内容】

内田洋行は、1948年より科学教材、理科実験機器販売を開始し、その企画開発を行ってまいりました。1984年からは学校教育でのコンピュータ導入を推進しています。そのため、GIGAスクール構想による1人1台端末環境の構築も全国で展開するほか、学習指導要領および教科ごとの授業やプログラミング教育の内容、ICT環境の実情などの学校現場に関する知見・ノウハウを蓄積しています。また、SIEが開発するプログラミング教材「toio」に関しても学校への提供を進めています。こうしたことから、流山市と東京理科大学より、協力の要請を受けたものです。

小中学校では、新学習指導要領によってプログラミング教育が新たにスタートしたばかりであることから、内田洋行は、より良い効果的なプログラミング教育を開発し、それを全国に展開することを目的に、当プロジェクトに参画します。

内田洋行では、本プロジェクトにおいて、東京理科大学と共同で以下の内容を推進します。

① 「toio」を用いたプログラミング教育のカリキュラム開発

内田洋行は2020年より、学校市場への「toio」の販売を開始しています。当プロジェクトにおいても、内田洋行と東京理科大学  滝本宗宏研究室は、プログラミング教材「toio」を用いたカリキュラム開発を行いました。小学校3年生から中学校3年生までの6学年の発達段階に応じて、タブレット端末を活用してビジュアルプログラミングからJavaScriptを用いたテキストプログラミングまで、教科横断でプログラミングを学ぶことができます。

具体的には、「toio」を用いて、プログラムを現実の動きと一致させて体験することで、目に見えない電脳世界を直感的に理解するための基礎をつくることができます。例えば、小学校低学年では、タブレット端末は使用せずにアンプラグドプログラミングによる論理的思考能力を育成し、小学校中学年から高学年ではICTの基本知識の育成から教科でプログラミングの活用などを体験できます。さらに、小学校高学年から中学校では、センサーの活用等による課題解決能力の育成を図るプログラミングを学び、さらに高度なテキストプログラミングを体験することで、実社会で機能しているシステムへの実装イメージを描くことにつなげ、高校情報科へのステップアップを図ることができます。

流山市 先進的統合型プログラミング教育カリキュラムイメージ
② プログラミング教育指導案の開発

新学習指導要領が目指すプログラミング的思考の育成のため、それぞれの教科の特性を活かした指導案を、東京理科大学 滝本宗宏研究室と共同開発します。

小学校1,2年生では生活科、3年生では算数の数や順番の学習、4年生では図工の創作活動、5年生では算数の平面図形や英語の道案内、6年生では理科での電気の利用分野等において、教科の目標と合致した内容とする予定です。

③ ウチダオリジナル教材の開発

内田洋行は、当プロジェクトを契機に、各教科で「toio」を使った授業が、より行いやすくなるよう、専用のオリジナル教材開発を拡大します。

例えば、小学校算数の平面図形での学習では、正多角形を描くためのビジュアルプログラミング専用マット(2020年4月内田洋行発売済)、中学校技術家庭科では、計測と制御向けに障害物センサーを用いた迷路セット(2021年10月発売予定)を活用し、教科で取り組める教材を開発し、「toio」とパッケージ化して提供することを計画します。

【ウチダ「toio」 ビジュアルプログラミングセット】2020年4月発売済
小学校5年生 算数「正多角形」

ロボットが専用マットに印刷された正多角形上を動くプログラムを考えます。

プログラミング通りに実際のロボットが動くことによって、児童はPC画面上でのシミュレーションでは得られない「ワクワク感」を持ちながら主体的に取り組み始めます。

【ウチダ「toio(トイオ)」迷路セット】2021年10月発売予定 監修・協力/熊本大学教育学部 田口研究室
中学校 技術・家庭科(技術分野)「計測と制御」

障害物センサーを備えたロボットが迷路を脱出するプログラムを考えます。

障害物の位置を変え迷路の難易度を高めることによって、生徒は挑戦意欲を高めプログラミングに没頭します。プレイマットはA3コンパクトサイズで様々な場所に設置でき、少人数で取り組み体験することができます。

小中学校4校の授業実践について(2021年7月~2021年11月)

■モデル校 小学校:東小学校 中学校:八木中学校、南流山中学校、西初石中学校

小学校単元名
小学校/単元名
1、2年生活科(アンプラグド)
3年算数 ロボットを動かそう
4年図工 創作活動
5年算数 正多角形
英語 道案内
理科 月と星
6年理科 電気の利用
中学校単元名
中学校/単元名
1年総合的な学習の時間(プログラミング基礎 Scratch)
2年総合的な活動の時間(JavaScript)
3年技術科(双方向性、計測と制御)

産官学プログラミング教育実践プロジェクトメンバーからのメッセージ

流山市GIGAスクール構想推進
流山市長 井崎 義治
昨年度策定した「流山市GIGAスクール構想」において、市のICT教育推進顧問である東京理科大学 滝本教授より、小・中学校一貫の「先進的な統合型プログラミング教育実践」の提案があり、このたび株式会社内田洋行、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの協力を得ることができました。
今回の産官学連携による新しいプログラミング教育の取り組みによって、情報化社会において子どもたちが自分自身で問題を解決していく力や、学びに向かう力をより発展的に伸ばしていきたいと考えております。
カリキュラム開発
東京理科大学 副学長 井手本 康
理工学部情報科学科 教授 滝本宗宏

わたしたちが生きる情報化社会は、現実世界と電脳世界の間(はざま)で成り立っています。そんな情報化社会で、プログラミングの学びをよりよい現実社会を作るチカラにするために、現実世界のモノとしての「toio」が、目に見えない電脳世界との橋渡しをしてくれると考えています。
さらに、東京理科大学から情報科学に長けた学生が参画することで、大学生と小中学生との間に教育と学びの好循環を生み出し、流山市が目指す「学びに向かう力と自立する力」をより発展的に実現できることを願っています。
カリキュラム共同開発
株式会社内田洋行 代表取締役社長 大久保昇
新型コロナウイルス感染症で、経済打撃と教育現場への影響が様々な問題を引き起こしている今、流山市では社会構造の変化に対応した新たな社会づくりや、Society5.0に向けた教育の在り方に取り組まれており、また今年111周年を迎えた当社でも「学び方変革」によって知識を伝える教育から、知識をどう使うかを考える教育への転換を目指しております。
内田洋行では、このような教育の転換期において、プログラミング教育でも新しいアプローチを図っていきたいと考えており、toioは教育に新しい可能性を拡げてくれるものと期待しております。
機材提供、技術サポート
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント 代表取締役副社長 伊藤雅康
千葉県流山市と東京理科大学の取り組みにおいて、toioにご注目いただいたことに心より感謝申し上げます。教育とエンタテインメントを兼ね備えたエデュテイメントシステムとしてのtoioと、学び方の変革をリードする内田洋行様とのパートナーシップにより、流山市の小中学生の好奇心を引き出し、将来の夢や社会を動かすチカラにつながることを願っております。私どもはこのたびの産官学連携プロジェクトに貢献し、これまでソニーグループで取り組んできた次世代を担う子どもたちへの教育に結びつく機会の提供をいっそう強化して参ります。

※"toio"、"トイオ"、" GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~"および"ロジーボのひみつ"は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。

※Scratchは、MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループの協力により、Scratch財団が進めているプロジェクトです。https://scratch.mit.eduから自由に入手できます。

※JavaScriptはオラクルアメリカ,インコーポレーテッドの登録商標です。

※その他記載されている名称は各社の登録商標または商標です。

内田洋行 教材開発、教育 ICTサービスへの取組み

内田洋行は、1948年より理化学機器を中心に学校教材販売を開始しており、教育機器のトップブランドとなりました。1980年代からPC導入など学校情報化に携わり、学校専門の保守サポートやヘルプデスク、教職員へのICT研修なども展開し、2004年には業界に先駆けて教育コンテンツ配信サービス「EduMall(エデュモール)」(http://www.edumall.jp/)を開始して、学校向けのサービスビジネスも展開しています。

教育研究では、1998年に内田洋行教育総合研究所を設置、2010年には総務省の実証事業「フューチャースクール」や2011年からは文科省の「学びのイノベーション事業」に参画するなど、ICT環境の教育効果について調査分析も数多く受託しています。

2020年からのGIGAスクール構想の整備においては、全国の自治体へ約130万台のPC端末の導入や、ICTシステム構築など全国の学校現場で運用支援に豊富な実績をもちます。プログラミングでは、学年及び教科に合わせたプログラミング教材を提供しています。近年は、さらにICT支援員の派遣サービスでプログラミング教育の授業支援も行なっています。

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【このリリースのお問い合わせ先】

株式会社内田洋行 広報部 佐藤将一郎・深澤琴絵
TEL. 03(3555)4072 FAX. 03(3555)4620