プレスリリース
2026/8/27
内田洋行と福井大学、学習空間・教育データ・教育アセスメントをつなぐ包括連携協定を締結
~附属義務教育学校を実証フィールドに、次世代の教育モデルを共同研究~


株式会社内田洋行(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大久保 昇、以下「内田洋行」)は、国立大学法人福井大学(学長:内木 宏延、以下「福井大学」)と、次世代の教育・学習環境の構築と教材開発、教育データやアセスメントを活用した新たな教育評価の実現に向け包括連携協定を締結しました。締結式は、2026年8月26日(水)、福井大学教育学部附属義務教育学校(以下、附属義務教育学校)で開催されました。
左から、福井大学長 内木 宏延氏、内田洋行 代表取締役社長 大久保 昇氏
本協定では、附属義務教育学校に構築してきた先端的な教室空間を実践研究のフィールドとして、ICTやAIを活用した学習環境づくりや、STEAM教育※1など次期学習指導要領を見据えた教育プログラムや教材、指導方法の開発に取り組みます。
内田洋行が全国学力・学習状況調査や自治体学力調査を通じて培った教育評価や測定のノウハウと、福井大学が有する協働的・探究的な教育実践の蓄積、教育評価の専門性を融合します。さらに、福井大学が連携協定を結ぶ福井県教育委員会において、長年にわたり蓄積されてきた学力調査と指導改善の実績も生かします。
これらをもとに、CBT※2やAIを用いた新たなアセスメント手法を開発し、教育データを先生の授業の改善や子供一人ひとりの理解度に応じた指導へ反映する方法を研究・実証します。学習環境、教育プログラム、アセスメントを一体で捉えた新たな教育モデルの創出を目指し、その成果を福井大学の教員養成や福井県内の現職教員研修に還元するとともに、全国の教育現場へ展開していきます。
※1 STEAM教育:Science, Technology, Engineering, Arts and Mathematics
※2 CBT:Computer Based Testingの略
包括連携協定の背景と目的
福井県の教育では、子供たちが自ら問いを立て、仲間との対話や協働を通じて考えを深める、探究的な学びが大切にされています。また、教員同士が授業実践を共有し、学校全体で授業を改善していく、協働的な授業研究の文化も根付いています。福井県は1951年から独自の学力調査を継続し、児童・生徒一人ひとりの学習状況の把握と、授業や指導方法の改善に活用してきました。福井大学は、教員養成や現職教員研修、附属義務教育学校における実践研究を通じて、こうした福井の教育を長年にわたり支えてきました。
福井大学と内田洋行はこれまで、附属義務教育学校における先端的なICT学習環境の整備や、クロスアポイントメント協定(※3)による人的連携を進めてきました。本協定では、この連携をさらに発展させ、次期学習指導要領を見据えた協働探究型・課題解決型の教育プログラムの高度化、教育データやAIを活用した新たなアセスメント手法の研究および教員養成・研修に共同で取り組みます。学ぶ場、学び方、評価を一体で捉えた新たな教育モデルを福井から創出し、全国へ展開していきます。
※3 クロスアポイントメント協定に基づき、内田洋行教育総合研究所の職員が福井大学の特命講師を務め、教育ICTや教育DXの知見を教員養成や教育研究に生かしています。
■包括連携協定の内容
(1)先端教育プログラムの開発、実践及び評価に関すること
附属義務教育学校をフィールドとして、STEAM教育やプログラミング教育をはじめとする先端的な教育プログラム、教材、指導方法の開発・実証・評価を行います。あわせて、得られた成果の教員養成や教育現場への普及・展開を推進します。また、次期学習指導要領に向けた協働探究型の教育プログラム、教材、指導方法の実践研究を進めます。
(2)教育データの利活用及び教育評価手法の高度化に関すること
両者が培ってきた学力調査や教育評価に関する知見を活かし、資質・能力を多面的に捉える評価指標や問題の開発に取り組みます。また、調査結果や学習データの分析・解釈を通じて、指導改善や学習支援につなげる教育データの利活用を推進します。あわせて、CBTを活用した調査・評価手法の開発・実証や、AIを活用した分析・評価手法の研究を進め、学習者の資質・能力をより的確に捉え、教育現場での実践に活かす新たな教育評価の実現を目指します。
(3)次世代の教育・学習環境の構築及びその活用方法の実証に関すること
ICTやAI等を活用した次世代の教育・学習環境の構築及び検証を行い、その環境を活用した効果的な指導方法の実証を行うとともに、その成果の地域への普及・展開を推進します。
(4)共同研究成果の検証及び発信に関すること
共同研究の成果について学術的・実践的な効果を検証するとともに、国内外への情報発信や教育現場への普及・展開を推進します。
(5)その他、本協定の目的を達成するために必要と認める事項
これまでの連携実績を、包括連携協定の研究・実証基盤へ
本協定では、これまでに整備した学習空間などの実績を、今後の研究の実証基盤として活用します。
■附属義務教育学校 探究的・協働的な学びを支えるプロジェクトルームの整備
2023年度に実施した後期課程校舎の全面改修では、内田洋行の学習空間設計とICT環境構築のノウハウを生かし、旧理科室を改修した「楪(ゆずりは)」・「暁(あかつき)」、「畷(なわて)」の3つのプロジェクトルームを整備しました。
未来型理科室「楪(ゆずりは)」
- 「楪(ゆずりは)」は、旧理科室を改修し、9台のラウンドテーブル型実験台と複数のマルチスクリーンを配置しました。グループでの実験や観察に加え、スライドを使った発表形式、教室を複数のグループに分けたセッションなど、もっと発表したい、もっと伝えたいという意欲を刺激します。
未来型理科室「暁(あかつき)」
- 「暁(あかつき)」は、水道や電気などの実験設備を壁面に集約し、中央部を自由に使えるフレキシブルな教室空間としました。最大100人を収容でき、可動式のデスクとチェアを組み替えることで、実験、グループディスカッション、成果発表に対応します。窓際のディスプレイは各班の実験映像の確認や振り返りに活用でき、PCから2画面へ投影できるマルチスクリーンは、活発な議論や情報共有を支えます。
プロジェクトルーム「畷(なわて)」
- 「畷(なわて)」は、活動に合わせて空間そのものを柔軟に変えられる多目的なプロジェクトルームです。可動式のファニチャーを組み替えることで、少人数のグループ活動から発表、講演、オンライン会議、交流活動まで幅広く対応します。
■次世代の教育モデルを支える学習者用端末環境の整備
NEXT GIGAに対応するため、小学校に相当する前期課程に410台、中学校に相当する後期課程に449台、計859台の学習者用iPad※4を整備しました。内田洋行は、端末利用環境の設計・構築とプロジェクトマネジメントを担い、2024年度の利用開始に向けた初期設定から、導入後の運用までを一貫して支援しました。整備した端末を、本協定で日常の学習で得られる教育データの利活用や学力調査、デジタル技術を用いた教育アセスメントにも活用し、指導改善や学習支援につなげていきます。
■9年間の一貫教育と教員同士の協働を支えるフリーアドレス制の合同職員室
前期課程と、後期課程の校舎をつなぐ中央棟1階に、これまで各課程に分かれていた職員室を集約し、合同職員室を整備しました。1年生から9年生までの教員が同じ空間で働き、互いの顔や日々の教育活動が見える、仕切りの少ないオープンな職員室へと転換しています。座席を固定しないフリーアドレス制を導入。課程や教科を越えて児童・生徒の情報や授業づくりのアイデアを共有しやすくし、9年間を見通した教育を教員が共に考える「協働の場」を実現しました。
■福井大学総合教職開発本部におけるSTEAM教室の整備
福井大学総合教職開発本部において、情報技術とものづくりを組み合わせたSTEAM教育の実践・研究の整備にも取り組んできました。この環境は、次期学習指導要領の改訂も見据え、「情報・技術科」の在り方や、デジタル工作機器を活用した「創造型探究」や教科横断的な実践力を育む、先進的な実践・研究環境を整備したものです。室内には、ICT機器に加え、レーザーカッターなどのデジタル工作機器を導入しています。教員の養成に加え、現職教員を対象とした研修や、地域の教育ニーズに対応した実践研究にも活用しています。
両者について
【福井大学について】
福井大学は、1873(明治6)年創立の福井師範学校(小学師範学科)をはじめ、福井青年師範学校、福井高等工業学校を前身とし1949(昭和24)年、学芸学部と工学部の2学部からなる新制国立大学として発足しました。現在は、教育学部、工学部、医学部、国際地域学部の4学部からなる総合大学として、「社会を共に創り、未来を切り拓く『社会共創大学』」を目指し、独創的・先駆的な研究と、「PBL」などを通じて地域社会や国際社会に貢献する人材育成を行っています。また、文部科学省の「教員養成フラッグシップ大学」に全国唯一の総合大学として指定を受け、次世代の教員養成のあり方を牽引しています。なお、国立大学における就職率は19年連続第1位を誇ります。
※複数学部を有する卒業生1,000人以上の国立大学において/2026年8月現在
| 学生数 | 5,116名(2026年5月現在) |
|---|---|
| 所在地 | 文京キャンパス(教育学部・工学部・国際地域学部):福井県福井市文京3丁目9番1号 松岡キャンパス(医学部):福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23号3番地 敦賀キャンパス(附属国際原子力工学研究所):福井県敦賀市鉄輪町1丁目3番33号 |
■福井大学教育学部附属義務教育学校
2017年に前身の小学校・中学校を統合し附属義務教育学校として開校。前期課程(1〜6年)、後期課程(7〜9年)で計700名を超える児童・生徒が学んでいます。「自主協同」を校訓、「未来を創る自己の確立」を教育目標に掲げ、全教科で9年間を通した協働研究に取り組んでいます。5年生からの教科担任制をはじめ、探究的な学びやプロジェクト型学習、異学年合同授業、グローバル教育などを幅広く展開。大学との協働研究や、地域・社会に開かれた学校運営などに取り組み、時代をリードする学校を目指しています。
【内田洋行について】
2025年に創業115年を迎えた内田洋行は、1998年に内田洋行教育総合研究所を設置し、文部科学省や総務省等の受託事業や大学との共同研究に取り組んできました。これらの経験・知見を活かし、全国で1,000校を超える学校に、未来の学習空間「FutureClassroom」※5を構築しています。また、全国学力・学習状況調査や自治体学力調査などを通じて、教育データの収集・分析・可視化に取り組み、その結果を指導改善や学習支援に生かす教育アセスメントの実践を重ねています。さらに、CBTプラットフォーム「TAO」を開発・提供するルクセンブルクのOAT社をグループ会社に持ち、教育データを活用して一人ひとりの学びを支える、新たな教育評価の実現を推進しています。「TAO」は、2025年のOECDのPISA調査にも採用され、106の国と地域で採用されました。
※4 iPadは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
※5 「FutureClassRoom」「FutureClassRoomLaboratory」は内田洋行の登録商標です。
前列左から、福井大学 理事(教育、ダイバーシティ担当)/副学長 澁谷 政子氏、福井大学長 内木 宏延氏、内田洋行 代表取締役社長 大久保 昇氏、内田洋行 執行役員 教育総合研究所 所長 伊藤 博康氏
後列左から、福井大学教育学部 附属義務教育学校長 水野 涼子氏、福井大学教育学部 副学部長/附属学園長 山田 孝禎氏、福井大学教育学部長 橋本 康弘氏、内田洋行 教育ICT事業部 事業部長 保木 浩一氏、内田洋行 教育総合研究所 アセスメントテクノロジー推進部 部長 佐藤 喜信氏、内田洋行 教育ICT事業部 西日本営業部 部長 中西 隆司氏
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社内田洋行
広報課 佐藤 将一郎・深澤 琴絵
TEL. 03(3555)4072 FAX. 03(3555)4620

