小樽商科大学(北海道 小樽市)

これが“10年後のスタンダード”実学の精神が体感できる講義室


さまざまなスタイルの学習を実践。意見が飛び交う講義室へ

前面のマルチスクリーン+サイド4面+教室外1面の全8スクリーン。タブレットPCや、そのハブとなるコラボステーションなどさまざまなICT機器。最先端の環境に訪れた人は誰もが驚きますが、「特別教室を作ったつもりはない。むしろ、これが10年後の講義室のスタンダードというつもり」と小樽商科大学 大津晶准教授。同大学が平成16年より新しい学びのスタイル=アクティブラーニングとして研究し蓄積していたノウハウを、実践するための念願の場所が213AL講義室です。もとは固定式の机と椅子があった通常の講義室を、わずか半月という短期間で再構築。それを実現したのが内田洋行のSmartInfillです。躯体を傷つけることなく、ICT機器のマウントも可能。機器の入れ替えなどにも容易に対応することができます。
教員と学生が双方向につながる授業。講義室では、活発に意見が飛び交う、熱のある授業が繰り広げられています。

授業スタイルに合わせて講義型、グループ学習型、ディベート型など、さまざまな運用が可能になるのがこの講義室の特長だ。

保田隆明准教授・財務管理論での授業風景。授業中はTwitterでも意見を受け付け、リアルな場と並行して、学生たちの意見を吸い上げている。また授業の翌日までに、Facebook のグループ上に書き込みを行うことも評価の対象とされ、書き込むと出席ポイントがカウントされる。学生の反応がタイムラグなく感じられ、次回の授業にすぐ活かすことができる。

保管している間に充電がおこなえる充電保管庫。ノートパソコンやタブレットPCなど最新の機器に対応可能で、コード類などをすっきり収納してくれる。

学生たちはタブレットPC上に意見を書き込む。各回答は一旦コラボステーションに集約。先生がいいと思った意見は、コラボステーションを経由してスクリーン上で発表される。

さまざまなICT機器が導入された空間を制御しているのが「codemari」。プロジェクターに投影する機器の選択や、調光、調色が可能なLED 照明のコントロールもタブレットPC 上で行うことができる。

新しい講義室が実現するアクティブラーニングとは?

私たちの大学は「実学」をモットーにしています。実践、体験を通して学ぶということです。最近の学生は、なかなか自分の考えを授業で発表しようとしません。でもこちらから意見を聞いて見ると、色んなことを考えている。そういう学生たちに対して、ICTを使って意見を吸い上げる仕組みを構築しています。これをきっかけに能動的に、主体的になってくれたらいいと思います。まずは最初の半年で実践・検証を繰り返し、徐々にこの教室を活用する授業を増やしていきたいと思っています。新しい講義室を作ったから終わりではなく、最終的にはこの場で育った学生が、社会で活躍してくれることが私たちの提供価値です。2011年に100周年を迎えましたが、変わるものと、変えてはいけないものをしっかり見極めて社会に還元していきたいと思います。

小樽商科大学 理事 総務・財務担当副学長
大学院商学研究科長 附属図書館長
和田 健夫 理事(左)
小樽商科大学 商学部 社会情報学科
大津 晶 准教授(右)
小樽商科大学

小樽商科大学
2011年、100周年を迎えた、自由な学風と実学重視の精神を継承する国立大学。札幌にサテライト校舎を持ち、ビジネススクールも開講している。
詳しくは: http://www.otaru-uc.ac.jp/
(2012年4月取材。所属や名称、掲載内容は取材当時のものです。)