総務省行政管理局
霞が関におけるオフィス改革の先駆者ー
オンライン会議における声の干渉を吸音ブースで解決
空間デザイン、レイアウト変更作業、什器備品(吸音ブース、ラウンジソファ、L型デスク、ローパーティションなど)
各時代にふさわしいリニューアルが高評価
当局は行政機関に共通する基本的な制度を担当し、関連する法律の運用や行政改革に取り組んでいます。平成27年からは他の省庁や部署に先駆けて自らのオフィスづくりに着手し、内閣官房によるワークライフバランス職場表彰を3年連続で受けるなど、時代にマッチしたリニューアルを重ねて高く評価されてきました。
例えば「職員が自席でしか作業できない」「成果物の作成にいくつもの手間がかかる」といった課題を解決するべく、フリーアドレスや無線LAN、チーム型テーブル、ペーパーストックレス(文書を紙のまま保管しないこと)を導入しています。最近では令和4年3月に、コロナ禍でのオンライン会議や職員間コミュニケーションを円滑にするための改善を施しました。
音漏れを防ぎ、外部の視界を遮る吸音ブースが効果的
オフィス改革が進められているのは東京・霞が関にある中央合同庁舎第2号館の執務室です。約80人いる職員にアンケートを実施したところ「オンライン会議中に他者の声が干渉してしまう」との意見が多いことが分かり、令和4年の改装では同時に6人まで利用できる吸音ブースを4つ設置しました。
また、従来はホワイトボードの仕切りのみであった打合せスペースを壁面パネルで囲い、周囲の視線を遮ることで、各行政機関や独立行政法人とのやり取りに集中できます。
加えて、オフィス中央には新たにラウンジソファを置きました。ここでは頻繁に “会議未満の気軽な相談”が行われるようになり、班や部局の枠を超えた交流が盛んになっています。
レイアウトや什器の選択肢を広げた上で決定できた
会議用の吸音ブースを設置して予想外だった反応は、1人で入室して作業に打ち込む職員をよく見かけることです。オフィス改革で局内が活性化した一方、仕事中に話しかけられて手を止める機会が増えたと感じる職員もいて、ブースの特徴である没入感の高さは急ぎ資料を作成する際などに重宝するようです。
なお、こうしてオフィス改革のアイデアを具現化させていくにあたり、内田洋行の本社を見学して近年の多様な執務室や会議室の在り方を学びました。印象深い数々の事例の中から、当局にふさわしいレイアウトや什器を実際に見て、触れて、選択肢の幅を広げた上で答えを決められた点もありがたかったです。
課題や解決方法の知見を展開して改革成功の一助に
オフィスがアップデートされていくのを手放しに喜ぶのではなく、この空間が各時代の働き方に本当にフィットしているのか、不断に見直す必要があります。現在は地方自治体や他の省庁、民間企業から視察を受けていますが、当局と同様にコロナ禍でのワークスタイルやペーパーレス化に悩む方々も少なくありません。
我々の挑戦の現時点での結果であるオフィスをご覧いただくと共に、実際に私たちが何に悩み、課題を解決する中でどのような壁に直面したのか、知見を展開していくことで成功の一助になればと願っています。
総務省行政管理局様
所在地
〒100-8926
東京都千代田区霞が関2-1-2 中央合同庁舎第2号館 6F
ウェブサイト
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