東京23特別区に勤務する職員の研修所として令和4年10月にオープンした「東京区政会館別館・特別区職員研修所」。これまで使用されていた旧東京区政会館本館の老朽化に伴い、複雑化・多様化する研修ニーズに応えられる研修所として、建て替えが行われました。研修所は、特別区職員約5万6千人を対象に、区民の奉仕者としてふさわしい人間性を磨くとともに、区政担当職員として職務遂行上必要な能力の開発を図り、積極的な意欲を持って職務に取り組みながら、時代に即応できる職員の育成を目指して研修を実施しています。

特に近年では、研修においてプロジェクターやパソコンといったICT機器の利用機会が増加していることに加え、その研修スタイルも画一的な講義だけではなく、受講者同士が対話を通じて課題にアプローチすることで能動的な学習を図るグループワーク形式が増えるなど、時代に合わせてその研修スタイルの在り方が多様化してきました。そこで各種ICT機器の幅広い利活用や、様々な研修スタイルへの対応を実現する高い可変性、そして研修準備に当たる職員の利便性を備えた研修室の実現に向け、整備に取り組まれました。

参考としたのは、内田洋行が行政・学校・研究者などとともにデザインした未来の学習空間、「Future Class Room®」。煩わしい準備を必要とせずにハイフレックス型の研修が行えるしくみや、自由自在に動かしてフレキシブルなコミュニケーションを可能とするデスク、また大画面・複数投影を可能とするプロジェクターを備えた「Future Class Room®」を参考に、新たな研修所空間に必要となる要素の検討が進められました。

また、各種ICT機器やネットワークを自在に実装できる空間構築ユニット「SmartInfill（スマートインフィル）」を採用することで、デジタル社会に相応しい多様なICTを使いこなせる空間を構築。さらに、これらの様々なICT機材をシンプルかつ直感的に使いこなせるAV制御システム「codemari（コデマリ）」を導入し、研修を行う職員をバックエンドで支えるしくみも備えられています。

多様なAV機器はcodemari で容易に制御

研修室の設備や什器については、当初従来に近い形での整備を予定していました。しかし、内田洋行本社オフィスの「FutureClass Room®」にて、充実したICT設備と高い可変性を備えた教室（研修室）の教育効果を体感し、整備内容を見直しました。特にSmartInfillの導入により機器のメンテナンスや交換作業が簡易になったことや、codemariによって映像と音声の制御が簡便になったことは職員の業務負担軽減につながるためこだわったポイントです。

※2022年9月取材。掲載内容は当時のものです。