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導入事例

高橋 邦夫 氏

行政文書管理システム お客様導入事例

大幅な業務の効率化、コスト削減を実現。内部情報システムの核として進化する「総合文書管理システム」

東京都 豊島区
豊島区 政策経営部情報管理課長 高橋 邦夫 氏

2015年5月、新庁舎へ移転する豊島区役所様。移転を見据え取り組み始めた情報システムの見直しの一環として、文書管理システムパッケージ「e-ActiveStaff」を導入、2009年より本格的に運用を開始しました。現在では、大幅な業務効率化による作業者の負担減や、紙文書、電子文書、電子化文書の情報統合によるコストダウンを実現しています。
このたび、導入の背景、効果、今後の展望について、豊島区政策経営部情報管理課長 高橋邦夫氏におうかがいしました。 以下、高橋氏のインタビューメッセージです。

導入の経緯・課題

新庁舎への移転を見据えた、システム共通基盤の構築

システム共通基盤のイメージ
システム共通基盤の構築により、これまでシステム全体を調達していたものが、アプリケーション部分のみでの調達が可能に。
さらに、システム共通基盤上で、オープン化された業務システムを効率的に連動させることで、システム開発や業務の効率化も実現。

豊島区では、2015年5月、新庁舎への移転を予定していますが、この移転を見据え、2007年より文書管理システムの導入を含む情報システムの大幅な見直しを開始、2009年より本格的な運用がスタートしました。
その際、重要なポイントとなったのが、それまで独立して稼働していた各業務システムを、共通して利用する機能を同じ基盤上に構築する「システム共通基盤」の採用でした。システム共通基盤を介して、各業務システム間のデータを一元化することにより、管理・運用が容易になるという大きなメリットがあります。
内田洋行さんからご提案いただいた文書管理システム「e-Activestaff」は、こうした豊島区のコンセプトにマッチしていたこともあり、導入を決定しました。

導入前の課題

情報の属人化

いちばんの課題は、文書の私物化でした。統合文書管理システムを構築する際、職員を対象にアンケートを行ったのですが、実に約8割が、他人の担当している文書を取り出せないと答えています。そのことにより、過去に作成した文書の有効活用がなされていなかったり、検索に長時間を要したりと、様々な弊害が発生していました。

人事異動サイクルと引き継ぎの不徹底

人事異動の関係上、3、4年で次々と職員が異動してしまいます。引き継ぎが徹底されず、知識の継承やスキルの蓄積が難しいのが実情でした。そこで、新任の職員が必要な情報にスムーズにたどりつけるシステムの構築は、組織としてのテーマでもありました。

不要な紙文書が執務室内に散在

導入前は、デスクまわりに紙の束が積み上げられているような光景が見受けられました。

このままの状況で、新庁舎に移るわけにはいかない。これらの課題を解決するために、文書を電子化して減量し、文書のライフサイクルに則した文書管理システムを導入することは必須事項と言えるものだったのです。

システムの概要・ねらい

紙文書と電子文書の共存環境に対応し、受領から保存・廃棄・移管にいたるまで文書のライフサイクルを総合的に管理

文書起案業務の仕事量の時系列評価
起案以降、決裁、保管・保存などに関する業務が重要であることは当然だが、仕事量としては、起案前の起案準備、事前合意形成などが最も多く、効率化を実現するには、起案前における作業者の負担の軽減が不可欠と言える。

起案準備段階における効率化の追求

豊島区が文書管理システムを導入したのは、2009年。当時、文書管理システムは、あまりメジャーなシステムではありませんでした。すでに導入している自治体もありましたが、あまり有効活用できておらず、電子化が思うように進まないという話も多く聞かれました。
というのは、それまでのパッケージシステムでは、起案から決裁完結までの迅速化に力を入れていたのですが、実際のところ、職員にとってそこは、それほど大きなウェイトを占める部分ではなかったのです。時間が掛かるのは、どちらかというと、過去の事例や他の自治体の事例を調べたりという、起案準備、起案文書作成の段階なのですね。つまり、起案の前段階の効率化の方が大きな問題だったのです。
また、効率化のためには検索性、再利用性を考えて、電子文書中心に運用するべきと考えました。

豊島区役所様が目指す統合文書管理システムの概念図
「フォルダ」を「ケース」という名で管理する「ケース管理」の概念は、近年、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)により提案、推奨されているもの。収受案件毎に共有フォルダを作成し、フォルダ内の文書番号をリンクすることで、経緯文書から最終文書までを一元管理する豊島区様のシステムは、「ケース管理」のモデルケースとして高く評価されている。

文書管理とケース管理を一元化する「統合文書管理システム」

公文書というのは、自治体の文書取扱規程による分類に従い、所定の場所に文書を保存することになっています。
ところが、職員が文書を作成する際には、最初から、そういった分類までを考えてつくるわけではない。自分が担当する事業、業務ごとにフォルダを作り、打ち合わせ時のメモから起案に添付する最終文書にいたるまで、個人のPCやファイルサーバなどに格納しています。
このフォルダはナレッジといいますか、担当者には無くてはならないノウハウそのものです。従来ですと、このフォルダから起案に必要な文書を取り出して、「文書管理システム」に入れ直し、このシステムで公文書を管理していました。このことが、文書の二重管理を生み、本来の業務として必要なフォルダ管理がないがしろにされることにもつながっていました。
「e-ActiveStff」は、フォルダ(ケース)管理と従来からの公文書管理の双方からなる統合文書管理システムであり、このコンセプトは非常に素晴らしいものだと考えています。職員の負担も軽減されますし、検索性が高く、過去の事例も活用しやすくなりました。

文書管理システムと職員ポータルの連動で、システム運用をスムーズに

併せて、文書管理システム導入と同時に、職員ポータルを稼働させました。
職員がPCを起動すると、職員ポータルが自動的に立ち上がるようになっています。トップ画面に文書管理というタグを設置し、朝来たら、必ずクリックするようにしています。続いて、決裁箱というものが表示されますが、決裁しなければいけない文書がある場合には、ここに入ってきます。そして、ここを開けると、そのまま決裁の手続きに進むことができ、決裁が済むと、次の人に回されるようになっています。2クリックで決裁までいけるわけです。
朝来たらこれをやるという、この一連の流れを、職員が当然のこととしてできるようになっていますので、決裁が滞るとか、誰かのところでたまるということがないですね。文書管理システム導入と同時に、職員ポータルを立ち上げたことにより、全庁的に運用がスムーズに運んだと感じております。

導入後の効果・活用状況

高い電子化率、決裁時間の短縮を実現

文書管理システムを2009年の7月から導入しましたが、2011年9月の時点で、99%という高い電子決裁化を達成しています。この際、導入効果測定を行ったのですが、結果として、紙を42.4%削減、意志決定に関しては、区長決定までの日数も7日間から3日間へと短縮されています。区長の決裁まで3日間というのは、大変画期的なことです。

文書起案までを大幅に効率化、作業者の負担を軽減

職員の負担軽減という点においても、大きな役割を果たしています。
2010年度の調査によると、似た文書がないかと探す、登録文書検索回数は32,618件、そのうち該当するものがあって、再活用している件数が、70%以上の22,862件にものぼります。加えて、当初、起案文書作成まで平均21分かかっていたものが、2011年3月の時点で、12分にまで短縮されています。さらに、2013年の調査では、10分以内で起案作成できる職員の割合が、37%(2009年の段階では6.4%)にまで増加しています。
最初は慣れないこともあり、不満が出たり、起案文書をつくるまでに時間がかかったりもしていたのですが、運用するに従い、いかに起案の準備段階での効率化がなされているかということがわかります。

文書管理システム上で、紙文書、電子文書、電子化文書の情報を統合。大幅なコストダウンも実現

豊島区では、電子化と併せて、既存の紙文書の整理、文書管理システムへの統合も進めています。具体的には、ファイリングシステムを再構築し、既存の紙文書を電子化、不要となった執務室内の重複文書は廃棄し、保管文書に関しては、それが実際にどこにあるのかという情報も文書管理システムに入れるという作業をしています。そうすることで、保管文書量を削減すると同時に、紙は紙として保管しておく場合にも、その所在が明確な状態になっています。
電子化、文書整理による検索効率の向上は、コスト面でも大きな成果をあげています。例えば、年収500万円の職員の人件費を分単位に換算すると、1分あたり45円かかっていることになりますが、その人が、1日あたり10回文書を探していたとします。加えて、1回あたり5分かかっていたものが、1分削減されて、4分で済むようになったとします。すると、年間1億2500万円のコスト削減が可能になります(事務職といわれる職員1200人で計算)。
現状では、1分くらいで検索できるようになってきていますので、実際の削減効果は、さらに大きなものであると思われます。こうしたことからも、文書管理システム導入における効果や必要性の大きさを実感することができます。

今後の展望

文書管理システムは、内部情報システムの核、政策立案の要となるシステムへ

文書管理システムは、内部情報システムにおける一部の部門のシステムと捉えられがちです。しかし、そうではなく、文書管理システムが、内部情報システムの中心的存在として構築され、財務会計をはじめとする他システムと連携することで、それらの部分の検索性も大きく向上させることができます。現在は、業務システムの中の1システムという立ち位置ですが、今後は、情報収集ツールおよび情報活用ツールとして、内部情報連携における中核となるシステムにしたいと考えています。そうした中で、内田洋行さんにも、バージョンアップによるサポートを期待しています。
この度、新庁舎に移り、ひとつの大きな区役所の中に職員が集まるということは、様々な立場の職員同士がコミュニケーションを取り合うための大きな契機になります。移転を機に、情報システムを活用し、さらなる業務の効率化、職員同士のコミュニケーションの充実、区民サービスの向上を図っていきたいと考えています。

導入したシステムのご紹介

東京都 豊島区

文化と品格を誇れる価値あるまち 安全・安心を創造し続けるまち

豊島区役所

巨大ターミナル・池袋を中心に、「住」と「商」がバランスよく共存する豊島区。新庁舎は、「安心・安全な文化都市としま」を標榜する同区において、質の高い区民サービスを提供する拠点として、また、区民生活の安全を守る拠点として機能するとともに、文化創造都市、環境都市、福祉増進都市、教育都市のシンボルとして、将来の都市づくりの先導役を果たします。

人口:
271,896人(2014年2月1日現在)
所在地:
豊島区東池袋一丁目18番1号
URL:
http://www.city.toshima.lg.jp/

取材日:2013年12月12日
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。

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