THEME.1
これからの社会で、何が起きようとしているのか
OPINION_03

Interview with

YOSHIATSU MURATA

新しい一歩のために、

必要なこと

村田 義篤
Profile
村田 義篤
ネットワークビジネス推進統括部 統括部長
1990年入社。オフィスコンピューターや汎用機などの営業を経験後、30代半ばから事業企画部、経営企画部へ異動。40歳からSE部門長となり、2016年からネットワークビジネス推進統括部統括部長に。オフィス空間でのテクノロジーを活用した「働き方変革」を、ICT面から普及に努める。

#01
意識の変革が、社会の変革を巻き起こす

少子高齢化に伴う労働人口の減少は、日本が直面する喫緊の課題です。これに伴い、労働生産性を向上する働き方改革に真剣に取り組まなければならなくなりました。このような課題を抱える日本で重要なキーワードとなるのが「Society5.0」。AIをはじめとするテクノロジーを最大限に活用し、フィジカル空間とサイバー空間がシームレスに融合した社会のことで、政府が提唱する未来社会のコンセプトでもあります。ただし、どれだけ優れたテクノロジーであっても、使うのは私たち人間であることを忘れてはなりません。人びとがSociety5.0に向かう意識を持ち、利用者が主役となってテクノロジーを活用していく。この共通意識を持ち、共通の行動変化を経ることで、初めて実現される社会像なのです。
現状、日本が政治や経済の分野で世界をリードするのは難しいかもしれません。しかし、思想やビジョンで世界に先駆けることは可能です。思想やビジョンの変革が、政治や経済の変革を巻き起こす。その礎を築き上げるためにも、内田洋行はお客さまとの対話を通して新しい社会に向けた意識変革を巻き起こすという使命を胸に、テクノロジーを生かした社会の環境構築を提案していきます。
内田洋行は111年の歴史のなかで、働く場、学びの場、暮らす街の構築を続けてきました。現在は「働き方変革」「学び方変革」「場と街づくり変革」をテーマに取り組んでいますが、それぞれのテーマの連続性をさらに持たせることで、内田洋行がライフステージのすべての変革を支え、人びとのより豊かな生活に貢献できると信じています。100年以上の歴史で築き上げてきた知見を生かし、今後100年、業界をリードして変革を続けていくための大きな転換点を迎えていると言えるでしょう。

#02
意識を高める仕組みづくり

新型コロナウイルス流行の影響を受けて、働き方の多様化は加速しています。オフィスというひとつの場だけではなく、サテライトオフィスや自宅といった働く場を全体で捉えることが重要になりました。いまや、「今日は、この仕事のためにどこで働こうか?」と働くストーリーを自ら選択する時代なのです。
内田洋行は柔軟な働き方を実現するために、オフィスのフリーアドレス化や座席使用状況確認システム、会議室予約システムなどを提供。そこで得られた膨大なデータを元に、オフィスの使われ方を分析します。サイバー空間のデータから引き出された課題を解決するために、デスクや会議室といったフィジカル空間のレイアウトを柔軟に変更するということまで実現しています。課題意識に合わせてアップデートできるオフィス空間。これが、新たな時代に求められる働き方だと考えています。
心がけているのは、利用者の意識を高める仕組みづくり。例えば会議室予約システム「SmartRooms」は、会議室の入り口に設置されるタッチパネル型のシステムで、そこで利用されたデータがサイバー空間に蓄積されるというものです。会議室を利用するためには、部屋に到着した際にパネルをタッチしなければなりません。センサーで人が来たかどうかを感知させることも技術的にはできますが、行動を伴う仕掛けを用意することで、「予約しただけで実際は使わない」「予約を正しい時間に変更しない」といった課題に対する解決意識が高まります。極端に表現すれば「ドアを閉める」「イスを片付ける」というような日頃当たり前にできている習慣は、Society5.0で導入されるテクノロジーにおいてどのように実行されるのか。それができて初めて、Society5.0は最大限に価値を発揮し、労働生産性の向上につながっていくのだと思います。
小さな変化を積み重ねていく
小さな変化を積み重ねていく

#03
課題意識の深さが、挑戦の原動力となる

内田洋行の強みは、現場感覚と利用者目線を大切にしたものづくりにあります。お客さまの課題を熟知した営業をはじめとする社員がアイデアをディスカッションし、ときにはお客さまの協力を得ながら新しい商品やソリューションを開発。より良い環境構築を目指して走り続けてきました。「SmartRooms」もプロトタイプから改善を積み重ね、スピード感を持ってトライアンドエラーを繰り返すことで、多くの企業から支持される製品へと成長させることができたのです。もちろん失敗することだってあります。以前、ホワイトボードをタブレットでスキャンし、記載内容を自動で文字起こしするというシステムをつくったのですが、残念ながらほとんど売れませんでした。ですが、その挑戦を内田洋行は否定しません。失敗を繰り返してこそ、成長すると考えているからです。
一番大切なのは自分たちの商品を売ることではなく、お客さまが困っていることを解決することです。そのためには何を売ってもいいのです。お客さまが実現したい理想を叶えるためには、お客さまが本当に必要としているものを提案しなければならないのです。「内田洋行の商品からお客さまを見るな」とよく部下には伝えていますが、このように既成概念を取り払って仕事をした方が自由ですし、チャレンジできて面白いと思いませんか?
社内外の古いしきたりや習慣が壁となり、挑戦が阻まれてしまいそうになる。そんなときは、自分自身の意識もお客さまの意識もアップデートできるよう対話を重ね、スピード感を持って実現に向けて突き進むことが大切になります。社会人として世の中に貢献したいという熱意を持って、「いまの自分は社会に対して何ができるだろうか」と考え抜く。そして、とことん課題意識を掘り下げることが、新しい一歩を踏み出すための原動力となるのです。