THEME.1
これからの社会で、何が起きようとしているのか
VIEWPOINT 03

つながりが活性化する、


場と街へ

人びとが集まる場や街。その機能・役割はアップデートを続けている。さらに、新たな技術を活用し、これまでには実現できなかったような街づくりも進んでいる。例えば、IoTなどの先端ICT技術の登場によって、スマートシティの実現が現実味をもって語られるようになった。水道・電気・ガスなどのライフラインから、医療や教育などの公共サービス、交通機関の整備まで、街が持つあらゆる機能を効率化・高度化しながら、持続可能な街をつくっていくという構想だ。

地震や台風など、災害大国としての側面を持つ日本。気象データや被害状況の把握ができていても、データ解析とシミュレーション、各機関の連携が不十分な状況では、災害に対応することはできない。東日本大震災の際に収集されたSNS上のデータやカーナビデータ、スマートフォンの位置情報など、ビッグデータの解析にAIを活用することで、防災・減災や発災後の救援活動など、一人ひとりの命を守るための最適な行動が導き出されていく。

自治体の情報システム環境もまた、変化の途上だ。住民データの一元管理、各種手続きのシステム化、利用可能端末の広がりなどに伴い、時間や場所にとらわれずに公的サービスの提供が可能になってきた。しかし、目先の利便性を追求することが目的なのではない。例えば、さまざまなデータを連携させることで、医療・子育て・介護といった各領域において切れ目のない支援が可能となる。ICTの活用は、公的サービスの可能性を広げ、人びとの生活をより豊かにしていくことを目的とするのだ。
老朽化した施設やインフラへの対処も社会課題として挙げられる。住民の暮らしに合わせて、これらのリノベーションやコンバージョンなどを適切に行っていくことは、街づくりに欠かせない施策だ。公共施設の使い方をデザインし、コミュニティそのものもデザインすることで、ハードとソフトの両輪で地域が活性化していく。

これからも、人びとが集まる場や街のアップデートを続けていくために。求められるのは利便性だけではなく、人やコミュニティに寄り添った設計と運用だ。施設やインフラなどの物理的な空間、そこに集積されるさまざまな情報……、これらを組み合わせていく目的は、人と人がつながり、支えあうコミュニティを形成していくことに集約されるのだ。人と情報、人と人のつながりを考えることこそが、持続可能な場と街づくりへとつながっていく。