THEME.2
内田洋行ではいま、何が起きようとしているのか
INTERVIEW:10
/Dialogue
社員インタビュー
中尾 教子 & 渡辺 修司
  • NORIKO NAKAO

  • &

  • SHUJI WATANABE

  • Profile
  • 中尾 教子
  • 所属:教育総合研究所 研究開発部
    兼 システムズエンジニアリング事業部 技術サポート&サービスビジネス推進部
    入社:2009年
  • 前職にて教育分野におけるICTの活用を推進する事業に携わりながら、大学院修士課程を修了。その後、内田洋行に入社し、博士号を取得。学校教育の現場におけるICT活用について調査・研究を行う。2020年1月より、SE部門の一員としてサービス開発を兼務。
  • 渡辺 修司
  • 所属:知的生産性研究所
    CWコンサルティングサービス課
    入社:2013年
  • デザイン・経営・工学を横断的に学び、大学院で空間デザインを専攻、ワークスペースの研究を行う。場づくりだけでなく、ワークスタイルについての理解も深めたいと思い、内田洋行に入社。企業の働き方についてのコンサルティングを行う。

解決策を「示す」のではなく、

次の社会への道筋を「つくる」ために

解決策を「示す」のではなく、


次の社会への道筋を


「つくる」ために

#01

実践する研究機関として

中 尾
私たちは企業内研究機関に所属して、調査・研究を行っていく立場です。働き方と教育では分野が異なりますが、渡辺さんは、お客さまである民間企業へコンサルティングを提供することが多いですよね。
渡 辺
はい。当社は1989年に知的生産性研究所を立ち上げ、調査・研究やその成果発表などを行ってきましたが、近年は実際にお客さま企業のところへ出向いて、具体的に働き方を変えるご支援を行うことに軸足を置いています。コンサルティングの実践のなかで、現場でしか得られない知見を集めつつ、新たな研究課題を発見し、次に生かすことを繰り返しています。中尾さんも、教育現場と触れ合う機会は多いのではないでしょうか?
中 尾
そうですね。教育総合研究所は、ICT活用と学力を研究テーマの両輪として設定しています。教育現場におけるICT活用を例にとると、政府によるGIGAスクール構想によって、いままさに、小中学生への一人一台のPC整備が進められようとしています。教育総合研究所ではモデル校にご協力いただきながら、例えば、実際に遠隔授業を行うなどICTをテスト導入し、どのような課題があるのか、どのようなサポートが必要かなど、教育現場の話を聞きながら実証的に調査研究を進めています。
渡 辺
そういう意味では、私たちは研究機関といっても、極めて実践の場に近いところにいる研究機関と言えますね。ともすれば研究する側の目線は、当事者である現場の目線から乖離することがあります。私たちは企業内研究機関として、二つの目線をバランスよく持ち合わせることが求められていると思います。
中尾 教子 & 渡辺 修司
#02

長期的な目線と、短期的な目線を結びつける

長期的な目線と、


短期的な目線を結びつける

中 尾
実践の場に近いということは、すなわち、世の中の動きに影響を受けやすいという意味でもあります。渡辺さんはどのような変化を感じますか?
渡 辺
入社して7年ほど経ちますが、世間でいう働き方改革の捉え方も変化してきたように感じます。以前は、残業抑制や生産性向上といった側面で主に議論されてきましたが、現在は、やりがいや働きがいをどう創出していくか、という議論がなされるようになってきました。生産性向上にくわえて、エンゲージメントの強化へと関心が広がっていった。仕事そのものにどう面白さを感じるかとか、仕事の倫理性や社会的意義を踏まえ、そこから個人のやりがいに結びつけることが大事にされるようになった。「なぜその仕事があるのか」「なぜ私はその仕事をやるのか」「なぜ私はこの組織で働くのか」ということがより問われるようになったと思います。なお、こういったことは、何も従業員にだけ良いのではありません。組織が元気であることは、経営にも資するのです。
中 尾
数字で判断する短期的な視点から、計測できなかったり、すぐには結果が表れなかったり、というような効果が見えにくい長期的な視点へとシフトしたということでもありますね。ただ、それによって別の問題も発生するのではないでしょうか?
渡 辺
そうなんです。例えば、残業時間の抑制といった、数字として測れる課題であれば、効果を実感しやすい。ところが、働きがいなどのエンゲージメントといったものは、わかりやすく目に見えるものではありません。エンゲージメントの向上は、モチベーションアップや社内コミュニケーションの活性化、挑戦する意識の向上などにつながり、先々には離職率の低下や、新しいアイデアを生み出すといった成果につながっていくことが期待されます。しかし、一朝一夕ではそこまでは至れません。長期的に取り組む覚悟が必要になります。
中 尾
なるほど。私たちはお客さまにとって外部の人間として、長期的なメリットを訴えることができますが、一方で当事者である現場は、目に見える短期的な結果を求める傾向があるということもあります。教育現場を例にとると、目の前の課題に応えることの重要性は非常に高い。というのも、目の前の子どもたちが教育を受ける期間というのは限られているからです。たとえそれが画期的な改善をもたらす施策だったとしても、実施が4〜5年後のことであれば、いまの子どもたちはその恩恵に預かれません。学校の先生方は、児童生徒一人ひとりの顔を見ながら、子どもたちの将来を真剣に考えています。私たちは、長期的な目線の重要性をお伝えする立場ですが、学校の先生方の「目の前にいる子どもたちの将来を考える」という姿勢を学ばせていただく立場でもあります。いまを良くしながら、将来につなげていく双方の役割を担っていると思っています。
渡 辺
働き方の変革においても、長期的なありたい姿の実現を目指しながらも、小さなことでもいいから日々、良い方向に変わっている実感を得られることが、推進のポイントのひとつだと思います。また、お客さまから学ばせていただく、という考えにも強く共感します。私たちの仕事は、お客さまと一緒に考えながら、答えをつくっていくような仕事です。こちらが絶対的な答えを持っているわけではありません。業務内容や現場の仕事に関しては、当然私たちよりもお客さまの方が、理解が深い。ただ働き方の変革については、当社にはこれまでに蓄積されたノウハウがある。ですから、この二つをすり合わせていくことによって、その会社に一番フィットする働き方の実現に向けて踏み出せる。両者の目線を結びつけていく協働が重要なのだと思います。
中尾 教子 & 渡辺 修司
中尾 教子 & 渡辺 修司
中尾 教子 & 渡辺 修司
中尾 教子 & 渡辺 修司
中尾 教子 & 渡辺 修司
#03

形だけの変化ではなく、本質的な変化のために

形だけの変化ではなく、


本質的な変化のために

中 尾
私の場合、調査・研究をする過程で、アンケートへのご協力や指導案の作成に至るまで、何らかの負担を学校現場におかけすることが多くなってしまいます。その調査・研究が本当に教育現場を良くするものか、問い続ける必要に迫られる。こう言ってはなんですが、現場への負担というのは、変化のためにどうしても生じてしまう側面であり、この辺りはジレンマを感じる部分ですね。
渡 辺
そうですね。私も、働き方変革のご支援の過程で社員の方から意見を伺うなど、お時間を割いていただくことがあります。くわえて、そうした過程を経て考えられた新しい学び方や働き方は、社員の皆さんが慣れ親しんだスタイルからの脱却を強いることになり、ご負担が伴います。
中 尾
分かります。教室でのチョークとトークでの指導の世界に、児童生徒一人一台のPCが入ってきたら、先生方にとってはかなりのインパクトですから。ただ、その見た目の変化だけでなく、私たちはこれからの社会の礎となる部分を考えていくので、やはり社会全体に目を向ける姿勢が不可欠だと思います。具体的には、社会が抱える人口減少などの課題を踏まえた、これからの働き方や教育制度・方法の見直しや刷新を目指すものです。くわえて、そこだけを見るのではなく、既存の仕組みにも目を向ける必要があります。それが生まれた背景や目的、どのようなプロセスを経て現在の仕組みが形成されてきたのか、と。
渡 辺
私もそう思います。いまのその仕組みが存在するのには理由があるわけで、変化するといってもむやみに変えるものではありません。良いところは残しつつ、目指す姿の実現のために変えなければならない部分を変える。その見直しや刷新に当たっては、変化のプロセスを当事者である現場の方々と共有していくことが重要です。私たちは確かに、これからの働き方や教育の在り方を考えています。しかし、私たち内田洋行とお客さま企業の上層部だけで出した結論に、「ただ従ってください」と指示するのでは、本当に働き方を変えることは難しいと思います。先程、エンゲージメントの話をしましたが、エンゲージメントを感じる当事者は現場の方なのです。なので、上層部と現場が双方、納得・共感できる働き方を模索しなければなりません。この模索のプロセスをともにすることによって、変革の必要性を自覚し、行動が生まれはじめるのだと思います。それこそが、社会をアップデートするための必要条件なのではないでしょうか。
中尾 教子 & 渡辺 修司
仕事を、誰もが意義を感じ
挑戦していくものに。
そんな社会につなげていく。
── 渡辺
すべての人に等しく提供される公教育が、
すべての人の可能性を
大きく開くものであってほしいから。
── 中尾