システムズエンジニアリング特集 内田洋行のICTソリューション[民間編]

システムズエンジニアリング特集

内田洋行のICTソリューション
[民間編]

内田洋行は、ICT企業として自社開発のERP/基幹業務システムを展開しつつ、
さまざまなパートナーとの連携によりネットワークソリューション、クラウドサービスなど、
多岐にわたるICTソリューションを提供している。1980年代に入社以来、
社会のICT技術の発展とともに民間企業の課題解決を図ってきた齋藤特命部長に、
これから先の時代を見据えた「技術との向き合い方」を聞く。

PROFILE
斎藤 忠史
システムズエンジニアリング事業部 エンタープライズサポートセンター
特命部長
齋藤 忠史

1988年入社。SEとして主に民間企業向けのICTソリューションに携わり、流通業、建設業などを経験。2013年、民間SE部門長を経て2020年7月より現職。システムズエンジニアリング事業部が内田洋行の技術的リソースとして、複数の専門領域にまたがる多様な価値を提供しつつ全体最適を実現すべく、民間・文教・公共領域の知見を集約している。

ICT企業として高い技術を磨き、


商社としてお客さまに向き合う

ICT企業としての内田洋行は、
どのような特徴を持っているのでしょうか。
当社は商社としてお客さまの課題に合わせて発展してきたなかで、純国産初の超小型電子計算機の開発・販売を手がけています。この事業はやがてハードからソフトの開発・販売へ変遷し、現在お客さまにご提供しているオリジナルERP/基幹業務システムは、そのなかの一部です。民間企業向けには、販売管理、生産管理、原価管理、物流や会計といったお客さまの主要な業務システムを、すべて自社オリジナルでカバーする製品、パッケージを持っていますし、BIやRPA、EAI、コミュニケーションツール、情報基盤、クラウドサービスなどの提供も行っています。一方で、それ以外のソリューションを求められた場合でも、お客さまのご要望に合わせてご提供しており、SE部門も多様な技術に対応できる組織編成となっています。自社ブランドのパッケージを持ちながら、自社にないものでも社外のICTソリューションを柔軟に活用し、お客さまに最適な形で提供できるのが、私たちの強みだと思います。そのためにも、お客さまの元に深く入り込んでいくSEの力を重視しています。
「SEの力」とはいったいどのようなものでしょうか。
お客さまの利益・収益に貢献する力と言えばいいでしょうか。ご要望に対して柔軟に対応し、しっかりと課題解決をしていく力です。例えば、さまざまなシステムと連携させる必要があり通常のパッケージ運用では稼働できないシステムや、複雑で難易度の高い案件など、内田洋行はそういったものでも果敢に引き受けていく力があります。いわゆるSIerであり、お客さまの視点で価値を提供しつづける内田洋行だからこそ、解決すべき課題に対してさまざまなソリューションを講じることができます。お客さまが求める理想を、お客さまとともに追求することで、信頼と対価を得るのです。
USAC(ユーザック)

1962年、純国産初の超小型電子計算機「USAC(ユーザック)」を発表。

ERPパッケージ

1997年の発売以来、450業種、5,500本以上の導入実績を持つ中堅中小企業向けのERPパッケージ。食品業では5年連続シェアNo.1の実績。

斎藤 忠史

先端技術そのものではなく、技術の活用の仕方に価値がある

先端技術そのものではなく、

技術の活用の仕方に価値がある

社会の形が変わっていくなかで、SEはどのような課題と向き合っていくことになるのでしょうか。
いま、技術的な発展は驚くべき領域に入っていると思います。例えばデジタルクローンのような、自分の意思をAIに投影させる技術まで出てきていて、デジタルクローン同士が話し合って経営目標を決めるといった実験が行われていたりします。ワクワクするような技術ですが、しかしその一方で、それらはあくまでツールなんだという認識を持つことは非常に大切です。
どんなに目覚ましい技術も、やはり道具であり、選択肢のひとつである、と。
当社がお客さまの視点で新たな価値を提供する姿勢で取り組んでいる部分が大きいからだと思うのですが、やはりツールは、優れたものがあれば使おう、という発想です。最先端のテクノロジーも、時の経過とともにやがて一般化していきます。技術やツールには流行り廃りがあり、こういった新陳代謝の速度は今後、より激しさを増すでしょう。
こうした状況において、システムのなかで情報をどのように流していくのか、当たり前ですが目的を持って設計することがますます重要になると考えます。お客さまの事業展開を見据えたストーリーを当社なりにデザインし、独自の付加価値として提供することが重要です。たとえお客さまの経営層からのご要望であっても、お伺いした経営計画を単になぞるのではなく、私たちなりに今後課題になるであろうことを、先んじて想定したり、システム導入によって新たに発生する課題なども含めて検討し、お客さまの成長につながる、実現性の高い解決策を見出す。それが、技術そのものに固執せず、技術の活用を重視する当社の姿勢です。

Viewpoint of UCHIDA YOKO

Viewpoint of UCHIDA YOKO

技術がどう進化するのか、社会がどう変化するのか、正確な予測は困難を極める。だが、ソリューション設計の芯となる「お客さまビジネスの課題」がどう変化していくのかを見据えれば、未来においてどう対応すべきか、その道筋は見えてくる。

解決策を出すSEから、課題を設定し直せるSEへ

解決策を出すSEから、

課題を設定し直せるSEへ

現場では、SEはどのように顧客の課題解決を考えていくのでしょうか。
民間のお客さまの場合は、業務システムを通じてコミュニケーションを取ることになります。先ほど、お客さまの経営計画をそのままなぞっているのでは現実的な解決策を見出せないと申し上げましたが、一方でお客さまの現場の作業負担の軽減や効率化だけを考えていても、真の課題解決にはつながりません。私たちは、現場の課題と経営上の課題、両方に目配せしながら業務システムに関わることで、お客さまの課題解決におけるパートナーとなっていくのです。
お客さまとシステムを最適な形でフィットさせるのがSEの役割である、と。
そうですね。そもそも、お客さまの事業の発展・成長段階に応じて、課題は変わっていきます。例えば小売りのお客さまであれば、まず物流システムを提案して、次にその物流に必要な機械を搬入して、店舗数の拡大フェーズに来たら別のシステムを導入して……といった具合に、お客さまの成長の時系列に寄り添うことになります。SEは自分が扱う業務システムだけにフォーカスするのではなく、ITアーキテクトや業務アプリアーキテクトのように発想し、全体を見渡す必要があるでしょう。
特にいま、技術も価値観も急速に変化する時代です。かつてベストだった答えが、その数ヵ月後にはそうでなくなっていることも少なくありません。それは、新しい技術によって答えが変化するというよりも、問いの枠組み――つまり課題自体が変化してしまうのです。生産性向上や働き方変革といった社会課題を見据えつつ、お客さまの課題が何かを見定める視点が求められます。短絡的に正解を求めるのではなく、課題自体を設定し直すこと。最適を追求し、挑戦しつづける姿勢が大切であり、この仕事の醍醐味だと思います。
斎藤 忠史