システムズエンジニアリング特集 内田洋行のICTソリューション[公共編]

システムズエンジニアリング特集

内田洋行のICTソリューション
[公共編]

公共領域におけるICTソリューションの在り方が、いま大きく変わってきている。
教育のICT化をはじめ、ネットワークインフラ、基幹系業務システムまで手がける内田洋行で、
SEとして現場の変遷に立ち会ってきた小林部長と、新しいICTソリューションの在り方を考える。

PROFILE
小林 徹
システムズエンジニアリング事業部 ネットワークテクニカルサポートセンター
部長
小林 徹

1992年入社。主に教育ICT分野のSEとして、初等中等教育から大学、自治体に至るまでのICT関連システムのサポートに携わる。2016年7月より現職。公共、民間分野におけるネットワーク・コミュニケーションインフラやセキュリティ対策ソリューションのサポート部門を担当している。

教育とICTをつなぎ、


新しい学びの場を構築する

内田洋行が教育のICT化を手がけるようになったのは
いつからですか。
当社は1925年、先端的な計算器として技術者必携のヘンミ式計算尺で教育事業に本格参入し、学校現場の科学教育の普及に努めました。PC黎明期でインターネットなどなかった1981年にコンピュータ教育システム「TES(Total Educational System)」を発表し、コンピュータと教育工学機器を融合したシステムを販売するなど、この頃から業界に先駆けて情報技術と学校教育をつなぐ役割を担ってきました。そこから長年かけて、現場の声を一つひとつ拾って応えていきながら、現在の教育ICT事業の土台となった経緯があります。インターネットの普及や機器の小型化に伴い、パソコン教室から外へと端末が持ち出され、そしていまやGIGAスクール構想が立ち上がり、児童生徒一人一台のPC配備というところまで来ました。教育現場はいよいよ、大きく変わろうとしています。
東京都荒川区尾久宮前小学校

内田洋行は、教育ICT整備の豊富な実績と学校現場の知見をもとに、一人一台端末を活用したクラウド時代の学びの場を構築している。

変化にさらされる現場に、どのようなアプローチを行っているのでしょうか。
教育現場のICTを整備する仕事は、端末やソフトウェアを配布することだけが目的ではありません。ICTが学びの場で実際に活用されなくてはならないのです。当社はシステムの保守運用はもちろんのこと、先生や生徒を授業内でアシストするICT支援員を派遣するなど、現場にICTが根づいていくまでサポートしています。ネットワーク構築からシステムや端末の導入、授業で使用するデジタルコンテンツ配信、そして実際の授業での支援に至るまで、すべてを手がけられるのは、当社グループくらいではないでしょうか。
小林 徹

情報を社会の形に最適化して、新しい公共をかたちづくる

情報を社会の形に最適化して、

新しい公共をかたちづくる

社会の形が急速に変化するなかで、SEにはどんな能力が求められるのでしょうか。
少子高齢化による労働人口減少社会において、社会構造の変化は免れません。街や学校など、公共の在り方は明らかに変化していくことになると思います。例えば自治体においても、役所の職員などの労働力を維持しながら、これまでと変わらないサービスを提供することは、ますます困難になっていくでしょう。高齢者の増加や過疎地域の拡大を前に、まちづくりや公共サービスの在り方を変えなければならなくなるでしょう。
一言でICTソリューションと言っても、公共領域では民間領域に比べてシステムの規模が大きく、要求の範囲も広くなるため、幅広い技術や能力が求められます。一方、民間領域では、企業ごとにシステムを最適化する技術や能力が求められます。今後は、自治体をはじめ公共機関のシステムの最適化のために、民間企業向けに培ってきたシステム導入のノウハウも生かせるのでは、と思っています。SEにはより一層、領域横断的な経験知と能力が求められるでしょう。
お客さまである公共領域それ自体も変化していく、と。
現在、国の方針では、各自治体の基幹系システムを共通化していく動きがあります。実現すれば、より省力化や効率化が進み、自治体同士の連携、あるいは国と自治体との連携なども、よりスピーディかつフレキシブルになることでしょう。そしてスマート化もますます進めば、より質の高い住民サービスの提供も可能となり、住民一人ひとりの生活をより安全に、より豊かなものに変えていくことになっていきます。これからのSEの仕事は、最新技術を駆使しながら社会課題を解決し、さらに経済的な発展をも可能にしていく――まさに新しい形の公共をデザインしていくことになるのです。

Viewpoint of UCHIDA YOKO

Viewpoint of UCHIDA YOKO

公共領域に資するためには、導入した技術によって公共サービスや教育が、実際に人びとの生活や学びをどう変えるのかをイメージする必要がある。さらに、社会課題の変化、技術革新を見据えながら、課題や真の目的を追求し続けなくてはならない。そのために、顧客にずっと寄り添い続けていく。

「システムの構築」から「場づくり」へ、


SEの発想はシフトする

予測が困難な時代、
どのようにICTを捉えるべきでしょうか。
私たちはSEですが、システムを使う場所やシーン全体への視点を持ちながら、環境・空間構築のノウハウも組み合わせるなど、幅を広げて解決していく必要があると思っています。
例えば、未来の授業を体感する「Future Class Room」。2010年から、他社に先駆けて創設されました。アクティブラーニングを実践できるこの空間の「裏側」には、多様なICTを使うためのさまざまな技術が詰まっています。学校教育の現場や環境構築のノウハウを持ち、それらを結びつけるICTのノウハウを持っている当社だからこそできることなのです。これからは公共領域のあらゆるところで、空間とICT、システムがシームレスに融合するような発想が必要になってくると思います。
東京都荒川区尾久宮前小学校
未来の学習空間「Future Class Room」
これからの学びへICT環境を実践的に検証するために、各省庁や研究校、大学との教育研究のノウハウをもとに独自に開発。学校関係者を中心におよそ年間1万人が来場する。
システム構築によって、まさに人びとの生活を物理的に変えていく、と。
ニューノーマルとも呼ばれる今日において、私たちが手がける公共領域でのICTソリューションは、社会課題に取り組んでいくことと同義です。強い使命感と高い技術力にくわえ、これまで以上に挑戦する姿勢が求められます。それだけ、仕事を通じて社会貢献を実感できることは何物にも代えがたく、SEとして挑戦意欲を掻き立てられます。若手の皆さんのなかには、自分の技術で人びとの暮らしを変えたい、社会をもっと良くしたいといった気概を持っている方もいらっしゃるでしょう。システムをつくるのではなく、人びとの学ぶ場、働く場を支える。そんな意識を持っている方は、ぜひとも当社にてチャレンジしていただければと思っています。
小林 徹