食品業向けパッケージシステム導入事例
国分株式会社 様

情報システム部 課長 角田憲一郎 様
情報システム部 チームリーダー 青山喜彦 様
食品統括部 オリジナル商品担当 チームリーダー 石井秀明 様
食品統括部 オリジナル商品担当 鈴木利奈子 様
酒類統括部 オリジナル商品担当 笹田嘉子 様
食品業パッケージ導入によるBPRを実現。
業種 | 酒類・食品卸売業 |
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対象業務 | 販売管理、貿易業務 |
導入システム | スーパーカクテルデュオFOODs 貿易業システム VPort |
課題&導入効果
主要ビジネスである卸の基幹システムとの連携基盤を標準化させるとともに、メーカー機能を強化していきたい。
同部署でありながら二分化されている食品と酒類業務の効率化を図りたい。
パッケージの拡張性を生かし基幹システムと連携。食品業向けパッケージに合わせることでBPRを実現。
パッケージ導入を機会にすべての業務を見直し。処理速度も上がり、事業拡大にも迅速に対応。
導入前の状況
非効率的なシステムから脱却したい

導入前の課題
ユーザー部署
- 生産性/収益力/マネジメント力向上
- コスト削減 など
システム部門
- 拡張性/処理効率向上
- 運用効率と品質向上 など
「現在『食品』と『酒類』を扱う部署は別々ですが、システム導入検討当時は同じ部署でした。でありながら、システムは完全に別々でコストもメンテナンスも余分にかかっている状態でした」(情報システム部 チームリーダー 青山喜彦様)
システム選定のポイント
ビジネス価値を活かせるシステム選定

プラットフォーム再構築の目的および基本方針
- BPRプロジェクトで開発要求をまとめる。
- BPR=ERPを前提にパッケージを採用する。
- 基幹システムとの連携基盤を標準化、統一させる。
「弊社の基幹システムは卸を専門にしてやっているので、メーカー部門である食品と酒類の業務にはどうしても機能が合いません。そのためオフコン時代も別の仕組みで動かしていました。そのような流れがあって自社開発をするよりもパッケージを導入した方がコスト的にも有利で、さまざまな効果が出るだろうという判断を下しました」(青山様)
「(自社開発の)基幹システムについては、既に2003年からBPRを目的に、オープン化を始めていました。会計や人事系のパッケージも取り入れています。それらの前段があり、導入パッケージは“ビジネス価値を要求とうまく紐づけられる機能をもっていること”も前提にしました」(情報システム部 課長 角田憲一郎様)
パッケージ導入にあたってはスーパーカクテル以外に、他2社との比較が行われています。そこには明確な選定基準がありました。
パッケージ選定基準
- パッケージに合わせることでBPRも実施。
- 食品・酒類の2部署の業務を同じ手順にする。
- 輸出入業務での食品・酒類業務との連動も行う。
最終的に導入されたのは、スーパーカクテルに会計データエクスポート機能を追加したものと、輸出入業務サブシステムであるVPortです。
導入プロジェクト
パッケージに合わせBPR を実施
短期間での乗り換えに成功


「カスタマイズをすれば、初期コストはもちろんですが、バージョンアップしたときにさらに費用がかかってしまいます。まずはパッケージに業務を合わせることをスタートにしましょう、というのが会社の方針でした。ただパッケージと弊社自体が持っている基幹システムの考え方、コード体系の違いがあって、それをスーパーカクテルに当てはめる部分では苦労しましたが、同時に自分自身の勉強にもなりました」(青山様)
「今まで、部署のなかで単純に『便利だから』という理由だけで使われていた機能に関してなど、業務のなかで使う機能について本当に必要なものと必要でないものが精査されて平準化されたのは良かったです。例えば、酒類と食品のコード自体の体系は同じですが、枝番は違う意味で使っていました。食品は年度を管理する意味合いで使っていて、お酒は良品? 不良品を区別する意味合いで使っていたのです。それをシステム導入をきっかけに、同じ意味合いで使用するようにしました」(笹田様)
検討から、実際の導入にいたるまではわずか8か月。自社開発ではなくパッケージに合わせるということが可能にした、短期間での乗り換えです。
国分オリジナルの業務マニュアルを作成
同社では自社開発された基幹システムと、スーパーカクテルが連携して動いているため、スーパーカクテル導入にあたって独自の業務マニュアルを作成されました。これは例えば連携される項目の名称が、基幹システムとスーパーカクテルでは異なるなど、2つをうまく連携させるために行ったもの。
「操作の仕方については、スーパーカクテルは内田洋行に、基幹システムについてはシステム部に問い合わせれば解決します。でも2つの連携について、情報の読み替えをするのが大変だったので、それなら独自のマニュアルを作ってしまおうということになりました。今後、担当者が変わってもスムーズに業務を進行するための対策です」(青山様)
導入効果
物量の増加にも対応
業務効率大幅アップ

・情報システム部門から、業務主幹部署に仕組みがシフト(保守生産性)
・システムの維持管理コストが低減
「オフコン時代は私がひとりで面倒を見ていたので、私が休んでいるときにトラブルがあると困る……という状態でしたが、パッケージ導入をしたことでその状態から解放されたのはうれしいです。また今回のパッケージ導入を機に、基幹システムも汎用機で使用している機能は廃止するということにし、廃止した部分についてはパッケージがすべてカバーしてくれています。その意味で社内システムのオープン化を加速してくれたと思います」(青山様)
・業務効率アップ(機能強化による恩恵)
「以前は全部紙に印刷して残す必要があり、抽出できない数字もありましたが、Excelに落とせるのでデータ管理にかかる時間が短縮されました。そのため、業績報告などの資料作成も簡単に行え各部署で役立っています」(食品統括部 オリジナル商品担当鈴木利奈子様)
「受発注業務では、注文から出荷指示をかけるまでかなりタイトな時間のなかで作業をしています。スーパーカクテルになってからは処理速度が格段にあがって、限られた時間内で処理をするのに役立っています。物量は年々増加傾向にありますが、人員は以前は2人でやっていたのを現在では1.5 人でこなしています。スーパーカクテルを導入していなかったら、間に合わない状況に陥っていたと思います。また社内外からの問合せが、例えば注文日がきちんとわかっていたら時間はかかりますが紙で探すことができます。でも問合せをしてくるお客様は『注文した日はわからないけど、○日着の○○について』という問合せが多いです。そういう断片的な情報しかない問合せも、データ検索が簡単にできるのが便利です。担当者頼みだった状態から解放されました」(笹田様)
・Q&A シートで情報共有
社内エンドユーザーなどからの問合せなど、すべての窓口を内田洋行に集約。すべての問合せに関する「Q&Aシート」は年度ごとにまとめ、社内ネットワークサーバで誰でも閲覧可能なので、システムに関するブラックボックスがなくなりました。
貿易業システム VPortについて
「VPortについては貿易部の担当者たちが、貿易業務のパッケージ選定を行い、最終的に決定しました。私自身は貿易業務にあまり詳しくないのですが、現場がいろいろと比べて一番評価が高かったので決めました。定型書式がほとんどない貿易業務に向いていることや、スーパーカクテルとの連携などが主な理由です。現在、商品・得意先・仕入れ先の3つはグループ全て同じコード体系を使うという決まりでやっていますが、当然貿易には海外の取引が多く、コード体系の使い方はひとひねりしています。他部署でも海外の取引は増えていて、海外戦略もあるので、このシステムを他部署でも使う可能性はあると思います」(青山様)
今後の展望
エンドユーザーの声を取り入れ
常に改善を行う

「コストに関わらず一度、要望の棚卸しをしようということで洗い出したところ、50個ぐらいの要望が出てきました。それを内田洋行にどれぐらいコストがかかるか算段してもらい、最終的にお願いしたカスタマイズが3つぐらいあります。緊急を要するものや、すぐに着手した方がいいものに関しては毎月改善を行っています。また、以前からスーパーカクテルを使用している旭トラストフーズとも定例会を行い、情報を共有するようにしています」(石井様)
「要望に対しては、現在その業務にどの程度の時間がかかっていて、カスタマイズすることでどれくらい時間短縮ができ、どれくらい効果が望めるのか?ということについては、かなりシビアに計算をしています。またプロジェクトメンバーだけの思いでは、現場に定着しないので、エンドユーザーにも細かくヒヤリングを行っています。例えばエンドユーザー本人はシステムをカスタマイズすることで解決すると思っていても、もっと上流行程を変えることで解決する問題もあるからです。そうすることで例えばカスタマイズをしたときにも、現場とのズレが起こらず素早く定着されることができます」(青山様)


食品業パッケージ導入によるBPR 実現。


企 業 名 | 国分株式会社 |
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代 表 者 | 代表取締役会長兼社長 國分 勘兵衛 |
資 本 金 | 35 億円 |
創 立 | 1712 年 |
設 立 | 1947 年 11 月 21 日 |
従業員数 | 4,698 名(連結:2011年12 月31日現在) |
事業内容 | 酒類・食品・関連消費材にわたる卸売業及びそれらに関する資材の販売業、貿易業、パン粉の製造業、貸室業 |
U R L | http://www.kokubu.co.jp/ |