食品業向けパッケージシステム導入事例
株式会社ロマンライフ 様
経営サポート部 部長 降矢 様、経営サポート部 経理・ITグループ 主任 清水 様
お客様に寄り添うブランドコンセプト構築に向けて
業種 | 洋菓子製造小売業 |
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対象業務 | 販売業務、生産原価業務、在庫業務、統計業務 |
導入システム | スーパーカクテル販売・生産・原価 Dr.SUM |
洋菓子の製造・販売を主体に、地域に密着しながら、伝統・文化を重視した独自価値「京都クオリティフード」を追求する株式会社ロマンライフ様。
同社は 2015年、スーパーカクテル稼働と合わせて、BIツール「Dr.Sum」を導入しました。2022年現在のスーパーカクテルの感触や効果、またBIツールが社内の分析業務や意思決定に与えた影響はどのようなものだったのでしょう。
経営サポート部 部長 降矢 様、経営サポート部 経理・ITグループ 主任 清水 様にお話をお聞きしました。
- システム全体構成図
導入の背景
スーパーカクテルとBIツールを継続利用
―― スーパーカクテルとBIツール「Dr.Sum」のご評価はいかがでしょうか
BIツール「Dr.Sum」を導入する前は、データ収集、分析、加工といった一連の作業に大きな手間がかかっていました。また、各自が作成した Excel がファイルサーバー上に散在しており、誰がどのようなExcelを使っているかの管理ができていなかったため、同じ分析作業を、複数人がそれぞれ時間をかけて行なっている状況がありました。
BIツール導入の当初の目的であった、システム間のデータ連携を構築し、ボタン1つで必要なデータを抽出する、ということは Dr.Sum により概ね達成できています。
BIツール「Dr.Sum」の用途
―― 営業、購買製造、マーケティングなど幅広くBIを活用
例えば、各店舗の店長が販売実績を確認する目的で、Excel のリボンから、ボタン1つで、好きな時に、簡単に、データ出力しています(店舗別日別売上分析表、日別店舗別売上速報、製品別売上推移表など)。
店舗毎の売上額トータルは、日々、社内イントラにアップされますが、Dr.Sum から出力すると「どんな商品がどれだけ売れたか」、「物販が多かったのか、喫茶が多かったのか」といった細かな情報が把握できます。また、購買部でも、出荷実績を見て仕入購買計画に反映するなど、きめ細やかにデータを把握し、購入や入荷に遅れが出ないよう、重要な判断材料にしています。
Dr.Sum は POS システム、スーパーカクテル販売をはじめ、人時生産高の算出のために勤怠システム等とも連携しており、資料作成、iPad での閲覧、経営層の意思決定にと、日々活用されています。
各店舗のすべての PC に導入しており、多くのユーザーが好きな時に好きなタイミングで、いろいろな角度からデータ集計・分析をしています。直感的にデータ出力できる利便性も好評で「Dr.Sum を使って〇〇すれば・・・」という言葉は日常の業務の中で飛び交っています。
導入の効果
BIツール「Dr.Sum」導入の効果
効率的なデータ分析がブランドコンセプト構築の一助へ
従来の Excel を主体とした分析方法では、データをダウンロードし、集約するだけでも膨大な時間が必要でした。ボタン1つでデータ出力できる Dr.Sum を利用した業務は、Excel とは比較にならないほど効率的です。
さまざまな細かい情報を把握・分析できるようになりました。例えば、百貨店に展開している3店舗では、立地の影響か、お客様の属性が違います。2つの店舗では、地元のお客様のご来店が多いが、1店舗は京都以外のお客様のご来店が多い、などです。
同じ分類の “百貨店”3店舗ですが、微細な違いに合わせて販売戦略をそれぞれ取っています。同様に、直営店舗でも、販売データに基づいたお客様の属性・ニーズに合わせ、各店のコンセプトを演出しています。
贈答品などを中心に「憧れの非日常」をモチーフにした店舗、また、日々のティータイムに彩りを加える「素敵な日常」を演出した店舗。お店の雰囲気、取扱商品や、商品の提供方法に違いを持たせ、それぞれのお客様へ特別な感動を提供することが目的です。一見相反する2つのコンセプトを、マールブランシュという1つのブランドの中で両立させていく、今、我々が目指している価値提供を達成するため、Dr.Sum が大いに役立っています。
データ分析思考が経営判断へ与えた影響
食料品の中でも、お菓子は「感性」の影響・側面が強い商品だと考えています。そのため、「Dr.Sum」の導入前は、どちらかというと感性を重視した経営判断が多かったと思います。現場で見聞きしたお客様の声、市場で起きているトレンドや勢いをいかにキャッチするか、そういった経営が続いており、また長けてもいました。
BIツール導入後は、細かい精緻なデータ分析ができるようになり、「分析思考」という新たな判断基準が加わりました。データだけが全てではない、という感覚も大事にしていますが、定量的に分析された細かなデータは、「感性」では曖昧になりがちな部分を数字で明確に説明してくれます。
従来の「感性」と新たな武器「データ分析」をうまく融合させることで、ロマンライフの目指すべき方向を正しく見出し、お客様へ更なる喜びをお届けする、そういった新しい景色に至れるのでは、と考えています。
今後の課題と展望
なくてはならないスーパーカクテル販売
データ分析はもっと深く・広いレベルへ
スーパーカクテルは、弊社の業務になくてはならない中核システム、日々の運用で止まることもなく、安定した動作に助けられています。同時導入したBIツール「Dr.Sum」も、弊社の多くの部門で活躍していますが、更なるデータ分析・活用ができないか、というユーザーの声も上がってきています。
顧客データをさらに広く・深く分析し、有効活用できないか、が次の課題です。今の顧客管理システムは、あくまで「管理」する機能に留まるため、深い分析ができる状況にはなっていません。例えば、ある店舗でお買い上げいただいたお客様の内、この地区にお住まいの方は何%か、お客様は、月に何回、もしくは年に何回ご来店くださっているか、購入単価の平均はどれくらいか、というような分析。このレベルを目指すために、商品マスタや販売区分など、整備を始めています。
また、インボイス制度と電帳法への対応が迫っております。我々も情報を集めながら進めていますが、「こういう時どうなるのだろう」という細かい判断に迷うことがあります。法令対応や業務設計にあたり、内田洋行の営業・SE の方の専門知識の豊富さには何度も助けられています。今後も弊社の課題・環境に沿った的確なご提案、ご支援を期待しております。
直営菓子店マールブランシュ13店舗は、すべて京都府内にお店を構え、地域密着をモットーにされています。本社と併設された『マールブランシュ ロマンの森』ではロマンの森限定お菓子も含め150の商品を取り揃え、観光客のみならず、地域のお客様にもご愛顧いただいています。
そして2022年、マールブランシュは1号店「京都北山本店」のオープンから40周年を迎えました。おいしいものを食べて幸せな気持ちになる、そんな「幸せ必需品」として、「喜び」をお客様にお届けしたい。お客様の記憶に寄り添えるブランド作りを目指しながら、京都の伝統・文化を継承し、日本人の心を大切にした商品作りを追求しています。
企 業 名 | 株式会社ロマンライフ |
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代 表 者 | 代表取締役社長 河内 誠 |
資 本 金 | 3,000万円 |
従業員数 | 650名 |
事業内容 | マールブランシュ事業部(洋菓子の製造・販売)、 侘家事業部(レストラン運営、食品の販売) |
U R L | http://www.romanlife.co.jp/ |
2015年の導入(2019Vup)以来、POS や EC など周辺システムの追加や変更はありますが、スーパーカクテルは基幹システムとして長く安定稼働しています。当時の導入目的であった、さまざまな情報の連携、集約、可視化、業務オペレーションの簡素化、といった課題も達成できているという感触です。
ここ数年、コロナ禍や法令対応などの影響で、内部の動き方が変わってきており、そろそろシステム周辺を整理し直すタイミングとも感じています。