食品業向けパッケージシステム導入事例
株式会社柿の葉すし本舗たなか 様

消費税改正を機に検討開始。奈良の食文化“柿の葉すし”を支えるシステム刷新の決断
業種 | 食品製造・卸・販売業 |
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対象業務 | 販売管理、生産管理 |
導入システム | スーパーカクテルCore FOODs販売、 スーパーカクテルCore FOODs生産 |
柿の葉すし本舗たなか様は、明治後期に創業。当初は駅前の食堂で柿の葉の採れる夏の間だけ地元の郷土料理である柿の葉すしを販売していたが、その味が評判となり、昭和48年に柿の葉すし専門店として法人化し現在に至っています。
昭和54年には昭和天皇皇后両陛下に献上したこともあるという柿の葉すし本舗たなかの柿の葉すし。1つずつ柿の葉で包まれているので手軽に食べられる、大人数でも分けやすい、保存性に優れ日持ちがする、などの利点から奈良土産はもちろん、駅弁・家庭での中食・贈答品・パーティ会場など、様々なシーンで利用されています。ここ数年ではインバウンドにも人気があり、日々平均5万個以上を本社工場で製造しています。
コロナ禍の緊急事態宣言発令後の4・5月は観光需要や出張が減り、駅ナカ・空港・ターミナル百貨店の売上は落ち込みました。しかし一方で、ネット通販や郊外型店舗の売上は好調に推移。販売チャネルによる違いはあるものの、6月以降の売上は回復基調にあります。
今年49期を迎える同社は、2019年10月の消費税の軽減税率導入のタイミングで、20年前に独自開発したシステムから内田洋行のパッケージ「スーパーカクテル」にリプレースしました。導入の経緯を代表取締役社長の田中妙子氏に伺いました。
導入のメリット
- 複雑で属人化した旧システムを一新
- 業務フローの標準化
- 営業資料等の作成の省力化
- 業務の見直し・改善
- システム全体構成図
導入の背景
属人化からの脱却を図り世の中の標準業務フローに合わせたい

旧システムは1999年にオリジナル開発したもので、この20年間、世の中の環境に合わせてカスタマイズを繰り返し、肥大化していました。また、VB言語への対応も課題となっていました。加えて、20年間同じ人員で運用してきたため作業が属人化しており、他の人にはわからないシステムになっていることに田中社長は不安を感じていました。
旧システムをこのまま継続して使うとコンバート費用が高額になるため、軽減税率対応をきっかけにシステムの入替を検討することになりました。オリジナルソフトを開発するのではなく、パッケージソフトを導入し、自社の業務を食品業界の標準的な業務フローに合わせていこうと決断を下しました。
旧システムをこのまま継続して使うとコンバート費用が高額になるため、軽減税率対応をきっかけにシステムの入替を検討することになりました。オリジナルソフトを開発するのではなく、パッケージソフトを導入し、自社の業務を食品業界の標準的な業務フローに合わせていこうと決断を下しました。
導入の経緯
スピード感のある導入で繁忙期を乗り切る
2016年末から社長直轄でプロジェクトをスタート。ITコンサルタントに依頼し業務フロー全体を確認してもらい、6社から提案を受け、新基幹システムの導入を検討しました。「最も使いやすかったのがスーパーカクテルでした。また、百貨店にテナントを構える和・洋菓子や土産ものなどを扱う企業で、直営店や委託販売、発送業務のある当社と、業務フローが似ている業態の企業が複数採用していたことも決め手になりました」と田中社長は語ります。
2018年5月~7月に要件定義を行い8月末にキックオフ。10月までにマスタ登録を終わらせ本稼働に漕ぎ着けました。旧システムとの並行稼働期間はわずか1週間でした。「当社は年末年始が最も忙しく、間に合うか不安でしたがスムーズに移行でき、繁忙期を乗り越えることができました」(同)
2018年5月~7月に要件定義を行い8月末にキックオフ。10月までにマスタ登録を終わらせ本稼働に漕ぎ着けました。旧システムとの並行稼働期間はわずか1週間でした。「当社は年末年始が最も忙しく、間に合うか不安でしたがスムーズに移行でき、繁忙期を乗り越えることができました」(同)
導入時の苦労
新システムに対する不安感の払拭に苦労
旧システムを使いやすく更新しながら使ってきた熟練者は、これまでのやり方が通用しなくなるのではという不安があったといいます。しかし、スーパーカクテルは、田中社長自らがシステム選定に関わったトップ直轄のプロジェクト。専任の熟練者に「システムが変わってもこれまでの経験があるのだから対応できる」と前向きな気持ちを伝えました。「パッケージシステムを導入することで、軽減税率対応も容易になる新システムのメリットを伝えました。その甲斐もあり、導入から半年で担当メンバーも新システムに順応できました」と田中社長は振り返ります。
導入後のメリット
業務の透明化、効率化、意識の変化

業務の透明化、資料作成の省力化
「独自の旧システムから早く脱却したかった」と語る田中社長。「導入後1年で、ようやくスタートラインに立ったところ。導入効果はまだまだこれからです」と謙遜します。
しかし、スーパーカクテルの導入により、業務が透明化したと実感しているそうです。また、営業担当者からは、売上統計などのデータをスーパーカクテルから抽出することで会議資料の作成が簡単にできるようになったとのことでした。
また、「誤入力や無駄な転記を排除するために、従来は人の目で何度もチェックしていましたが、スーパーカクテル導入後はその作業が減った実感があります」と、業務推進部長の稲村氏は語ります。
社員の意識の変化
しかし、スーパーカクテルの導入により、業務が透明化したと実感しているそうです。また、営業担当者からは、売上統計などのデータをスーパーカクテルから抽出することで会議資料の作成が簡単にできるようになったとのことでした。
また、「誤入力や無駄な転記を排除するために、従来は人の目で何度もチェックしていましたが、スーパーカクテル導入後はその作業が減った実感があります」と、業務推進部長の稲村氏は語ります。
新システム導入に不安の声もありましたが、社長が旗振り役となって導入を推進したことで「やればできる」という意識が広がり、「こんなこともできるのでは?」など改善提案が出るようになり、「社員が柔軟に発想できるようになった」(田中社長)
業務の見直しができた
「システム導入の評価はまだこれからですが、入替をきっかけに業務を見直すことができたのはよかった。旧システムには、カスタマイズによって様々な機能を付加していましたが、この機会に業務を見直し、残すもの、変えるもの、やめるものをしっかり整理できました」(田中社長)。
今後の展開
BIデータ分析や店舗間のリアルタイム在庫の把握がテーマ

「業務効率化に向けた土台作りはできた」と田中社長。コロナ禍でスピードダウンは否めませんが、2~3年後には、第2段階を目指しているそうです。「たとえば製造現場での生産情報の共有や、原価情報など、BIツールを使い社内で必要な指標を加工して経営資料に役立てることも視野に入れています。百貨店内のテナントのPOS情報を吸い上げスーパーカクテルと連携させることも課題です。リアルタイムで各店舗の商品在庫の把握ができれば、店舗間で商品を融通し合って、無駄な生産を抑えることができます。
他にもスーパーカクテルでできることはまだまだあると思うので、これからを楽しみにしています」(同)。
他にもスーパーカクテルでできることはまだまだあると思うので、これからを楽しみにしています」(同)。
内田洋行について
内田洋行がパートナーになったことで、「同業他社の事例も交えながら提案してくれるので、イメージがわきやすい。また、システムトラブルにも組織的に対応してもらえるので安心感があります」と田中社長。「社内の意見だけでは解決策が見えない場合も、内田洋行さんに客観的にアドバイスいただけるので大変助かっています。当社の事情を一番知っているのは内田洋行さんなので、今後も総合的な視点でアドバイスや提案をいただきたいですね」(同)。
企 業 名 | 株式会社柿の葉すし本舗たなか |
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代 表 者 | 代表取締役社長 田中 妙子 |
資 本 金 | 4,800万円 |
従業員数 | 270名 |
事業内容 | 柿の葉すし・五条楽・その他すしの製造・卸・販売 |
U R L | https://www.kakinohasushi.co.jp/ |
記載内容は取材時の情報です。
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