食品業向けパッケージシステム導入事例
株式会社松宮 様
左から山本良一常務取締役、橘幹太取締役会長、藤原三紀総務部サブリーダー
スーパーカクテル導入で在庫管理を効率化。
賞味期限管理で食の安全も確保
賞味期限管理で食の安全も確保
業種 | 食品卸売業 |
---|---|
対象業務 | 販売管理、購買管理、売掛管理、買掛管理、在庫管理、内部統制 |
導入システム | スーパーカクテル |
主な事業とコロナ前後の動向
株式会社松宮様(以下「松宮様」)は愛媛県松山市を本拠地とし、全国各地の製造メーカー等から仕入れた食材を県内の給
食、外食、総菜事業者や製造業者に販売している総合食品卸会社です。売上の約7割を学校・病院・老人ホーム等の給食が占めています。
コロナ禍には学校給食の売上がゼロ、外食事業者への売上も激減し苦戦を強いられました。幸い病院給食の手堅い需要によって、1人の解雇者も出すことなく事業を継続しています。一方、ロシア・ウクライナ戦争の影響で食材価格が高騰。この影響は今も続いています。
松宮様がスーパーカクテルを導入したのは2015年。ひと月に約5,000アイテム、季節商品も合わせると約1万アイテムの入出庫、在庫、売掛・買掛、賞味期限管理を行っています。従来は、オフコンをベースに手組したシステムを活用していました。当時の社長の橘幹太様(現取締役会長)の、「儲かっているかどうかがひと目でわかる日次報告書を1票で出してほしい」との依頼を受け、常務取締役の山本良一様はプログラムを組んで毎日対応していましたが、「スーパーカクテルを導入したおかげでこの作業から解放されました」と、スーパーカクテル導入の経緯を語ってくださいました。
導入のメリット
- 1万アイテムの在庫管理を効率化
- 賞味期限管理で食の安全を確保
- 経営判断に必要な資料の作成が容易に
- あいまい検索で業務が効率化
- 他のアプリケーションと柔軟に連携し、より業務を効率化
- システム全体構成図
導入の背景
現場ファーストのシステムを手組で開発
山本様は1990年代の終わりに日用雑貨の卸問屋から縁あって松宮様に転職してきました。その時、松宮様の倉庫に1億円分の在庫があるのを見てこう言ったそうです。「私ならコンピュータを使ってこの在庫を3,000万円分までに抑えられますよ」と。「前職では大企業や外資系企業との取引が多く、プラネット(日本初のVANサービス)を使って先進的な管理を行っていました。当社と同程度の年商の会社が最先端の管理によって優れた業績を上げていたことは、前社長も気になっていたようです」。そこで山本様がシステム担当として引き抜かれたのです。
山本様は、新しいシステムを構築するにあたり、「良いシステムを作るためには現場を理解したい。全部署を回らせてほしい」と社長に進言。実際に各部署を訪ね「この作業はコンピュータを使うともっと楽になるよ」と提案して回りました。倉庫では「ロケーション管理って何?」という現場の人に、「電車でも自由席より指定席のほうが安心でしょう。在庫も置き場が決まっていれば、あなたが休んでもどこに何があるか誰にでもわかってみんなが助かりますよ」と、一つひとつ説明をして理解を得ていったそうです。ひととおり現場の実態を把握すると、今後の松宮様の青写真として、業務システムのフローチャートを完成。優先順位を決めてシステム化を進めていきました。
山本様は、新しいシステムを構築するにあたり、「良いシステムを作るためには現場を理解したい。全部署を回らせてほしい」と社長に進言。実際に各部署を訪ね「この作業はコンピュータを使うともっと楽になるよ」と提案して回りました。倉庫では「ロケーション管理って何?」という現場の人に、「電車でも自由席より指定席のほうが安心でしょう。在庫も置き場が決まっていれば、あなたが休んでもどこに何があるか誰にでもわかってみんなが助かりますよ」と、一つひとつ説明をして理解を得ていったそうです。ひととおり現場の実態を把握すると、今後の松宮様の青写真として、業務システムのフローチャートを完成。優先順位を決めてシステム化を進めていきました。
導入の経緯
リプレースを機にシステム担当者への負担集中を解消
プログラムの微修正や新しい機能の追加等は山本様がすべて担当。それと同時に営業活動やメーカーとの交渉、顧客対応等も行っていたため山本様に負担が集中。そんな時に、システムのリプレースの話が持ち上がりました。システム会社数社でコンペを行いましたが、「これからはオフコンの時代ではない。誰でも使えるシステムでなければと、パッケージソフトの導入を検討しました」と山本様。食品業界で広く使われているスーパーカクテルが候補に挙がり、「先に導入している同業他社を視察し、スーパーカクテルなら私がやりたいと思っていることがほぼ実現できるのではないかと確信しました」。
導入効果
リアルタイムで業績確認。トレーサビリティの確保も
スーパーカクテルを導入して、一番便利になったと感じたのは、「Windows上で稼働でき、あいまい検索ができること。お客様から商品について問い合わせがあった時に、電話口ですぐ検索できて『○○は現在○個あり、賞味期限が○年○月○日までのものが、○個あります』と即座に答えられるのは大変便利ですし、会社の信用にもつながります。
また、他のシステムと柔軟に連携できる点も非常に良いですね。たとえば、REPOPA(レポパ)と連携して、売上など必要なデータがすぐ取り出せたり、ボイスピッキングシステムを導入して、入荷データをスーパーカクテルに音声で入力するなどしています」(山本様)。
ボイスピッキングシステムは、本来は出庫用のアプリケーションですが入庫用にカスタマイズし、JANコード(商品名を確定)、入庫数、賞味期限を読み上げるだけで登録が完了する仕組みです。
実際にスーパーカクテルを日々活用している総務部サブリーダーの藤原三紀様は、「スーパーカクテル導入によって、日計表がその日の夕方には出せるようになりました。月単位、期単位の実績もいつでも確認でき、前年との比較も誰でも簡単にできるようになりました」と評価しています。また、「システムに関して不明点がある場合は、内田洋行にメールや電話で連絡するのですが、すぐに対応してくれますし、わかりやすく説明してくれるので大変助かっています」とのこと。
「システム専属の人間を社内に置かなくて良いことも、パッケージソフトの利点ですね」と山本様。
また、他のシステムと柔軟に連携できる点も非常に良いですね。たとえば、REPOPA(レポパ)と連携して、売上など必要なデータがすぐ取り出せたり、ボイスピッキングシステムを導入して、入荷データをスーパーカクテルに音声で入力するなどしています」(山本様)。
ボイスピッキングシステムは、本来は出庫用のアプリケーションですが入庫用にカスタマイズし、JANコード(商品名を確定)、入庫数、賞味期限を読み上げるだけで登録が完了する仕組みです。
実際にスーパーカクテルを日々活用している総務部サブリーダーの藤原三紀様は、「スーパーカクテル導入によって、日計表がその日の夕方には出せるようになりました。月単位、期単位の実績もいつでも確認でき、前年との比較も誰でも簡単にできるようになりました」と評価しています。また、「システムに関して不明点がある場合は、内田洋行にメールや電話で連絡するのですが、すぐに対応してくれますし、わかりやすく説明してくれるので大変助かっています」とのこと。
「システム専属の人間を社内に置かなくて良いことも、パッケージソフトの利点ですね」と山本様。
苦労したこと
賞味期限管理はメーカーの協力が不可欠
「スーパーカクテルには賞味期限の管理機能もありますが、導入前に視察した企業で賞味期限管理を使用している会社はありませんでした。しかし、1999年に岡山で起きた学校給食におけるO-157食中毒事件以来、当社にとっては必須の課題でした。学校に対し、納品書のほかに検収簿の提出が義務化され、そこには賞味期限を記入する必要がありました」。
そのためには、メーカーに協力してもらい、入庫時に仕入れ日時を記入してもらう必要がありましたが、賛同してくれるメーカーがなかなかいませんでした。「物流会社が管理している」と言われることもありましたが、その物流メーカーでは入荷管理が行われておらず、先入れ先出しのルールも徹底されていないことがありました。山本様は、ファイネット(酒類・加工食品業界のVANサービス)加盟企業を中心に説得して回り、少しずつ意識を変えていったそうです。「入口さえ明確になれば、あとは入庫から出庫まで社内のシステムで管理できる。倉庫の人たちには『作業が増える』と言われましたが、『冷蔵庫の卵の賞味期限を確認するのと同じことだ』と説明して理解を得ました」。
現在はスーパーカクテルで賞味期限の管理を行い、トレーサビリティも確保しているそうです。
そのためには、メーカーに協力してもらい、入庫時に仕入れ日時を記入してもらう必要がありましたが、賛同してくれるメーカーがなかなかいませんでした。「物流会社が管理している」と言われることもありましたが、その物流メーカーでは入荷管理が行われておらず、先入れ先出しのルールも徹底されていないことがありました。山本様は、ファイネット(酒類・加工食品業界のVANサービス)加盟企業を中心に説得して回り、少しずつ意識を変えていったそうです。「入口さえ明確になれば、あとは入庫から出庫まで社内のシステムで管理できる。倉庫の人たちには『作業が増える』と言われましたが、『冷蔵庫の卵の賞味期限を確認するのと同じことだ』と説明して理解を得ました」。
現在はスーパーカクテルで賞味期限の管理を行い、トレーサビリティも確保しているそうです。
導入前の留意点
全体像を描くこと、現場に寄り添うことが大事
これから導入を検討するなら、「最初に、自社の業務をどのようにしたいのか、全体像をしっかり描くことが大事」と山本様。「パッケージソフトを導入する場合は、業務をパッケージに合わせるよりも、現場の声を聞きながら必要に応じてカスタマイズをし、現場に寄りそったシステムにしたほうがいい。その方が、現場の方が使ってくれるシステムになります。皆さんが使いやすいようにカスタマイズしましたよというアピールが大切だと思います。
カスタマイズには費用がかかりますが、業務システムは毎日使うものです。1つの項目を増やすことで現場の作業が楽になるのなら、費用対効果は大変大きいのではないでしょうか」(同)
カスタマイズには費用がかかりますが、業務システムは毎日使うものです。1つの項目を増やすことで現場の作業が楽になるのなら、費用対効果は大変大きいのではないでしょうか」(同)
お客様プロフィール
企 業 名 | 株式会社松宮 |
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代 表 者 | 代表取締役社長 橘丈太郎 |
設 立 | 1963年 |
資 本 金 | 1,000万円 |
従業員数 | 53名(男性36名女性17名) ※令和5年1月1日現在 |
事業内容 | 給食用食品、外食用食品、加工食品用食材、惣菜、病院介護用食品等の卸売 |
U R L | https://kk-matsumiya.com/ |
記載内容は取材時の情報です。
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