食品トレーサビリティシステム導入事例
マルトモ株式会社 様
左から鶴岡徹執行役員デジタル戦略室室長、酒井亮経理部部長・経営企画部、水口浩太デジタル戦略室情報システム部長代行
計量ミス・誤投入を防止
業種 | 水産加工食品メーカー |
---|---|
導入システム | 食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」 |
花かつおを中心とした水産加工食品メーカーのマルトモは削り節、煮干し、だしの素、めんつゆ、チルド商品など多岐にわたる製品を扱っている。現在、愛媛県内に5工場、宮城県に2工場を構え、自社製品の製造と販売を行う。2021~23年は、ウクライナ・ロシア戦争の影響による、エネルギーコストの高騰に伴い、鰹節の鮮度保持に使う窒素ガスなどユーティリティーコストは1.5倍に増加した。原料コストアップが23年は特に厳しかった。全社的なコストダウンに取り組み、業績は金額面で増加するも、物量では前年を下回った。輸入品が多いチルド原料は為替変動の先行きが不透明だが、24年度はコストダウン効果を期待している。同社は季節品も含め取り扱いが1000アイテムを超える。製造現場での計量ミスや誤投入を防止し無駄をなくし、トレース管理が迅速に行えるようにする。
23年3月から同社仙台第二工場でサトーの「Trace eye FOOD-Pro」を稼働している。FOOD-Proの導入は22年4月にチルド工場から検討を開始し、仙台第二工場は11月から現場調査を始めた。両工場で並行稼働する予定であったが「工程が複雑なチルド工場よりも、まずは液体調味料の工場から導入する方が良い」とサトーからのアドバイスを受け、仙台第二工場に導入を絞った。
FOOD-Pro以外も検討したが、他のシステムは製造業向けで食品製造に特化しておらず、基幹システムを依頼している内田洋行から紹介もあり、同システムを選択した。将来的には基幹システムの「スーパーカクテル」とも在庫管理などの面で連携したいと考えている。
先入れ先出し徹底
本社・仙台工場の技術、デジタル、現場の担当と仙台工場長、ITベンダーでチーム編成し、システムの効率化の可能性を現場で確認し、業務の洗い出しとボトルネックの特定が行われた。現場ではデジタル化に不安があったが、操作はタブレットPCとハンディーターミナルで行え、初心者でも簡単に扱えることも確認できた。システム化で賞味期限に合わせて先入れ先出しのルールが従来以上に徹底できるようになった。
第2弾のチルド工場への導入に際し、現場からの要望があり、アレルゲン表示や小分け計量で新たにカスタマイズを施した。仙台第二工場は計量器の位置が固定で計量器とタッチパネルPCが有線で接続されているが、チルド工場では移動して使うことも多く、無線の選択肢があればもっと便利だったかもしれないが、現在は専用架台を作製して工夫して使用している。
第2弾のチルド工場への導入に際し、現場からの要望があり、アレルゲン表示や小分け計量で新たにカスタマイズを施した。仙台第二工場は計量器の位置が固定で計量器とタッチパネルPCが有線で接続されているが、チルド工場では移動して使うことも多く、無線の選択肢があればもっと便利だったかもしれないが、現在は専用架台を作製して工夫して使用している。
トレース管理迅速
以前のトレース管理は紙ベースで、依頼があっても日常業務と並行して行うため、最低でも3~4時間かかったが、現在はボタン一つで使用原料が分かり、数分で対応でき、取引先からのクレームやトレース依頼にもストレスなく対応できるようになった。工場見学に来る取引先からも好評を得ており、システムの導入が営業面でもプラスに働いている。システム導入が「お客様第一の精神」を実現し、安全・安心な製品提供をサポートしている。
FOOD-Proの導入が進む中で24年度は他の工場へ横展開を検討中だ。初回導入時、同種のシステムを使っていた広島の調味料メーカーを視察し、自社での運用イメージを固めることができた。今後、システム導入を検討しているメーカーには事前に導入現場の視察を勧める。
FOOD-Proの導入が進む中で24年度は他の工場へ横展開を検討中だ。初回導入時、同種のシステムを使っていた広島の調味料メーカーを視察し、自社での運用イメージを固めることができた。今後、システム導入を検討しているメーカーには事前に導入現場の視察を勧める。
お客様プロフィール
企 業 名 | マルトモ株式会社 |
---|---|
代 表 者 | 取締役社長 今井均 |
設 立 | 1918年 |
資 本 金 | 1億円 |
事業内容 | 花かつお、かつおパック、削りぶし、煮干し、だしの素、めんつゆ、チルド製品(魚介加工品)、ご贈答品詰め合わせ、サプリメント、ペットフード などの製造・販売 |
U R L | https://www.marutomo.co.jp/ |
本事例は日本食糧新聞の取材記事です。
記載内容は取材時の情報です。
記載内容は取材時の情報です。
おススメの製品・ソリューション