食品業向けパッケージシステム導入事例
カゴメアグリフレッシュ株式会社 様

経営企画部経営企画グループ主任 小河内 浩行 様、カゴメ東北支店営業2グループ生鮮野菜課長 吉田 啓明 様、経営企画部部長 松木 潤 様、カゴメアクシス業務改革推進部ITマネジメントグループ課長 大岡 敬二 様(2024年12月時点)
データを一元化し、
予測が難しい青果の需給を的確に判断
| 業種 | 農業関連業(アグリサポート) |
|---|---|
| 導入システム | スーパーカクテルCore FOODs販売 スーパーカクテルCore 会計 |
カゴメアグリフレッシュ株式会社様(東京都中央区)は、2020年にカゴメの農業部門を担う専門子会社として設立。
日本産のトマトやベビーリーフなど青果を中心に仕入れ・販売を展開されています。2024年にスーパーカクテルCoreを導入し、子会社になる前から使用していた古いシステムを刷新。経営企画部長 松木潤様に、システム導入時の状況、システム選定の理由、導入効果、今後の展望などを伺いました。
導入のメリット
- 社内分散していたデータを一か所に集約
- システムに合わせて業務を柔軟に変化
- 判断の迅速化、正確化を実現
- システム全体構成図

属人化している職人技をシステムで可視化したい
―― 昨年システムの大々的な入れ替えをされましたが、その経緯を教えてください。
―― システム刷新による一番の目標は何だったのでしょうか?
農業の世界は、職人技が多く属人化しているためビッグデータやAIを活用してすべてを可視化したいと思っていました。
青果のビジネスは、日照時間や気象、産地、市況など生産を左右する要素が大変多く複雑です。天候をコントロールするのは難しいですが、できる限りデータを見える化して、システムでコントロールできるものはしていきたい。そして意思決定を早くしたい。それが今回のシステム刷新の最大の目的でした。
以前は社内にデータが分散していて、どこに何のデータがあるかもわかりませんでしたが、スーパーカクテルを導入したことで、全てのデータが一カ所に集まり、理想としていた形にすることができました。
スーパーカクテルを採用した理由は、システムが単純で完成度が高いからです。また、農業の仕入れ販売機能にも一部対応が可能であったこと、外部のシステムとの連携やカスタマイズがしやすいことも決め手になりました。
1円でも多く利益を稼ぐ差別化の要
―― 今回、特に「営業需給収支表」機能のカスタマイズに力を入れたそうですが、その理由を教えてください。
青果は加工品と異なり在庫することができないので、作ったものは全部売らなければなりません。また生産量によって価格が上下するという特徴があります。生産量が多ければ価格が下がり少なければ価格が上がるわけです。
季節や天候だけでなく、生産地によっても生産量は変わります。すると、たとえばトマトが北海道では豊作だが九州では品薄というときは、品薄の九州に出荷したほうが高く売れる。そういう判断を日々、専門部隊が長年の経験と勘で行ってきました。システムを導入することによってこの精度を高めること、だれでもができる作業にすることが目標でした。
ロスを出さないために、いつ、どれだけ売るか、またできるだけ利益を上げるためにはどこで売るか、この見極めが利益に非常に大きく影響します。営業需給収支表機能は、1円単位で利益を稼ぐ、当社の差別化の要なのです。
―― 「営業需給収支表」はどのようなものですか?
青果の物量は毎日変わります。今日あったものが明日にはなくなるということも普通に起こります。生産計画を見ながら、品薄のときには特売をやめるなどの調整をする。また、全国の市況を見て、どこに売るか判断する。複雑な情報がすべて1つのシートに入っているため、さまざまな条件でシミュレーションをすることができます。
この機能は、他社のソフトをカスタマイズしたものですが、スーパーカクテルと連動して正確な在庫情報や入庫情報を照合することができるため、精度の高いシミュレーションが可能なのです。
精度の高い需給予測が可能に。
業務改善の機運も高まった
―― 今回のシステム刷新の成果を教えてください
「営業需給収支表」の機能を導入したことで、専門部隊ではなく営業担当が自分でシミュレーションができるようになりました。「欲しいデータがすぐに参照できるので、何をどこにどれだけ売るという決断がしやすくなった」という声が挙がっています。
プロジェクトメンバーとして参加した各業務リーダーが自発的に業務改善に取り組み、その結果をわかりやすく伝えたことで、最初は新しいシステムに懐疑的だった社員も、積極的に活用するようになりました。
また、単にシステムを利用するだけでなく、このシステムを使って業務をどう進化させようというプロジェクトが色々な部署で立ち上がっています。
それが一番嬉しいですね。こちらでシステムの基盤は作った。それを元に社員たちが次の改革につなげてくれている。
社員自らがDXを推進する体制を
―― 今後の展開を教えてください。
BIツールを活用した分析機能を発展させ、ビッグデータやAIの活用もさらに進め競争力強化につなげたい。システムは構築して終わりではありません。今後も変化に対応していくためには、データをどう使うかが勝負です。今の基盤を生かしてデータを加工できる専門組織を育成し、社員が自らDXを推進する体制を作っていきたいですね。
| 企 業 名 | カゴメアグリフレッシュ株式会社 |
|---|---|
| 代 表 者 | 羽布津 真典 |
| 設 立 | 2020年10月1日 |
| 資 本 金 | 375百万円 |
| 従業員数 | 約440名 |
| 事業内容 | 〈国内農産物の仕入れ、販売〉・生鮮トマト・ベビーリーフ・家庭用園芸苗・アグリサポート(技術指導、農資材販売) |
| U R L | https://www.kagome.co.jp/agri-fresh/ |



前のシステムは10年前に私がスクラッチで作ったものです。今回、スーパーカクテルCoreFOODs販売と会計を導入。そのほか、「営業需給収支表」を独自に開発しました。
システム刷新にあたっては、各部門から集めた代表者10名でプロジェクトを組みました。2023年9月に要件定義を開始し12月に終了。2024年2月から本格稼働しています。