基幹システム導入事例
株式会社アルテコ 様

取締役 工場長 細川 豊弘 様、常務取締役 田中 彰訓 様
新基幹システムにスーパーカクテルを採用
社内データの柔軟な活用と
トレーサビリティを強化
業種 | 接着剤製造業 |
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対象業務 | 販売業務、生産業務、会計業務 |
導入システム | スーパーカクテルCore 販売se スーパーカクテルCore 生産se スーパーカクテルCore 会計 AirRepo(エアレポ) XC-Gate v3 |
接着剤の専業メーカーの株式会社アルテコ様は、2014年にスーパーカクテルの販売・生産モジュールを導入。2024年には最新版にバージョンアップされるとともに、スーパーカクテルCore会計とAirRepo(エアレポ)、XC-Gate v3も新規導入されました。
その経緯を、基幹システム更改プロジェクトを主導された常務取締役の田中 彰訓様と、工場長の細川 豊弘様にお聞きしました。
導入前の課題&導入効果
旧基幹システムは運用の属人化と柔軟性の欠如が課題だった
販売と生産のデータがリアルタイムに連携しておらず非効率な状況だった
社員にとってわかりやすく、使いやすいシステムであることが必要だった
個人のノウハウや手書きのメモに頼る属人化が解消し業務引き継ぎもスムーズに実現
容易な操作性と柔軟なカスタマイズにより業務を改善
社内のデータ活用とトレーサビリティを強化
棚卸作業が大幅に効率化し頻度も増えて在庫管理や生産計画の精度が向上
納品書と請求書の電子化が9割以上達成しコストと手間を大幅に削減
- システム全体構成図
導入の経緯
プロセス型製造業の標準機能がアルテコの業務とベストマッチ
―― 以前の基幹業務ではどのような課題があったのでしょうか

―― パッケージ選定の要件をお聞かせください
長年オフコンを運用してきたため、切り換えにおいては従来の業務に近づけることや、社員が抵抗を感じないシステムを選ぶことが重要でした。そのため、業務をパッケージに合わせるのではなく、使い勝手を損なわないようにカスタマイズできる柔軟性の高いシステムであること。ユーザーインターフェース(UI)が分かりやすく誰でも扱えること。そして、リアルタイムでのデータ連携が可能であることなどを重視しました。そうした中で、ITパートナーとして長年お付き合いのあるユーザックシステム株式会社から提案されたのが、内田洋行のスーパーカクテルだったのです。
―― スーパーカクテル採用の決め手となったポイントについてお聞かせください

カスタマイズ可能な柔軟性、わかりやすいUI、リアルタイムデータ連携の3要件を全て満たしていたことが決め手でしたが、スーパーカクテルが食品業界に高い市場占有率を誇っていたことにも注目しました。接着剤の製造も食品製造と同様に生産量の調整や在庫の適正化、製造~出荷のリードタイムの短縮などがシビアに求められます。プロセス型製造業の標準機能が当社の業務と非常にマッチしていると感じました。
―― 2014年にスーパーカクテルに更改し、10年以上も使い続けておられる理由とはなんでしょうか
第1に、当社の業務と非常に親和性が高いことです。カスタマイズも可能なので、業務に合わせたチューニングも複数回行いながら安定して稼働しています。第2に、信頼性の高いシステムであること。30年近い歴史の中でシリーズは常に進化しており、関連製品も豊富なため、リアルタイムなデータ連携も高度に実現しています。第3に、洗練されたUIです。複数の他社ERPパッケージの情報収集もしましたが、スーパーカクテルほどUIが基幹業務に合わせてシステム化されたものはありませんでした。そうした使いやすさが長期に活用し続けている理由です。
―― 2024年から社長からの全社方針としてDXへ本格的に取り組まれるのと並行して、最新版の「スーパーカクテルCore シリーズ」にバージョンアップされ、同時に「スーパーカクテルCore 会計」も新規導入されました。また、文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」、帳票電子化システム「XC-Gate v3」も新規採用し連携されました
実は2014年以降もアナログ業務や二重入力などが多く残存していたのです。販売管理と生産管理は高度化したものの、会計システムとは連携しておらず、工場で手書きで起票した振替伝票を手打ちで財務会計システムに入力するなどしていたため、それらを2019年にデジタル化。2024年にはDXで何ができるかを検討したことで、スーパーカクテルCore 会計の導入を決断。データ連携を実現しました。
また、毎日100件以上発行する納品書や、月間400~500件発行する請求書は全て郵送していました。その業務負担の軽減と、郵便料金や印刷・資材コスト削減のためにエアレポを導入。手作業の郵送業務から脱却し、メールによる送付に切り替えることで、請求書・納品書送付業務のデジタル化を実現しました。さらに、製造現場で行っていた紙による実績管理・報告の運用をタブレットに移行するためXC-Gate v3も採用し、現在運用開始に向けて取り組んでいるところです。
導入の効果
リアルタイムなデータ連携でトレーサビリティが格段に向上
―― スーパーカクテル及びエアレポ活用による効果やメリット、具体的な成功例などについてお聞かせください
効果は大きく3つあります。1つ目は、属人化の解消です。作業フローが統一されたことで、特定の作業者のノウハウや紙のノートに頼る必要がなくなり、担当変更時の引き継ぎもスムーズに実現しています。スーパーカクテルはわかりやすい画面や高い操作性により、誰でも使いやすいシステム環境を整えることができました。
2つ目は、リアルタイムなデータ連携による俊敏性の実現です。営業側のデータはオフコンの時代から Excel などで分析はできましたが、生産側のデータは月次集計が出せたものの月内ではリアルタイムに把握できず、Access や Excel を活用して個人がばらばらに保持していたため、可視化も難しい状態でした。現在は一元管理され、品番とロットに関連する情報を瞬時に取り出せるようになったため、問合せや万が一のトラブル発生においてもトレーサビリティが格段に向上しています。
スーパーカクテルの中間データ利用機能を元に実績を瞬時に取り出せることも大きなメリットといえます。必要な時に商品の動きが把握できるほか、棚卸しが大幅に効率化しました。以前は棚卸しを年に2回行っていましたが、現在は手間がかからなくなったことで毎月実施できるようになり、在庫管理や生産計画の精度も高まりました。時間の制約で諦めていたことやできなかったことが、新たにできるようになった効果は大きいと感じています。
そして3つ目は、コストや手間の削減です。新たにエアレポを導入・スーパーカクテルと連携することで郵送費、封筒や用紙などの材料費、印刷費、人件費などを大幅に削減しました。毎日100通前後郵送していた納品書も、現在はワンクリックで送信できるようになり、郵送日数や遅れも見越した準備の必要もないため、締め日当日に余裕を持って送信しています。お客様側の業務も改善されるため、郵送からメールへのご同意も得られやすく、運用開始からわずか数ヶ月で郵送件数の9割以上を電子化できました。


今後の展望
生産と販売データの更なる活用と周辺システムのデジタル化が課題
―― 今後の活用計画についてお聞かせください
生産と販売のデータが集約されたので、今後はそれをどう活用していくかがテーマとなっています。たとえば、今は製品の生産にかかる原材料の所要量を Excel で管理していますが、これもスーパーカクテルCore 生産の標準機能をベースに運用することと考えています。ただし、例えば材料の状態などによって微妙に投入量を増減したり、ロットごとに微調整したりするなど、一部ではアナログな対応が必要なため、そこをどうやってデジタル化していくかが今後のチャレンジとなっています。また、全社方針となっているDX実現に向けた取り組みとして、受注業務の効率化・ペーパーレス化・自働化や社内データのさらなる活用を模索していきたいです。
―― 最後に今回のプロジェクトのご評価をお聞かせください
10年前にスーパーカクテルと出会えたことは本当に良かったと思っています。オフコン時代から現在まで業務量は1.5倍程に増えましたが、処理時間は大幅に削減されるなど、仕事の密度が向上したと感じています。今後も内田洋行とユーザックシステムの支援も得ながら、これからの10年も更なる省力化、効率化、そしてDXを実現していきたいと思っています。

企 業 名 | 株式会社アルテコ |
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設 立 | 1969年7月1日 |
年 商 | 約20億円(2024年4月現在) |
従業員数 | 45名(2024年6月現在) |
事業内容 | 瞬間接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、嫌気性接着剤、光硬化型樹脂系接着剤など 各種接着剤を主とする化学製品の研究開発、製造、販売 |
U R L | https://www.alteco.co.jp/ |
当社は長年オフコンを活用し、基幹システムの多くをスクラッチで開発してきました。オフコン時代は販売管理と生産管理をアナログに頼ることが多く、顧客毎に異なる受注のノウハウが熟練社員の記憶に依存したり手書きしたメモで対応したりしていたため、属人化や柔軟性がないことなどが課題でした。また、受注と出荷は工場で行い、売掛回収や請求書発行は本社で行うのですが、本社で受注や出荷の状況がリアルタイムで把握できないなど非効率な状況でした。そこで2013年にオープン化を決断。同時に誰でも扱えるパッケージシステムの導入を検討しました。