勤務シフト管理システム導入事例
味の素食品株式会社 様

DX戦略の一環として
勤務シフト管理システムを導入
作業時間の大幅短縮と属人化の解消
勤務シフト管理システムを導入
作業時間の大幅短縮と属人化の解消
業種 | 調味料・加工食品等の製造・包装 |
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導入システム | 勤務シフト管理システム「Optamo(オプタモ)」 |
味の素食品株式会社は、味の素グループの調味料や加工食品の製造・包装を担う食品製造メーカーです。国内には川崎工場、静岡工場、三重工場の3拠点があり、約2,000人が就業しています。少子高齢化による人手不足を補完するため、積極的にDXを推進中です。
従来から課題であった従業員のシフト(要員配置)管理を効率化するため、包装部門において「Optamo(オプタモ)+デジタルサイネージ」を導入しました。その経緯を、川崎工場企画・保全部保全課 新福直彦様(写真左)、第一製造部第三課第二係 梶原富美江様(写真中央)、第一製造部第三課第一係長 伊藤辰浩様(写真右)に伺いました。
導入のメリット
- シフトの作成時間を削減
- 日々の要員配置に要する時間を削減し、従業員の心理的負担も解消
- 電子化を行い紙の使用量を削減
システム導入フロー

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要員配置業務の効率化と属人化からの脱却を目指す
―― DX戦略の一環で従業員の要員配置のデジタル化に取り組まれたそうですが、その経緯を教えてください。
導入した第一製造部第三課には現在120名強の従業員が働いており、その要員配置を2〜3人の熟練社員が手作業で行っていました。従業員ごとに就業時間や持っているスキルなどが異なり、それらを勘案して最適な要員配置を行うのは容易ではなく、従来はかなりの時間がかかっていました。
新福様
―― これまではどのように管理されていたのでしょうか。
従来は、従業員に紙ベースで休暇申請を提出してもらい、生産管理係が生産計画を立案。それをもとに、私(管理者)が従業員のスキルなどを考慮してシフトを確定。それを Excel に手入力していました。
梶原様
―― 導入前の課題は?
課題を「シフト管理」と日ごとの「要員配置」の2つに分けて整理しますと、シフト管理では(1)時間がかかる(2)調整が難しい(3)ミスにより修正が発生するという課題がありました。また、要員配置では(1)時間を要する(2)要員配置できる人が限られている(属人化)(3)配置不備で要員不足が発生するなどの課題がありました。
システム導入によって、「要員配置業務の効率化と属人化からの脱却」を目指しました。
システム導入によって、「要員配置業務の効率化と属人化からの脱却」を目指しました。
梶原様
扱いやすく安価な数理最適化システムを求めて
―― 今回導入されたのはどのようなシステムでしょうか?
勤務シフト管理システム「Optamo(オプタモ)」を導入。Optamoで作成した要員配置のデータをデジタルサイネージに送り、工場の前に掲示するという仕組みを作りました。
新福様

―― Optamoを選ばれた経緯は?
最初は数理最適化エンジンを持ったシステムを探していたのですが、設計や素材開発に使用されるような大掛かりで高価なシステムが多く、もっと軽量なものが欲しいと思っていました。そこで出会ったのがOptamoでした。スペック的にも価格的にも我々のイメージにマッチしていて「これなら失敗しても痛手が少ないからトライしてみよう」と。
新福様
2023年3月から試用を開始。しばらくは従来の手作業と並行しながら運用し、2024年3月から本格稼働しました。
伊藤様
業務時間が171時間減。
従業員はスマホ一つで休日申請が可能に
―― 導入後、業務はどのように変わりましたか?
Optamoを導入後は、従業員は自分のスマートフォンで休日申請ができるようになり、紙の申請書が不要になりました。日ごとの要員配置は、以前は前日のお昼までにリストを壁に掲示して従業員に知らせていましたが、現在は、工場に設置されたデジタルサイネージに表示され、従業員は自分のスマートフォンからも確認できます。以前は会社に来なければ見られないので不便でした。
梶原様
―― 導入効果はいかがでしたか?
シフト作成にかかる時間が年171時間削減、日々の要員配置に要する時間も年20時間削減できました。
伊藤様
要員配置は、公平に配置したつもりでも従業員から不満の声が上がることもあり、ストレスを感じていました。Optamoを導入してからは、そのような心理的負担も軽減されました。
また、生産予定が急に変わることがよくあるのですが、その際の要員配置変更もOptamoで簡単にできるようになりました。従業員への変更の連絡も、Optamoのメール機能で簡単に行えるためとても助かっています。
また、生産予定が急に変わることがよくあるのですが、その際の要員配置変更もOptamoで簡単にできるようになりました。従業員への変更の連絡も、Optamoのメール機能で簡単に行えるためとても助かっています。
梶原様
―― 導入時の現場の反応は?
OptamoはSaaS(インターネットを経由して利用するサービス)ですので、最初にWEBサイトにアクセスして登録する必要があります。最初は「面倒だ」という声もありましたが、使用して便利だということがわかってからは特に不満は聞かれません。
伊藤様
スマートフォンを持っていない、使えないという方が数名いましたが、その方たちは従来通り紙で申請していただいています。
梶原様
トライ&エラーで理想のツールに
―― 苦労した点は?
Optamoを導入した当初は、Optamoが最適化した結果とこちらが期待した要員配置にギャップがあったことですね。そのため、ひと月当たり10名くらいの割合で手作業で微調整しなければなりませんでした。半年くらいかけて、トライ&エラーで設定をチューニングしながら、だんだん理想に近づけていきました。
新福様
Optamoが出した要員配置は、そのままの形でサイネージに表示すると見づらいので、いったんソフトウエアを経由して見やすい形に変換してから表示しています。その調整に少し手間がかかりました。
伊藤様
他拠点への横展開、工場間の要員配置も視野に
―― 今後の展開について教えてください。
当社のDX成果発表会で課の成果を発表したところ、他の拠点からも導入したいという声が挙がり、既に導入が検討されています。
また、川崎には7つの製造課がありますから、要員計画や従業員のスキルマップをデータベース化し共有できれば、必要なスキルを持った従業員を製造課間で融通し合うことも可能になるのではと考えています。将来的に人手不足を補いリソースの有効活用にもつながるものと期待しています。
また、川崎には7つの製造課がありますから、要員計画や従業員のスキルマップをデータベース化し共有できれば、必要なスキルを持った従業員を製造課間で融通し合うことも可能になるのではと考えています。将来的に人手不足を補いリソースの有効活用にもつながるものと期待しています。
新福様
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食品ITマガジンは内田洋行が発行する食品業界のIT導入事例や、食に関連するお役立ち情報、最新の業界動向などを紹介する情報誌です。
企業名 | 味の素食品株式会社 |
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事業内容 | 調味料・加工食品等の製造・包装 |
代表者 | 代表取締役社長 望月 俊之 |
設 立 | 2019年 |
資本金 | 40億円 |
従業員数 | 約2,000名 |
所在地 | 神奈川県川崎市 |
URL | https://www.ajinomoto-shokuhin.co.jp/ |
記載内容は取材時の情報です。
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