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在庫管理における発注業務でよくある課題は?効率化のポイント解説
在庫管理における発注業務は、在庫を切らさず、かつ余らせないバランスが求められる難しい業務です。発注のタイミングや数量を誤ると、欠品や在庫過多といった問題が発生し、業務の効率低下やコストの増加につながります。
この記事では在庫管理における発注の課題を整理し、業務を効率化する具体的なポイントを解説します。

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1.在庫管理はなぜ重要?

在庫管理は、完成した商品だけでなく、将来的に製品となる原材料や部品、資材の保管状況を正確に把握するために欠かせない業務です。どこに、どのような状態で、どれだけの数量が保管されているかを把握することで、適切な生産や販売計画を立てられます。

在庫管理が不十分だと、過剰在庫によるコスト増加や、欠品によって顧客の要望に応えられないといった問題が発生します。適切な在庫管理を行えば、在庫ロスや廃棄コストの削減につながり、企業の利益向上や経営の安定化が可能です。

2.在庫管理における発注とは

在庫管理における発注は、企業が必要とする商品・原材料・部品・外部サービスなどを取引先に正式に依頼し、調達するための業務プロセスです。単に不足分を補うだけでなく、在庫の状況を正確に把握し、最適なタイミングで必要な量を発注することが求められます。

商品名や数量、単価、納期、納入場所などが、おもな発注内容です。仕入れ先の選定や発注の単位、発注フローを見直すことで、コストの削減や業務の効率化が図れます。

3.在庫管理の発注方式は6種類

在庫管理における発注方法には代表的な6つの発注方式があり、それぞれに特徴や適した運用場面があります。自社の在庫状況や商品の特性に合った方式を選ぶことが重要です。

1)定期発注方式

「定期発注方式」とは、あらかじめ決められたサイクルに合わせて自動的に発注する方法です。例えば月初や月末、または3か月ごとなど、一定の間隔で発注を繰り返すことで、担当者の手間を減らして業務の効率化につなげられます。

ただし、定期発注方式では発注量が固定されていないため、毎回適正量を計算する必要があります。発注量の計算にあたっては、在庫状況や需要の変化を正確に把握していなければ、過剰在庫や欠品が起こるリスクがあります。

2)定量発注方式(発注点方式)

「定量発注方式」は、あらかじめ設定した在庫の数量を下回ったタイミングで自動的に発注する方法で、「発注点方式」とも呼ばれます。発注点を明確にしておくことで、在庫切れや過剰在庫の発生を防ぎ、安定した供給体制を維持できるのが特徴です。必要な分だけをその都度補充するため、在庫スペースの有効活用にもつながります。

ただし、発注の時期が一定ではないため、需要の変化が激しい商品には向かず、急な注文増加に対応しづらいというデメリットもあります。
また、発注点の設定が非常に重要になります。発注してから入荷するまでのリードタイムを加味した日数分の在庫を発注点とする必要があります。一度定めた数値を定期的に見直すことが大切です。

3)簡易発注方式

「簡易発注方式」は購買コストを抑えながら運用でき、おもに重要度の低い商品に用いられます。代表的な方法として「ダブルビン方式」と「補充方式」があります。

ダブルビン方式は、AとBの2つの箱を用意し、Aを使い切った段階でBを開封して、新たに1つ発注するという仕組みです。補充方式は一定量を使用したらその分だけ発注するため、出荷頻度は少ないものの欠品による影響が大きい商品に適しています。

4)不定量不定期発注方式

「不定量不定期発注方式」は、在庫の減り方や需要のタイミングを予測しにくい商品に適した発注方法です。あらかじめ発注時期や数量を決めず、その都度の需要や在庫状況に応じて発注量を調整します。突発的な需要が発生しやすい商品に向いており、柔軟に対応できる点がメリットです。

ただし、常に在庫を確認しながら発注する必要があるため担当者の負担が大きく、管理に手間がかかります。

5)同期化発注方式

「同期化発注方式」は、取引先と事前に契約を結び、毎日や毎週といった一定のサイクルで決まった数量を納品してもらう仕組みです。発注のタイミングが定められているため、在庫を補充する必要がなく、安定した供給を維持しやすいでしょう。

一方で柔軟に発注数を変えられないことから、需要が急増する時期には在庫不足を招いたり、逆に在庫を抱え過ぎたりする点に注意が必要です。

6)分納発注方式

「分納発注方式」は、あらかじめ立てた製造や販売計画をもとに、在庫が必要なタイミングに合わせて複数回に分けて発注する方法です。取引先に対し、一度の大量注文ではなく、必要な分だけを分割して納品してもらいます。需要の変化や売上の増減にも柔軟に対応できるのがメリットです。

ただし、需要が低下しても発注が継続される場合、過剰在庫になるリスクもあります。

4.発注点の計算方法を解説

在庫管理における「発注点」は、適切なタイミングで補充するために重要です。発注点の設定が正確でないと、在庫が余り過ぎて保管コストが増えたり、逆に欠品を起こして販売機会を逃したりする恐れがあります。発注点を算出する際は、発注数量ではなく日数を基準に考えましょう。

基本的な計算式は「発注点=1日の平均出荷量×調達期間+安全在庫」です。調達期間(リードタイム)は、発注から納品までの期間を指し、安全在庫は需要変動による在庫切れが起きないよう確保しておく在庫のことです。
1日の平均出荷量に変動がある場合は、発注点も見直す必要があります。

5.在庫管理における発注でよくある課題

在庫管理における発注業務ではさまざまな課題が発生しやすく、効率やコストに影響を与えます。発注ミスや在庫管理の不備、部門間の連携不足などさまざまです。

1)発注ミスが頻繁に起こる

発注業務では、伝票の紛失や発注書の記入ミス、情報の共有漏れなど、人的なミスが起こりやすくなります。特に電話やメールを用いたやり取りでは、聞き間違いや読み間違いが発生しやすく、業務効率を低下させます。

人間による発注ミスが頻繁にあると、その修正に多くの人員や時間、さらには追加コストを割かなければなりません。

2)在庫の保管場所を把握していない

在庫管理で保管場所を把握していない場合、在庫の確認や入出庫作業に時間がかかり、業務効率が低下します。整理されていない倉庫は在庫の正確な確認が難しく、数え間違いや記録漏れが発生する原因の1つです。

また、頻繁に使用する在庫が奥に収納されていると、取り出す手間が増え、業務効率をさらに悪化させるでしょう。さらに、在庫の保管場所が暗いなどの環境に問題があるケースも、正確な在庫管理を妨げます。

3)部門間で連携ができていない

在庫管理における発注では、担当者だけでなく複数の関連部門との連携が欠かせません。例えば、受注見込みに関する情報や、製造段階でのトラブル状況などを共有することで、適切な発注判断が可能です。

しかし、管理方法が担当者ごとに異なりノウハウが個人に依存している場合、担当者が不在になると業務が滞り、在庫管理全体に支障を来すことがあります。

4)発注ルールが属人化している

仕入れ先ごとの発注ルールや、商品ごとのリードタイムなど、発注業務にかかせない情報が共有化されていない場合、担当者でないと適切な発注ができず、業務の属人化が発生します。これらの情報はシステムに登録するなど、全体で共有される必要があります。

6.発注業務を効率化する方法

在庫管理における発注は確認や調整が多く、ミスや時間ロスが発生しやすい業務です。ここからは、負担を減らしながら効率化する方法を解説します。

1)ロケーション管理で正確な入出庫処理を行う

「ロケーション管理」とは、倉庫内のどの位置にどの商品があるのかを明確にし、スムーズな入出庫を可能にする在庫管理の方法です。

商品を棚番号や段ごとに「列・連・段」で区分して記録することで、探す手間を減らし、作業時間を大幅に短縮できるでしょう。場所がすぐにわかるよう整理しておくことが、正確な出荷や誤った出庫の防止につながります。

2)ABC分析で在庫管理の優先度を決める

「ABC分析」とは、在庫を売上や出荷量の比率によってA・B・Cの3つに分けて、管理の優先度を明確にする手法です。売上の大半を占めるAランク商品は重点的に管理し、BやCランクの商品は必要最低限の在庫に抑えることで、ムダのない発注や保管が可能になります。限られたリソースを効果的に活用し、在庫全体のバランスを最適化できる点が大きなメリットです。

3)需要状況によって適切な在庫数を確保する

需要の変化に合わせて在庫を最適に保つためには、過去の販売実績や季節ごとのデータをもとにした、需要の予測が不可欠です。精度の高い予測によって過剰在庫を抑え、ムダなコストを削減できるだけでなく、必要な商品の欠品も防げます。また、予測と実績の差を把握しておくことで、次回以降の発注の精度をさらに高められます。

4)在庫管理システムを導入して在庫を見える化する

在庫管理システムを導入すれば、在庫や入出庫の情報を一括で管理でき、現場の混乱や人的ミスを大幅に減らせます。発注業務においては、工場、倉庫、店舗など複数個所の在庫を正確に把握することで、過剰在庫や欠品を防げるでしょう。在庫管理システムを導入するには一定のコストがかかりますが、業務効率化やコスト削減につながり、長期的に大きな効果が期待できます。

5)発注に必要な情報をシステム管理する

発注に必要な情報は在庫情報だけではありません。仕入先ごとの発注タイミングやルール、商品ごとの最低ロットやリードタイムなど、発注業務に必要な情報をシステム管理し、関係者で共有しましょう。こうした情報をシステム管理することで、発注計画を自動で作成したり、ルールと外れた発注を止めることができるようになります。

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7.まとめ

在庫管理における発注では、現場の課題を正確に把握した、適切な発注方式選びが重要です。また、発注業務を効率化するためには、在庫管理システムの導入が大きな助けとなります。

内田洋行は、純国産初のオフィスコンピュータ(USAC)の開発以来、50年以上にわたりICTの力で中堅・中小企業の業務改善を支援してきました。特に製造業においては、多品種少量生産や短納期対応といった現場の課題に寄り添い、柔軟で使いやすいシステムを提供しています。
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著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部
著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部

入社後、全国の販売パートナーを通じスーパーカクテルの拡販に従事。さまざまな業種のお客様の業務改善提案に携わる。2020年より営業経験を活かしてデジタルマーケティングおよびインサイドセールス業務に取り組んでいる。

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