社会福祉法人 悦生会 特別養護老人ホーム なごみの里様(埼玉県さいたま市)
さいたま市の特別養護老人ホーム「なごみの里」様では、見守りセンサーや「絆 介護情報タブレットシステム」といったICTの導入など、ケアの質や職員のモチベーションを高める取り組みに力を注いでいます。職員の方々からの評判も上々で、入居者一人ひとりにあった個別ケアの提供につながっていると話す前野敏朗施設長。現在導入しているシステムの具体的な効果や、今後の展望などについても詳しく話をうかがいました
半年前に県の介護ロボット普及促進事業を活用して、非接触型の見守りセンサー「ライフリズムナビ+Dr.」(エコナビスタ)を3台導入しました。 居室にセンサーマット、人感センサー、ドアセンサーを設置することで、入居者のバイタルや睡眠データ取得のほか、離床やドアの開閉などを感知して知らせてくれます。この製品の導入により、センサーで居室での様子や生活リズムを把握できるようになったので、一人ひとりにあった個別ケアの提供に繋がっています。
「絆システム」をはじめとした介護施設のICT化をサポートする内田洋行に相談したところ、見守りセンサーを勧められたのが、きっかけです。 実際の製品を見せてもらったところ、確かにスマホの表示も見やすいし、一目で状況把握がしやすいと感じました。職員からの「これなら使えそう」という声も決め手となり、導入に至った次第です。
職員からの評判は上々です。今では、新しい環境に慣れずに徘徊や不穏状態がみられる新規入居者など、各フロアから「この方にも使ってみたい」との声が職員から積極的に寄せられています。 ただ、今はまだ試行期間の段階です。今後は、職員の気づきや経験に見える化された生活リズムやデータを加えることで、より質の高いケアを目指したい。そのためにも活用の効果を見極め、導入台数を増やして、より多くのデータを取得することで、さらにケアの水準を高めたり、記録システムと連動したりすることなども検討していきたいです。
はい。記録の効率化を図る「絆 介護情報タブレットシステム」の導入のほか、介護以外の周辺業務を担う「介護助手」の雇用などの取り組みも並行して進めています。 特にタブレットシステムについては、現場でいつでもどこでも簡単にタブレット上で入力でき、介護記録情報の閲覧や申し送り事項の引継ぎなど、情報共有が簡単になり、効率化に繋がっています。
取り組みはさまざまですが、目的は職員のモチベーションを高めることに尽きます。多くの介護職員が、入居者に喜んでもらいたい、笑顔を見たいといった思いから介護に従事していますが、業務に追われて余裕がない状態では、どれほど経験や知識があっても良い介護は提供できません。したがって、周辺業務の負担を減らして、入居者と向き合う時間をできる限り確保することが職員のモチベーション向上につながり、入居者の方にも喜んでもらえるといった好循環を生むものと確信しています。
今後もソフト面、ハード面あらゆる試行錯誤を重ねながら、職員が生き生きと働くことができる職場環境を整えていきたいと考えています。
社会福祉法人 × 職員の業務負担軽減とタイムリーな情報共有の導入事例。介護システム/ソフト、福祉システム/ソフトの「絆シリーズ」の事例紹介です。