株式会社内田洋行
2010年にマイクロソフトのクラウドサービスである「Office 365」(当時「BPOS」)を導入した内田洋行。導入時はすべてのプロセスを社内のメンバーで実施。導入後も、利活用のためのプロジェクト活動を委員会というかたちで継続的に行っています。
5年半にわたる利用・運用のなかで感じてきたこと、取り組んできたこと、そして、5年半の自社実践を経た今、直面している課題やこれからのビジョンを公開。さらに、自社実践に取り組み続ける内田洋行だからこそできるお客様へのご支援についてお伝えします。
システム運用面で変わったことは、24時間365日で使えるようになったということです。以前は、社内にサーバーがあって、停電対応などで停止すると使えなくなってしまっていましたが、クラウドになり、いつでも使える状態になりました。また、物理的なハードがなくなったことで、システムの運用工数が減りました。例えば、ハードであれば故障したり、リソースが不足したりということが発生しますが、そうしたことをクラウド側にお任せできるということも大きな変化の1つですね。
また、リソースの面では、大きなデータが扱えることもメリットではないでしょうか。以前は、添付ファイルサイズ制限値が低く、個人のメールボックスの容量が少なかったのですが「Office 365」では大容量になり、皆さん容量をほとんど気にせず使えているかと思います。
そうですね、東日本大震災のときに初めて全社的に「SharePoint Online」を使った気がします。
今もポータルに「広報の発信情報」というコーナーがありますが、会社として外に何を発信してきたかをすぐに知ることができるのは、ユーザーとしても、非常に大きな効果があると感じています。
「SharePoint Online」や「Yammer」などの導入効果はどういったところでしょうか?
内田洋行での「Office 365」の活用・普及を考えるうえで、IT運用部門の他に、経営企画部門、広報部門、各事業部門も参加した「コミュニケーションインフラ活用推進委員会」の存在は欠かせないものです。委員会の活動はいつ頃はじまったのでしょうか?
導入時にプロジェクトが立ち上げられることはよくありますが、内田洋行では、導入後も委員会として活動が継続されています。その狙いや期待する部分はどのようなところでしょうか?
導入のときに携わった人がそのまま引き続きやっていると、どうしてもユーザー側とは違った視点になりがちです。ユーザーを差し置いて、自分たちがやりやすいように進めてしまうということにもなりかねません。でも、それでは本当の意味での活用ではありませんよね。そこで、どの立場の人が委員会に参加するのかを検討する際にも、単純に各事業部門の代表が集まるような会議体ではなく、メンバーも選定して委員会にしたいと考えていました。また、先日も大久保昇社長から、もっと、お互い対峙するような立場で「これはできる、できない」といったことを話し合える場のほうがいいのではないかという提言もありました。
先日の会議の際にも「ポータルをこんなふうに変えます」という提案をしたのですが、様々な改善案をIT運用部門として社内へ提案したいとは思っていたものの「どこで、誰に言えばいいんだろう」というジレンマを感じていました。やはり、こういう機会があるとすごく提案しやすいですね。
委員会の運営については、そうした小さな変更や改良がやりやすいように、細かな意思決定はすぐにできる体制であることが大切です。同時に、それとは別に、大きな変更を社内行政手続き的に通すためのルートもはっきりさせておく必要があると考えています。
5年経って、まわりのユーザーを見ていると、詳しい人と、最低限のことしか把握していない人との情報格差が出てきたように思います。例えば、「Skype」でビデオ会議に参加するということも普段から「Skype」を使わない人では、その発想すら選択肢にあがらないと思います。
SEさんからは、よく IM をもらうのですが、営業同士だとまだ電話でのやりとりが多いですね。
内田洋行内でIMがどのくらい利用されているかを確認したのですが、年間でだいたい54,000回くらいとなっています。そのなかで、頻繁に使っているアクティブユーザーは、だいたい20%=400人くらいなので、利用者をもっと増やしていきたいですよね。
掲示板での情報発信、共有については、ビジュアル化も課題だと思っています。インターネットなどでは、写真や映像など、ビジュアル化されたものを日常的に目にするのに、社内ではいまだに文字情報が圧倒的に多いのが現状です。社長の映像が流せるとか、ライブ配信ができるとか、「Office 365ビデオ」や「Skype 会議ブロードキャスト」などの新しい機能の活用には、非常に期待を寄せています。
そうですね。ちょっとした工夫ですごく便利に使えることも多いので、そうした情報をお客様向けにご用意するのもいいかもしれませんね。
また、お客様からは、特に「SharePoint」を使いこなせていない、という声が多く聞かれます。「SharePoint」に限った話しではないかもしれませんが、やはり、情報を集め共有するための基盤なので、機能を知ることも必要ですが、そこで何のコンテンツを共有するかが、より重要だと思います。そういった意味では、まず先にコンテンツから考えたほうがいいのではないかと、5年間運用してきたなかで感じています。
内田洋行では、新しいサービスをいち早く自社で実践することにより、そのメリットやデメリットおよび有効利用策を迅速かつ的確にご提示することができます。お客様の「SharePoint」の有効活用を継続的に支援できることが、私たちがご提供できる最大の価値であると考えています。
※ 本事例の内容、組織名・役職は2016年6月現在のものです。