
この記事では、Excel で原価管理を進める方法やメリット・デメリットについて解説します。おすすめのツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.原価管理とは
原価管理とは、製品の製造やサービスにかかる費用を管理することです。材料費、人件費、販売費、設備費などを把握し、分析して適切な原価を維持・調整します。
原価管理により、企業はコスト削減や利益損失リスクの回避が可能となります。
原価管理は Excel で対応可能
Excel はさまざまな機能を持つ表計算ツールで、原価管理にも利用できます。専用のツールを導入せずに原価管理を始めたい際は、Excel の利用を検討してもよいでしょう。
Excel の利用には、メリットだけではなくデメリットもあります。ツールと Excel、双方を比較検討したうえで、活用するかを決めましょう。
2.原価管理の必要性
会社の利益を上げるためには原価管理が必要です。原価を正確に把握・管理することで利益率の向上が図れるでしょう。
また、原価管理はリスク管理にも有効です。必要のないコストを特定し、削減すれば損失を解消できます。定期的に結果を分析することで、将来的な経営判断の材料にもなります。
3.原価管理を Excel でするメリット
Excel で原価管理をするメリットにはテンプレートの豊富さやカスタマイズ性があります。ここでは4つのメリットについて解説します。
Excel はほとんどの企業で導入されているため、新たなツールを導入する必要がありません。そのため導入コストもかからず運用を始められます。新たなツールを導入する際には、使い方などに関する研修のコストも発生しますが、Excel では不要です。
従業員が慣れている
Excel は従業員が使い慣れているのもメリットのひとつです。
多くの従業員が使い慣れているため、ツールの使用方法を説明たりレクチャーしたりする必要がありません。使い方に慣れていれば、Excel に慣れていない人に対する指導やスキルの共有なども簡単に行えます。
テンプレートが豊富
Excel では、豊富なテンプレートから自社の原価管理に合ったテンプレートを選べます。
Excel は普及率が高く、インターネット上に多くの無料テンプレートが存在します。これを使えば、自社に合った原価管理表を作成できるでしょう。また、社内で統一したテンプレートを使えば、運用時の効率も向上させられます。
自社に合わせてカスタマイズできる
自社に合わせたカスタマイズが容易なことも、原価管理を Excel でするメリットです。
Excel は自由度が高く、セルに入力できるデータや計算式も豊富です。拡張性が高いため、自社のニーズに合わせた表のレイアウトを作成できるでしょう。これにより、業務効率化が期待できます。
4.原価管理を Excel でするデメリット
ここでは、原価管理を Excel でするデメリットについて4つ解説します。Excel で管理する際の参考にしてください。
属人化しやすい
原価管理を Excel でするデメリットのひとつは、属人化が起きやすい点です。
Excel の高度な機能を使いこなすためには、一定以上のスキルが必要です。スキルを持っている人材が限られている場合は、業務が属人化するリスクがあるでしょう。特定の従業員に依存すると、組織の柔軟性が低下する恐れもあります。
リアルタイムで共有できない
リアルタイムでデータを共有できないのも、原価管理を Excel でするデメリットです。
企業の運用方法にもよりますが、Excel ファイルはローカルに保存されることが多い傾向にあります。そのため、複数人で同じファイルを利用する場合は、最新版のデータの共有が難しいあるいは手間となる恐れがあります。
また、社内でファイルを共有できる仕組みが整っていなければ、データは手動による送信となり、さらに手間がかかってしまいます。
管理に手間がかかる
Excel は管理に手間がかかります。Excel ファイルは複数の従業員が個別に管理することが多く、共通で管理するべき最新版のデータがわかりにくくなることがあります。この課題については、リアルタイムで共有できないデメリットと近しい内容です。
これにより、ファイルの更新状況を都度確認する手間が発生し、業務に影響を及ぼすことがあります。
セキュリティリスクがある
原価管理を Excel でするデメリットには、セキュリティリスクもあります。
Excel ファイルは簡単に持ち出し可能です。そのため、不正アクセスや情報漏洩のリスクがあります。Excel で運用をする際には、セキュリティの脆弱性が懸念されます。
5.Excel で原価管理表をつくる方法
Excel で原価管理表をつくるには必要な項目や関数が必要です。ここでは具体的な表の作成方法について解説します。
必要な項目を入力する
Excel で原価管理表を作成する際は、まず列に原価要素を入力します。ここには材料費や人件費、経費など、原価となりうる項目を洗い出して入力しましょう。
そのうえで、単価や標準原価を定義するマスターシートを作成します。これにより、実際原価の入力時に自動計算が可能になります。
関数を入力する
原価の集計には、自動で計算できる関数を利用しましょう。関数を利用することで、手動作業が減り、ミスを防げるようになります。
SUMPRODUCT や SUM、AVERAGE といった関数を使うと、合計額や平均値の計算が簡単になります。
6.Excel で原価管理をするポイント
Excel で原価管理をする際は主に3つのポイントがあります。テンプレートやマニュアル、関数などについて解説します。
無料テンプレートを活用する
Excel で原価管理をするポイントの1つは、無料テンプレートを活用することです。
Excel の高度なスキルがなくても、無料テンプレートを活用すれば効率的に原価管理を進められます。また、テンプレートがあればミスを防ぎやすくなるでしょう。専門的な作業用にカスタマイズしてある Excel ファイルではなく、誰でも使いやすいよう標準化されたテンプレートの利用がおすすめです。
マニュアルを用意する
Excel で原価を管理する際は、マニュアルを用意するとよいでしょう。その際はデータの管理方法を決め、マニュアルを作成します。これにより、確認作業の手間を省けます。
また、Excel ファイルを共有する際に必要なファイルサーバーやクラウドサービスの利用には、セキュリティ対策が必須です。情報漏えいを防ぐためにも、適切な管理体制を整えることが大切です。
マクロや関数を活用する
マクロや関数を積極的に活用することも、Excel を用いるポイントです。マクロや関数を利用することで手動作業を行う機会が減り、業務効率化が図られます。この場合においても、特定の誰かが持つスキルに依存せず、誰でも扱えるシステムを構築することを心がけましょう。
7.原価管理におすすめのツール
Excel 以外で原価管理に活用できるツールを紹介します。実際に導入する際の参考にしてください。
原価管理システム
原価管理システムは、原価計算や損益の分析などを効率的に行えるものです。専門的な知識が不要であるため、関数の使用が難しいなどの Excel が持つデメリットを解消できます。他システムとデータ連携したり、同時に入力できたりするなど、Excelにはないメリットがあります。
ERP
ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の略で「企業資源計画」を意味します。ERP は企業資源を統合管理することができ、原価計算を含む多機能を備えているツールです。導入によって業務効率化を実現できるため、導入を検討する企業が増えてきています。原価算出に必要な情報を情報をまとめて管理できるため、社内の業務全般をスムーズに行えます。
8.原価管理をシステム化するなら「スーパーカクテル」がおすすめ
スーパーカクテルは、内田洋行が提供している企業競争力の向上を支援するERP/基幹業務システムです。
業種・業務に応じて柔軟にカスタマイズできるため、自社の業務に合わせた運用ができます。原価管理システムのみの部分導入も可能です。
9.まとめ
原価管理のコストを軽減させるためには、Excel の活用も検討しましょう。ただし Excel にもメリット・デメリットがあります。Excel では自社の課題が解決しない場合には、全社的なシステム導入もおすすめです。
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