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請求書の電子化とは?送付方法やメリット、デメリットなど解説
煩雑な紙の請求書作業を、もっと効率的に進めたいと感じていませんか。とくに経理・総務担当者の方は、月末や月初に大量の書類を処理する負担が大きくなりがちです。近年では、コスト削減や業務スピードアップ、リモートワークへの対応などを目的に、電子請求書を導入する企業が急速に増えています。
そこで本記事では、電子請求書のニーズが高まっている背景やメリットから、失敗しない導入手順、運用を軌道に乗せるためのテクニックを分かりやすく解説します。紙ベースの運用から卒業し、業務をよりスピーディーに加速させてみてはいかがでしょうか。

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1.電子請求書導入の背景

電子請求書のニーズが高まる背景には、紙ベースの管理にともなう手間やコストの増大があります。近年では、DXの推進や電子帳簿保存法・インボイス制度への対応が求められ、企業規模を問わず「そろそろ電子化を進めたい」という声が増えてきました。以下では、紙の請求書を取り巻く課題や、電子化の流れが加速している主要な要因について詳しく解説します。

DX推進と法改正で高まるニーズ

DXが注目されるなか、紙の請求書を使い続けると、印刷やファイリングに時間を要したり、紛失リスクが伴ったりと煩雑な作業が多いのが実情です。さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を考慮すると、電子化を進める必要性はますます高まります。紙の請求書を電子データで一元管理すれば、タイムスタンプや電子署名を活用して改ざん防止措置を講じやすくなり、監査や税務調査の際にも必要書類をスムーズに提示できるメリットがあります。

ただし、国税庁が示す要件やインボイス制度の仕組みに合致した電子署名・タイムスタンプを利用する必要があるため、実際の導入に際しては税理士や法務担当者などの専門家へ相談し、要件をしっかり確認することが大切です。

紙ベースの課題と変化の加速

コロナ禍を機に普及したリモートワークや、深刻な人手不足を背景に、働く場所に制約を受けない業務設計が求められるようになりました。紙の書類を扱うために特定のオフィスに出社する、ファイリングや紙書類を探すために工数を割いていると、企業全体の生産性が低下するばかりか、担当者の残業やストレスも増加します。また請求書を受け取る取引先からも、電子化要請を受けるケースも増えています。こうした現場の声を背景に、紙の請求書を電子化する企業が一気に増えているのです。

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2.請求書を電子化する主なメリット

紙の請求書を電子請求書に移行すれば、郵送コストや印刷費の削減だけでなく、作業負担や誤送信リスクの軽減など、多くのメリットを得られます。ここでは特に注目すべき3つのメリットを掘り下げ、業務全体の効率化につながるポイントをご紹介します。

1)コスト・時間の削減

紙の請求書を発行するたびに必要となる封筒代や切手代、印刷用紙などは、一見すると小さな経費に見えます。とはいえ、月単位・年単位で積み上げると、意外に大きな負担になっているケースが少なくありません。電子化を行うことで郵送コストや印刷の手間を削減でき、残業時間を含む作業コストを大幅に圧縮できる可能性があります。その結果、経理や総務がコア業務に集中でき、企業全体の生産性向上につながるでしょう。

ただし、削減効果は企業規模や取引件数、業務フローによって差があります。小規模事業者では期待したほどコストメリットが出ない場合もあれば、大企業では想定以上の効果を実感する場合があります。事前に現状コストを洗い出し、具体的なシミュレーションを行うことで、導入判断をしやすくなるはずです。

2)柔軟な働き方への対応

リモートワークが定着した今、電子請求書なら担当者が自宅にいながら書類を作成・送付でき、上長がオンラインで承認することも可能です。郵便局に行く必要がなくなるため、ちょっとしたタイムロスが減るだけでなく、物理的なファイル保管のスペースにも悩まされなくなるでしょう。こうした柔軟な働き方は、従業員の満足度向上にもつながります。

同時に、オンライン承認へ移行するときには内部統制を意識する必要があります。承認者の権限設定や監査ログの記録など、誰がいつどの書類を承認したのかを明確化し、多要素認証やアクセス制限を設ければ、セキュリティリスクを最低限に抑えられるでしょう。

3)情報管理とコンプライアンス強化

大量の紙を倉庫に保管していると、紛失や破損のリスクが高まり、書類を探し出す時間もかかりがちです。電子データであればクラウドや社内サーバー上でバックアップを取りながら一元管理でき、必要な情報をすぐに検索できます。タイムスタンプや電子署名を活用すれば、法令対応やセキュリティ面における不安を最小限に抑えられるのも利点です。

3.導入前に押さえておきたい準備事項

電子請求書の導入は、単にシステムを入れるだけでは終わりません。社内フローの見直しや、関連部署・取引先への周知、コスト試算などを事前に行っておくことが、スムーズな電子化のカギとなります。ここからは、実際の導入にあたって留意しておきたいポイントをまとめました。

1)社内体制の整備とフローの見直し

請求書を電子化すると、紙の確認・承認フローがオンライン承認へと変わり、経理部門だけでなく営業部門や上層部も影響を受ける可能性があります。たとえば、紙でハンコを押していた作業がシステム上の承認ボタンだけになるかもしれません。誰が、いつ、どのように承認するのかを明確にしておけば、移行期の混乱を抑えられるでしょう。

このとき、内部統制の観点からログを残す仕組みや承認者の権限管理を徹底することも大切です。監査対応やセキュリティ強化を目的に、多要素認証を導入する企業も増えています。

2)電子化の対象書類と優先度

請求書に限らず、見積書や納品書など取引先とのやり取りに関わる書類は幅広いです。一気に電子化すると導入コストだけでなく、担当者への操作レクチャーや周知などの手間も増えてしまいます。まずは発行件数の多い書類から取り組むことで、必要な範囲を限定し、負担を抑えながら効果を実感しやすくなるでしょう。高頻度で処理する文書を優先的に電子化すれば、導入効果を早期に実感しやすくなります。

3)取引先への協力依頼

取引先との良好な関係を維持しつつ、円滑に電子化を進めるために、早めの連携と協力依頼が重要です。電子化に伴い、取引先の業務フローも変更が必要となる場合があります。事前に通知し、PDFでのやり取りについて協力や了承を得ることで、スムーズな移行が可能となり、トラブルを防ぐことができます。また一部の取引先で紙運用が必須な場合も想定し、取引先ごとに対応可能なのか、紙運用を残した場合の業務フローはどうなるか想定しておくことも重要です。

4)導入コストとROIの概算

電子化に伴う費用対効果を数値で示すことは、社内稟議を通すうえでも重要です。封筒代や切手代、印刷コスト、控えの倉庫保管費、残業時間などを洗い出し、電子化システムの導入費用と比較してみましょう。数年先まで想定してどの程度コストを回収できるかを試算しておくと、経営層や関係部署の理解を得やすくなります。

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5)社内稟議を通すためのポイント

コスト試算だけでなく、「月末の封入作業が○時間短縮される」「郵送費が年間で○%下がる」など、具体的な事例を挙げると導入効果を想像しやすくなります。さらに、リモートワークや法令対応など、時流に合った要素を盛り込むことで説得力を高めることができるでしょう。得意先から電子化要望がある場合も、具体的に記載するとよいでしょう。

4.電子請求書の作り方と運用フロー

ここでは、電子請求書をどのように作り、どのように運用すればいいのかを具体的にご紹介します。紙のフォーマットから移行するときの注意点や、改ざん防止の方法を含め、知っておくと役立つ情報をまとめました。

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1)フォーマットの整理と必須項目

請求書に記載すべき情報としては、取引先の名称・住所、金額、消費税率、支払期限などが挙げられます。現状、基幹システムなどから請求書を発行しているようであればフォーマットを変更する必要はありません。もし、複数のフォーマットを使い分けるためにExcelなどを使用している場合は、電子化を機にフォーマットを一本化し、誰が作成しても抜け漏れが起こりにくい仕組みを整えると、ミスのリスクを大幅に減らせます。

2)電子署名・タイムスタンプの活用

紙の押印に代わる証明手段として、インターネット経由で外部認証局にアクセスし、署名や時刻を付与する技術があります。これによって書類が改ざんされていないことを示せるため、電子帳簿保存法に対応しやすくなるのが大きな利点です。クラウド型の電子署名サービスと連携できれば、自動的に署名やタイムスタンプを付与することも可能でしょう。

ただし、認証局やタイムスタンプサービスが国税庁の定める方式に合致しているかを必ず確認し、不安がある場合は専門家へ相談しましょう。

送付方法と相手先ごとの対応
電子請求書に対応している取引先なら、PDFやクラウドの共有リンクで事足りるかもしれません。しかし、まだ紙を希望する取引先もあるため、移行期は電子と紙が混在する可能性があります。どの相手にどの方法で送るのかを一覧化し、紙対応の取引先がどれほど残り、いつまでに完全電子化できるのかをシミュレーションしておくと混乱を最小限に抑えられます。

電子データの保管ルール
サーバーやクラウドに保存する場合は、フォルダ構成やアクセス権限の設定を事前にしっかり検討してください。法定保管期間やバックアップ体制についても、電子帳簿保存法や社内規定を踏まえた運用ルールが必要になります。監査ログを活用すれば、いつ・誰が・どの書類にアクセスしたのかを確認でき、セキュリティ面でも安心です。

5.よくある失敗事例と回避策

電子化は魅力的なメリットがある一方で、新システムへの移行期には混乱や抵抗が起こりやすいのも事実です。ここでは導入後に陥りがちな失敗パターンを事前に把握し、運用を円滑に定着させるための対策を考えます。

1)周知不足による混乱

導入担当者だけが電子化を理解していても、ほかの部署や取引先が従来の紙運用を継続していれば、フローが複雑化してミスや二重処理が増大します。導入時には説明会やガイドラインを整備し、「いつから、どう切り替えるのか」を明確に周知しましょう。特に請求書を送付する取引先と接点のある部門には丁寧に説明をすることで、混乱を防ぐことができます。運用マニュアルを作成しておくと、担当者が異動・退職してもスムーズに引き継げます。

2)紙と電子が混在した際のトラブル

移行期間中はどうしても、紙が残る取引先と電子化が進んでいる取引先が混在します。どの取引先がどの方法を選択しているかを把握していないと、送付漏れやファイリングミスが起きやすいです。ハイブリッド運用には大規模なルール整備や取引先への周知が不可欠です。適用範囲やスケジュールを明確に決め、過渡期の扱いを社内全体で共有しておくと混乱が抑えられるでしょう。

6.電子請求書発行を効率化するツールの比較ポイント

電子化を成功させるためには、自社の業務規模やフローに合ったツールを選ぶことが重要です。料金プランや機能、セキュリティ、サポート体制など、多角的に検討する必要があります。ここでは、最適なサービスを選ぶうえで意識したいチェックポイントをご紹介します。

1)料金・機能・セキュリティの検討

電子署名や承認フローなどの機能面、料金形態(従量課金・月額固定制など)、クラウド保存時のセキュリティ対策は、サービスごとに異なります。自社の発行件数や求める機能に合ったツールを見つけるため、複数のサービスを比較検討することをおすすめします。

2)自社フローとの相性とサポート体制

既存の会計システムや販売管理システム、ERPと連携できるかは、手入力や二重入力を防ぐうえで極めて重要です。導入初期はトラブルや疑問が生じがちなため、問い合わせ対応の速さやマニュアルのわかりやすさも考慮しましょう。自社と似た規模・業種の成功例があれば、参考にしながら導入を進めやすくなります。

7.文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」の特徴と導入メリット

AirRepo(エアレポ) 」は、ビジネス文書をオンライン上で一元管理しながら、自動配信によって郵送作業などの手間を削減するサービスです。クラウド環境で書類を扱うため、場所を問わずに文書を管理できる点が特徴です。以下では、同サービスの主なメリットをご紹介します。

1)自動配信機能による手間とコストの削減

AirRepo(エアレポ)の大きな特長は、取引先や宛先を登録しておけば、指定した手段(メール、Webメールボックス、FAX)で文書を自動配信できることです。これにより、郵送のための封入や切手貼りといった作業が減り、担当者の負担を大幅に軽減できます。大量の書類を一括で配信できるため、月末月初などの繁忙期に多い発送作業を効率化しやすくなるでしょう。

2)既存システムとの連携

AirRepo(エアレポ)は、API連携により既存の請求書発行システムと連携することができます。特にスーパーカクテルCoreシリーズ であれば、標準でAPI連携が実現でき、請求書発行から自動配信までシームレスに連携が可能です。

3)クラウド上での文書一元管理

AirRepo(エアレポ)は、クラウド環境を通じて文書を一元管理する仕組みを備えています。これにより、オフィス以外の場所からでも担当者が書類の確認や配信設定を行いやすくなるのが利点です。紙の書類を探す手間や保管スペースが不要になるため、スペース削減や検索性の向上が期待できます。

8.お問い合わせ前に確認しておくと便利なポイント

電子請求書の導入を具体的に進める前に、現状の課題や導入目標を整理すると、サービス提供元とのやり取りがスムーズになります。ここでは、円滑に相談を進めるためのポイントをご紹介します。

1)現状の課題と導入スケジュールを整理

「いつまでに電子化を完了させたいのか」「どの書類から優先して電子化したいのか」など、導入時期や対象範囲を明確にしておくと、サービス提供元も的確な提案を行いやすくなります。決算期や年度末に合わせて導入する場合は、テスト運用ができるよう、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。

2)予算と必要機能の明確化

電子請求書のサービスには、多機能なタイプからシンプルなタイプまでさまざまな選択肢があります。社内で求める機能をリスト化し、予算や利用規模をイメージしておけば、「機能過多で持て余す」あるいは「必要な機能が足りない」という失敗を避けられるでしょう。導入後の運用イメージを具体的に把握するためにも、トライアルやデモの活用がおすすめです。

9.まとめ: 電子請求書導入を成功させるために

紙の請求書から電子請求書への移行は、コスト削減や業務効率化だけでなく、従業員の働き方に自由度をもたらす大きなチャンスです。はじめに郵送費や印刷費、封入作業に費やす時間など、現場で発生しているコストを洗い出し、具体的なシミュレーションを通じて導入メリットを数値化してみましょう。社内稟議の場でも数字を根拠に説明できれば、導入のハードルはぐんと下がるはずです。

また、各種サービスが提供している無料トライアルやデモ環境を使えば、システムの操作性やサポート内容を具体的に確かめられます。文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」なら、クラウド上で請求書を一元管理しながら、取引先への自動配信が可能です。初めて電子化に取り組む方でもスムーズに運用をスタートしやすいですので、興味がありましたらぜひお問い合わせください。

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著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部
著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部

入社後、全国の販売パートナーを通じスーパーカクテルの拡販に従事。さまざまな業種のお客様の業務改善提案に携わる。2020年より営業経験を活かしてデジタルマーケティングおよびインサイドセールス業務に取り組んでいる。

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