
この記事では、請求書の電子化の仕組みや、導入のためのポイントを解説します。
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1.請求書の電子化とは
請求書の電子化とは、紙で行っていた発行・送付・保管を電子データに置き換え、業務の効率化と法令対応を実現する仕組みのことです。
1)電子請求書と紙の請求書の違い
電子請求書は、紙の請求書をPDFなどの電子データに置き換えて発行・送付・保管する方法です。印刷や郵送する必要がなく、コスト削減と作業効率化が進みます。さらに、データを検索・共有しやすく、テレワークや多拠点業務にも対応しやすい点が特徴です。
2)電子データでのやり取りの仕組み
電子請求書は、発行側がPDFなどのデータを作成し、メールやクラウドで取引先へ送信します。受領側はデータをダウンロードし、システム上で処理します。郵送待ちが不要となるほか、クラウド上で履歴を管理することで、監査対応や内部統制の強化も可能です。
3)電子帳簿保存法・インボイス制度との関係
電子請求書を運用するには、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応が不可欠です。電子取引データは紙保存が認められず、法令で定められた要件を満たす形で電子保存することが求められています。さらに、インボイス制度では適格請求書の発行・保存が求められ、正確なデータ管理体制の構築が必要です。
2.請求書の電子化が注目される背景
法改正やDX推進の流れを背景に、企業が紙の請求書から電子化へ移行する動きが急速に広がっています。
1)電子帳簿保存法改正の影響
2022年の電子帳簿保存法改正で、電子取引データの電子保存が義務化されました。結果として、紙での出力・保管では法的要件を満たさないケースも生じています。そこで、多くの企業が電子請求書システムの導入を検討するようになったのです。
2)DX推進とペーパーレス化の流れ
政府や自治体が推進するDX政策の一環として、また企業自体の効率化ニーズから、紙書類の削減と業務のデジタル化が求められています。特に経理・請求業務の電子化は、作業効率化やコスト削減に直結し、脱ハンコ・テレワーク対応の観点からも導入が加速しています。
3)インボイス制度対応の広がり
2023年10月に開始したインボイス制度では、電子・紙いずれの形式でも適格請求書の発行・受領が認められています。ただし、授受した請求書データは7年間の保存義務があり、紙保管では書類が膨大になります。そのため、電子データでの発行・保存を選ぶ企業が増加中です。電子保存時は「真実性」「可視性」の確保など、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
3.請求書を電子化するメリット
請求書の電子化は、単なるペーパーレス化にとどまらず、業務効率・コスト削減・セキュリティ強化にもつながります。

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1)発行・受領・保存の効率化
電子請求書なら、発行から受領・保存までのプロセスをデジタルで完結できます。郵送や手入力が不要になり、確認・承認フローもスムーズに進行できるのが特徴です。検索や再発行もワンクリックで行えるため、経理担当者の作業時間も削減できます。
2)郵送・印刷コストの削減
紙の請求書では、印刷用紙・封筒・切手・人件費など多くのコストが発生します。電子化すればこれらの費用をほぼゼロにでき、月単位で数万円、年間では数十万円規模の経費削減も可能です。さらに、2024年10月には郵便料金の値上げもありました。このような背景もあり、取引先が多い企業ほど、削減効果は大きくなるでしょう。
3)テレワーク対応とセキュリティ強化
電子請求書システムはデータを管理するため、社外からでもアクセスが可能です。リモート環境でも請求処理を滞りなく行えるほか、アクセス権限の設定や改ざん防止機能により、紙よりも高いセキュリティ水準が保てます。
4.請求書を電子化するデメリットと対策ポイント
請求書の電子化は多くの利点がある一方で、導入初期にはコストや運用面での課題も伴います。
1)導入コストと業務フローの見直しが必要
電子化には、システム導入費用や初期設定の負担が発生します。さらに、既存の業務フローを見直し、承認・保管ルールを再構築しなくてはなりません。ただし、導入後は人的作業の削減により長期的なコスト削減が見込めるため、投資対効果を見据えた計画が重要です。
2)取引先との同意と社内周知の徹底
電子請求書を円滑に運用するには、取引先との同意が欠かせません。受領方法の変更に戸惑う取引先もあるため、事前の説明やテスト送信を行いましょう。また、社内でも担当者間で新ルールを共有し、マニュアル化して定着させることが求められます。
3)法対応とセキュリティ体制のチェック
電子帳簿保存法やインボイス制度に準拠するためには、保存要件やデータ改ざん防止などの対応が不可欠です。加えて、アクセス権限や通信暗号化などのセキュリティ体制を整備し、情報漏えいリスクを防ぐ必要があります。そのため、信頼できるベンダー選定が重要です。
5.おもな電子化手段
請求書の電子化には、メール送付からクラウド共有、専用システム導入まで、複数の方法があります。
1)PDFをメールで送付
手軽なのが、請求書をPDF化してメール添付で送る方法です。印刷や郵送が不要で、すぐに電子化を始められます。ただし、受領側の保存方法が統一されにくく、誤送信リスクや改ざん防止機能の不足といった課題もあるため、慎重な運用が求められます。
2)電子請求書システムで共有
専用webシステム上で請求書データを共有すれば、発行・受領双方でリアルタイムに確認できます。取引履歴の一元管理やアクセス制限が可能で、テレワーク環境にも適しています。バックアップ機能によりデータ紛失のリスクを軽減できますが、システム導入と運用ルールの整備が前提です。
6.電子請求書システム導入の流れ
電子請求書システムを導入する際は、「準備」「選定」「運用」の3段階で計画的に進めることがポイントです。
1)導入準備:現行フローと課題を整理
まずは現状の請求書発行・受領フローを可視化し、時間がかかっている作業やミスの発生箇所を整理します。現行課題を洗い出すことで、電子化によって解決すべき内容を具体化できます。また、関係部署へヒアリングし、導入後の運用体制を検討することが大切です。
2)選定:必要機能・費用・連携性を比較
次に、複数の電子請求書システムを比較・検討します。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応状況、会計ソフトや販売管理システムとの連携可否、運用コストを総合的に確認してください。自社の業務規模やセキュリティ要件に合うサービスを選ぶことが、長期的な安定運用につながります。
3)運用:発行・受領・保存のルールを確立
電子請求書の導入後は、システムの運用ルールを明確化し、社内に定着させることが重要です。請求書の発行・承認・保存の担当範囲や手順を文書化し、社内研修やマニュアルを整備する必要があります。取引先への周知を並行して行うことで、スムーズな運用が可能です。
7.他システムと請求書との連携
請求書の電子化を効率的に運用するには、会計ソフトや販売管理システムなど、他の基幹業務システムとの連携が不可欠です。
1)会計ソフトとの自動連携
電子請求書システムと会計ソフトを連携させることで、仕訳データを自動で取り込めるため、経理処理の手間を大幅に削減可能です。金額や取引先情報を手入力する必要がなくなり、入力ミス防止にも役立ちます。
2)販売管理システム・経理業務との統合
販売管理システムや購買管理、経費精算などと連携することで、請求データの二重入力を防ぎ、取引全体の精度と透明性を高められます。発行・入金・消込までを一元管理できるため、経理業務全体の自動化が進みます。部門間の情報共有が容易になり、経営管理の効率化にも寄与します。
8.電子帳簿保存法への対応
電子請求書を正しく運用するためには、電子帳簿保存法の要件を理解し、法令に沿った保存・管理体制を構築することが欠かせません。
1)制度の基本と対象区分
電子帳簿保存法は、紙で保存していた帳簿書類を電子データで保存できるようにした法律です。対象は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3区分で、請求書はおもに電子取引データに該当します。
2)保存・検索・改ざん防止の要件
電子取引データを保存する際に、真実性と可視性の確保が求められます。具体的には、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の管理、検索機能の確保などが必要です。これらを満たすことで、税務署からのデータ提示要求にも迅速に対応できる体制を整えられます。
3)実務でのデータ管理と税務調査対応
実務では、取引年月日や取引先名で検索できるようデータを整理し、保存期間(原則7年)を守ることが重要です。税務調査では電子データでの提示が求められるため、保存場所・アクセス権限・改ざん防止策を明確化しておく必要があります。
9.電子請求書システムの選び方
自社に最適な電子請求書システムを導入するためには、法令対応・コスト・セキュリティの3点を軸に比較検討することが重要です。
1)法令対応と機能のチェックポイント
電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているかが重要なポイントです。タイムスタンプ付与や訂正履歴の保持、適格請求書発行機能など、法令要件を満たす機能を備えているかを確認してください。加えて、発行・受領・承認・保存を一元管理できるかどうかも、実務効率を左右します。
2)費用とサポート体制の比較
システム導入時には、初期費用だけでなく月額利用料や取引件数に応じた従量課金といった総コストを把握することが大切です。また、運用開始後のサポート体制も確認しましょう。導入支援や法改正時のアップデート対応が整っているベンダーであれば、安心して長期的に利用できます。
3)セキュリティと使いやすさを確認
電子請求書システムは企業の機密情報を扱うため、通信の暗号化やアクセス権限管理などのセキュリティ機能が欠かせません。同時に、ユーザーインターフェースのわかりやすさや操作の簡便さも重要です。担当者が直感的に操作できる設計であれば、導入教育の負担が少なく、定着がスムーズに進みます。
10.まとめ

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請求書の電子化は、単なるペーパーレス化ではなく、業務効率化・法令対応・コスト削減を同時に実現できる経営改革の一歩です。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応はもちろん、会計・販売管理システムとの連携により、経理業務全体のデジタル化が進みます。
内田洋行は、50年以上にわたり中堅・中小企業の業務DXを支援してきたICTのプロフェッショナルです。豊富な導入事例を基に、貴社の業務に最適な電子請求書システムの選定から運用までをワンストップでサポートします。
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