
会計管理システムを導入するメリットや会計管理システムの選び方についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1.販売管理と会計管理の関係性
販売管理と会計管理は共通する部分が多く、混同されやすい関係性です。それぞれの内容と役割を把握すると、業務が進めやすくなります。また、それぞれの特徴を知れば、販売管理と会計管理のシステムを連携させて業務効率化を図ることも可能です。
2.販売管理とは?
販売管理と会計管理の関係性について、まずは販売管理の役割や業務の流れについて解説します。
販売管理の役割
販売管理とは、商品・サービスの販売プロセスを効率的に行うことを指します。受注管理や出荷管理など、物とお金の流れを記録し、納品漏れを防いで商品ごとの売上を把握します。適切に管理できれば、コスト削減や売上の最大化を目指し、企業の収益性を高めることも可能です。
販売管理の流れ
一般的な販売管理業務の流れは、以下のとおりです。
- 受注管理:見積書作成・契約締結・発注業務
- 出荷管理:出荷・納品業務
- 請求管理:請求書発行・代金回収
- 仕入・在庫管理:商品発注・在庫管理

3.会計管理の役割
会計管理とは、財務状況の記録や決算を行う役割があり、収益や支出の記録、財務報告なども含みます。財務の透明性を保つことで戦略的な計画を立てられるだけでなく、リスク管理にもなります。
4.会計管理の種類
会計管理は、財務会計と管理会計の2種類に分けられます。それぞれの特徴について解説します。
1)財務会計
財務管理とは、社外の利害関係者向けに行う会計管理です。法律で義務付けられており、法人税の計算や決算書の開示を行います。一般的に会計管理といえば、財務会計を指すことが多いようです。貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成し、外部の利害関係者である税務署、銀行、株主、債権者などに公表します。
2)管理会計
事業計画書、中期経営計画資料、取締役会資料などを作成する会計管理です。任意で行うものであるため、実施していない企業も多いでしょう。しかし、日々の運営やトラブル発生時に解決策を打ち出すために役立つもので、企業の成長には欠かせません。
5.会計管理システムを導入する目的
会計業務は計算する機会が多く、正確性が求められる業務です。会計管理システムとは、会計業務を効率化するシステムであり、一般的に帳票作成、帳票連携などが行えます。
会計業務を手作業にて行うと、伝票を作成して帳簿に転記する際に、記載ミスや入力ミスなどが発生することがあります。会計管理システムを導入することによって、計算ミス、記載ミス、入力ミスなどの人的ミスを防ぐことが期待できます。
6.会計管理システムの種類
会計管理システムは大きく3つに分類できます。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
1)財務会計システム
財務会計システムには、伝票入力や帳簿の作成、決算書の作成などの機能があります。決算書作成に必要な会計処理を実施し、書面で提出できる状態にするのが主な役割です。
2)管理会計システム
管理会計システムは、自社の経営状況を適切に確認できるシステムです。原価管理や予実の管理に活用されます。データを収集し、収支の分析などをグラフ作成して、分かりやすく分析できるのが特徴です。
3)債務・支払管理システム
手形や買掛金などの債務を、取引先別に分けて支払いを管理するシステムです。取引先が増えると債務も複雑化します。支払いが遅延すると経理状況に影響を及ぼすため、債務・支払管理システムによって業務を効率化し、ミスを防ぎます。
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7.会計管理システムを導入するメリット
会計管理システムを導入すれば、以下のように企業に多くのメリットをもたらします。
業務の効率化
企業規模が大きいほど会計業務の負荷も大きくなるため、会計管理システムを活用することで業務の効率化が目指せます。銀行明細やクレジットカードなどのデータ、販売管理システムなど周辺システムのデータを取り込んで仕訳を作成できるものもあります。
ミスの削減
会計業務に関するミスの多くは、計算ミス、記載ミス、入力ミスなどの人的ミスです。会計管理システムは、先述したとおり、銀行明細などのデータや周辺システムのデータを取り込む機能があります。そのため、手間を省くだけではなく、計算ミスや入力ミスなどの間違いを防ぎます。
手作業で入力する場合でも、仕訳辞書、伝票コピー、明細コピーなどの入力を便利にする機能があれば、省力化が可能です。
財務状況の確認
会計管理システムを導入すれば、日々の会計処理業務を行うことで入力されたデータからレポートの作成が自動で行われ、財務諸表をチェックできます。そのため、月次決算や四半期決算にかかる、経理担当者の会計業務の負担を減らすことも可能です。
8.会計管理システムを導入するデメリット
会計管理システムを導入すればメリットが得られる一方で、デメリットもあります。デメリットを把握したうえで導入することが大切です。
コストの負担
会計管理システムを導入する際は、導入費用とランニングコストがかかります。インストール型はソフトの購入費用、クラウド型はソフトの利用料金が必要です。ただし、会計管理業務が効率化される費用対効果を考えると相殺できることもあります。
セキュリティリスク
近年は、クラウド型の会計管理システムが主流です。しかし、クラウド型は外部サーバーにデータが格納されるため、セキュリティリスクがあります。セキュリティが充実した会計管理システムもあるため、クラウド型を選ぶ際はセキュリティに関する十分な確認が必要です。
販売管理システムとの統合
販売管理システムをすでに利用している場合は、会計管理システムと連携させることでより業務を効率化できます。ただし、会計管理システムによっては、カスタマイズ性が低く、既存のシステムと統合できない場合もあります。
9.会計管理システムの選び方
会計管理システムは多くの種類があります。選び方のポイントを押さえて適切なシステムを導入しましょう。
機能が自社の目的に合っているか
会計管理システムは種類が多く、得られる効果も異なります。まずは、自社がどのような目的で導入するかを明確にしておくことが大切です。既存システムと連携できるか、わかりやすいレポートを作成できるか、クラウド型かパッケージ型かなど、自社の目的にマッチしているものを選びましょう。
コストパフォーマンスは良いか
会計管理システムを導入することにより、どのような費用対効果が得られるのかを事前に把握しておくことが大切です。機能が豊富な会計管理システムを導入すれば、便利になる一方で、使いこなせないケースもあります。会計管理システムには、小規模法人向けや大企業向けのものなどがあるため、自社の規模に合ったものを選ぶことが重要です。
法改正に対応しやすいか
会計業務は、会計法や財政法を遵守しなければなりません。法改正は数年単位で行われることが多いため、システムアップデートの対応可否は重要です。アップデートの際に費用が発生するか、自動でアップデートが行われるかなどもチェックしておきましょう。
充実した運用サポートはあるか
問題が発生した際に、どのようなサポートが受けられるかを事前に確認しておくことも重要です。対応の迅速さだけではなく、訪問説明をしてくれるか、メールや電話に対応してくれるかなども確認しておきましょう。
10.販売管理と会計管理を連携させるメリット
会計システムは販売管理システムと連携できます。連携させた場合のメリットは、以下のとおりです。
業務時間の短縮
販売管理システムと会計管理システムを連携させれば、売上データが会計システムに転送されます。データ入力の手間が大幅に削減され、入力ミスも防げます。また、同じ情報を何度も入力する手間がなくなるため、業務が効率化して業務時間の短縮を目指せるでしょう。
ヒューマンエラーの削減
販売管理システムと会計管理システムが連携することにより、手動でのデータ入力や転記作業が減るため、誤入力や情報の不一致が起こりにくくなります。受注や売上のデータがそのまま移行するため、部署間のデータ移行や共有の際にもヒューマンエラーが起こりにくくなるでしょう。
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11.まとめ
会計管理と販売管理の特徴や、会計管理を効率的に行える会計管理システムについて解説しました。会計管理システムの選び方や販売管理システムと連携させるメリットをふまえ、自社のニーズに合ったシステムを導入しましょう。
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