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【食品ITフェア2026 オンライン】 発注業務の効率化と物流変革対応への挑戦

2026/7/16 [食品,物流,セミナーレポート]

発注業務における人手での作業、属人化及びそれに伴う業務判断の個人依存等の課題を改善、また、市場動向の変化による商品出荷場所の比率の変動に対する発注時点からの“物流対応”への挑戦について、解決手法と事例をご紹介いたします。

株式会社フェアウェイソリューションズ
ソリューション事業部 スマート導入推進部 部長
松浦 佳邦 氏

株式会社フェアウェイソリューションズの松浦です。
本日は、「発注業務の効率化と物流変革対応への挑戦」というテーマで、当社の需給管理システム「φPilot」を実際に導入いただいた企業様の事例をもとに、現場で何が起き、どのように変わったのかを、できるだけ具体的にお伝えしたいと思います。

事例企業様のご紹介

株式会社京果食品様

今回ご紹介する株式会社京果食品様は、冷凍野菜・冷凍果実などを取り扱う食品販売の企業様です。海外からの輸入も多く、品質へのこだわりが強い一方で、需給管理や物流の難易度が高いという特徴をお持ちでした。こうした企業様にとって、「必要なものを、必要な量だけ、適切なタイミングで仕入れる」というのは簡単な話ではありません。

導入前の課題

まず、京果食品様の導入前の課題を整理します。

導入前の課題

これは多くの企業様にも共通する部分ですが、まず発注業務そのものが非常に手間のかかるものでした。表の作成、データの転記、計画の修正、データ更新――こうした作業が積み重なり、効率的とは言えない状態だったのです。

さらに問題だったのは、これらの業務が Excel ベースで運用されていた点です。Excel 自体は便利なツールですが、担当者ごとに工夫が積み重なり、結果として「その人にしか分からない仕組み」になってしまう。つまり、業務が属人化していたわけです。慣れた人でないと回せない、引き継ぎにも時間がかかる――これは大きなリスクでした。

加えて、物流環境の変化も無視できません。従来のように「一つの倉庫から全国へ配送する」というモデルでは、時間もコストもかかるようになってきました。人手不足や物流制約の影響もあり、従来のやり方では対応しきれない状況にあったのです。

スマート導入とは

これらの課題をどう解決していったのか、その話に入る前に、我々の提案した「スマート導入」という考え方について説明します。
当社の需給管理システム「φPilot」の最大の特徴は、「早い」「安い」、その上で、投資に対して「効果が実感できる」という点です。

スマート導入とは

具体的に説明しましょう。

まず、なぜ「早い」「安い」なのか。当社が提案するスマート導入は、最初から大規模なカスタマイズを行うのではなく、まずは標準機能をベースに運用を設計する。そして、実際に使いながら必要な部分だけ後から手を入れていく。この順番が非常に重要です。

本当に早く導入ができたのか?

実際の導入では、業務運用の設計に約2か月、操作の習熟にも約2か月と、比較的短期間で立ち上げることができました。

ただし、すべてが順調だったわけではありません。特に他のシステムとのデータ連携、それに先立つデータ精度の検証には時間がかかりました。この点については、京果食品様にもかなりご協力をいただきましたが、それでも「動く状態」を早く作れたことは大きな意味がありました。

本当にコストを抑えられるのか

ここからは、「早い」「安い」「効果実感」について深掘りしていきます。

まず、スマート導入の特徴は、コストを抑えやすい点にあります。理由はシンプルで、「工期が短い」こと、そして「カスタマイズを最小限に抑えられる」ことです。

従来のように最初からすべてを作り込もうとすると、どうしても時間も費用も膨らみます。一方で、標準機能でまず回してみると、「本当に必要なカスタマイズ」が見えてくる。結果として、無駄な開発を避けることができるのです。

以下の表を見てください。最初からカスタマイズ前提で要件定義する場合と、スマート導入の運用設計にかかるスケジュールを比較しています。

コストを抑えられるのか?

運用設計〜導入準備〜運用検証〜本稼働までの期間が、スマート導入の場合は半分以下に短縮されています。

ここで大切なのは発想の転換です。「システムを業務に合わせる」のではなく、「業務を標準機能に寄せる」。仮にカスタマイズが必要であっても、使ってみて「後からカスタマイズ」をするほうが、カスタマイズを必要最小限に抑えられます。この視点に立つことで、導入のハードルは大きく下がります。

コストを抑えられるのか? 検証のポイント

スマート導入の効果

1)作業効率が大幅に向上

実際に導入したことで何が変わったのか。まず一つ目は、作業の効率化です。
Excel運用では、データの収集や転記、計算、修正に多くの時間がかかっていました。また、人によって計算方法が異なるため、結果にばらつきが出ることもありました。

φPilotでは、これらの処理が自動化されます。データは自動で集まり、設定されたロジックに基づいて計算が行われる。その結果、作業時間が大幅に削減されるだけでなく、ミスも減少します。

2)未来の在庫が見える

さらに大きなポイントは、「未来の在庫」が見えるようになったことです。
従来は、今の在庫は分かっても、将来どうなるかはわかりにくかったのです。しかし、φPilotではアラート機能により、過剰・不足・出荷期限などを事前に把握できます。つまり、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きる前に対応する」ことが可能になったのです。

以下のように、画面を開くとすぐに、在庫の過剰・不足がわかります。特に、食品や医薬品、化粧品などは消費期限も加味してアラートが出るように設定できます。

作業の変化

3)属人化の排除と標準化

Excel 運用では、担当者の経験や勘に依存する部分が大きく、発注判断も個人に委ねられていました。そのため、引き継ぎには時間がかかり、組織としての再現性が低かったのです。
これに対し、φPilotでは発注ロジックを明確に定義します。「在庫がこの水準を下回ったら、これだけ発注する」といったルールを設定し、それに基づいて自動的に計算してくれます。

ここで重要なのは、発注ロジックを定義する際に、「会社としての判断基準」を作ることです。個人の経験やスキルに頼るのではなく、組織として意思決定のルールを持つ。この変化は非常に大きいものです。
結果として、誰が担当しても同じ判断ができるようになり、引継ぎや教育コストも下がりました。

4)物流変革への対応

京果食品様は、海外から商品を輸入するビジネスモデルのため、発注から入荷までのリードタイムが長く、「思った通りにすぐ補充する」ということができません。さらに近年は、トラックドライバー不足や配送制約の影響もあり、「一つの倉庫から全国へ一括配送する」という従来のやり方では、時間もコストも見合わなくなってきていました。

こうした状況の中で重要になるのが、「どこに、どれだけ在庫を持つか」という視点です。たとえば、これまでは一か所にまとめていた在庫を、需要のあるエリアごとに分散させることで、配送距離を短縮し、リードタイムや物流コストを抑えることができます。しかし、そのためには、単に倉庫を増やすだけでは不十分で、「各拠点に対して、いつ・どれだけ補充するか」を正確に計画する必要があります。
ここで発注業務が大きく関わってきます。

従来の Excel 運用では、拠点ごとの在庫状況や将来の需要を踏まえた発注判断を行うのは非常に難しく、どうしても、ある拠点では在庫が余り、別の拠点では不足するといった非効率が生まれてしまいます。

φPilotを導入することで、各拠点の在庫状況や需要予測をもとに、「どの拠点に、どのタイミングで、どれだけ補充するべきか」をシステムが可視化・計算できるようになります。これにより、発注の段階から物流を意識した意思決定が可能になります。

物流状況の変化に対応

ここで重要なのは、「発注と物流はつながっている」という視点です。
発注の仕方が変われば、在庫の持ち方が変わり、それが物流の最適化につながる。逆に言えば、発注だけを改善しても不十分で、全体を見なければ意味がありません。

φPilotでは、拠点ごとの在庫や需要を踏まえて発注計画を立てることができるため、物流全体の最適化にも寄与します。これは単なる業務効率化ではなく、経営レベルの改善につながるポイントです。

まとめ

最後に、この事例を通じてお伝えしたいのは、「システム導入は目的ではない」ということです。
大切なのは、業務をどう変えるか、そしてその結果としてどんな価値を生み出すかです。
スマート導入は、その第一歩を踏み出しやすくするための考え方です。最初から完璧を目指すのではなく、まずは動かしてみる。そして、効果を確認しながら改善していく。
このプロセスこそが、結果として最も効率的で、かつ効果の高い方法だと私たちは考えています。

本日は、発注業務の効率化と物流変革対応への挑戦というテーマでお話ししました。現場の課題はどの企業にもありますが、それをどう捉え、どう変えていくかで結果は大きく変わります。もし皆様の中にも同じようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談いただければと思います。ありがとうございました。

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