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1.バーコードによる在庫管理とは
バーコード在庫管理とは、商品や棚に貼り付けた識別コードをスキャナで読み取り、システム上でデータを処理する手法です。従来のアナログな管理とは異なり、入出荷や棚卸の情報を即座にデジタル化できる点が特徴です。情報の書き換えが不要な管理対象に対して、安価かつ迅速に導入できる仕組みとして広く普及しています。
1)バーコードの種類
バーコードには、「1次元コード」と「2次元コード」があります。1次元コードは垂直な線が並ぶ一般的な形式であり、おもに商品識別コードの保持に用いられます。一方、QRコードに代表される2次元コードは、水平・垂直の両方向に情報を記録できるため、1次元コードよりも多くのデータを保持可能です。また、2027年末までに小売店での決済(POS)におけるバーコードから2次元コード(GS1 Digital Linkなど)への移行を目指す世界的なプロジェクト「Sunrise 2027」が進んでおり、活用の幅はさらに広がっています。
2)おもなバーコード規格
物流や小売の現場で利用される規格には、JANコードやITFコード、CODE128などがあります。JANコードは一般消費財の識別に使われ、ITFコードは段ボールなどの外装箱に印刷されるのが通例です。CODE128は英数字や記号を扱えるため、製造番号や有効期限などの情報管理に適しています。例えば、電子部品などのラベルの貼り付け面積が限定されるものに活用されます。
2.バーコードで在庫管理を行うメリット
バーコードを活用した在庫管理には、作業のスピードアップや品質向上など、現場運営を根本から改善する利点が多くあります。
1)入出荷時の作業を効率化できる
バーコード管理を導入すると、入出荷時の検品作業が大幅にスピードアップします。従来のように伝票と現物を見比べながら手書きで記録する必要がなく、スキャナで読み取るだけでデータが即座に反映されるためです。作業時間が短縮されることで、限られた人員でも大量の荷動きにスムーズに対応できるようになります。
2)ヒューマンエラーを削減できる
手入力や目視による管理では、品番の見間違いや数量の書き損じといったミスを完全に防ぐことは困難です。バーコード管理であれば、システムが自動で照合を行うため、誤った商品を出荷しようとした際にアラートを出すことができます。チェック機能により、在庫データの正確性が向上します。
3)リアルタイムで在庫状況を把握できる
スキャンしたデータは即座に在庫管理システムへ送信されるため、常に最新の在庫数を可視化できます。事務所と現場の情報のタイムラグがなくなり、「現場に行かなければ正確な数がわからない」という状況を解消可能です。適切なタイミングで発注判断が行えるようになり、過剰在庫や欠品の防止に大きく寄与します。
3.バーコードで在庫管理を行うデメリット
導入によって得られる恩恵は大きい一方、運用を開始するまでには特有の課題や注意すべき点も存在します。
1)導入時にコストや手間がかかる
バーコード管理を始める際は、専用の読み取り端末であるハンディターミナルや、ラベルプリンターなどの機器購入費用が発生します。また、既存の在庫品全てにラベルを貼り付ける作業も必要であり、初期段階では相応のリソースを割かなければなりません。システム導入費と作業工数の双方を見積もっておくことが重要です。
2)バーコードを正確に読み取れない場合がある
運用中、ラベルの表面に汚れや傷がついたり、印字がかすれたりすると、スキャナが反応しなくなる場合があります。特に、湿気や油分が多い過酷な現場環境や冷凍倉庫では、ラベルの耐久性が問題になりがちです。読み取りエラーが頻発すると作業が停滞するため、環境に適したラベル用紙の選定や、予備ラベルの用意といった対策が求められます。
3)作業の標準化に時間がかかる
システム導入後は、現場スタッフ全員が正しく操作できる状態にする必要があります。バーコードを読み取るタイミングや異常時の対処法など、細かな運用ルールの構築と周知には、一定の期間を要します。操作に慣れるまでは一時的に作業効率が低下する可能性がある点も、考慮しておくべき要素です。
4.バーコード在庫管理に必要な作業
システムを円滑に稼働させるためには、物理的な準備とデジタル環境の整備を同時並行で進める必要があります。
1)バーコードの作成・印刷・貼り付け
まずは、管理対象となる各商品にひもづく識別コードを発行します。自社製品であれば専用のラベルソフトでバーコードを作成し、ラベルプリンターで印刷して現物に貼り付けます。仕入品に元からバーコードがある場合はそれを利用できますが、社内管理用のコードを別途付与する場合は、貼り付け位置のルール化も欠かせません。
2)在庫管理システムやExcelとの連携
読み取ったデータを有効活用するには、集計用のソフトウェアが必要です。在庫管理システムを導入すれば、スキャンと同時に在庫数が自動更新されます。小規模な運用であれば、バーコードの情報をExcelに直接入力できる設定にする方法もありますが、リアルタイム性やミス防止の観点からは専用システムとの連携が望ましいです。
5.バーコードとRFIDの在庫管理を比較
バーコードと並んで検討されることの多いRFIDですが、それぞれ特性が大きく異なるため、現場の状況に合わせて選択する必要があります。
1)作業効率
バーコードはスキャナを個々のラベルにかざして一点ずつ読み取る必要があります。対してRFIDは、電波を用いて複数のタグを一括でスキャンできるため、大量の在庫を瞬時に処理する場面ではRFIDが圧倒的に優位です。ただし、バーコードは目視確認とスキャンを同時に行えるため、丁寧な検品作業には向いています。
2)導入コスト
コスト面ではバーコードが有利です。バーコードラベルは安価な紙媒体で作成可能ですが、RFIDタグはICチップを内蔵するため単価が高く設定されています。また、RFIDを読み取るためのゲートや専用アンテナといった周辺機器の導入費用も、バーコード用のハンディターミナル一式に比べて高額になる傾向があります。
3)導入期間
バーコードは既存のパソコンや市販のプリンターを活用してスモールスタートが可能なため、比較的短期間で運用を開始できます。一方でRFIDは、電波の干渉調査やタグの貼り付け位置の調整、高額なシステム構築が必要となるため、導入決定から実稼働までに数か月以上の準備期間を要する場合が一般的です。
6.バーコード在庫管理の導入手順
導入を円滑に進めるには、現場の現状を正確に把握し、無理のないステップでデジタル化を進めることが重要です。
1)自社の課題・目的を明確にする
まずは「棚卸の時間を短縮したい」「誤出荷をゼロにしたい」など、導入によって解決したい課題を定義します。目的が曖昧なまま機器を導入しても、現場の負担が増えるだけで期待した効果が得られない恐れがあるためです。現状の作業フローを洗い出し、どの工程にバーコードを組み込むべきかを事前に整理します。
2)必要な機器・システムを選定する
目的に合わせ、ハンディターミナルの性能や在庫管理システムの機能を選定します。例えば、広大な倉庫であれば無線通信距離が長い端末が必要になり、複数の拠点を一括管理するならクラウド型システムが適しています。将来的な拡張性や、現在使用している在庫管理システムなどとのデータ連携が可能かも確認すべき項目です。
3)運用ルールを策定し現場に定着させる
システム導入後は、誰がどのタイミングでスキャンを行うかといった詳細なルールをマニュアル化します。操作ミスが発生した際のリカバリー方法も決めておき、現場スタッフへの説明会や、運用テスト期間などを設けて不安を解消することが大切です。一部の棚や商品から試験的に運用を開始し、徐々に範囲を広げると定着がスムーズになります。
7.バーコード在庫管理を行う際の注意点
導入効果を最大化するためには、システム上の数値と実在庫の乖離を防ぐための運用体制を整える必要があります。
1)バーコードの印字不良・読み取りエラーへの対策を行う
現場での読み取り不可を最小限にするため、ラベルの耐久性を考慮する必要があります。擦れに強い熱転写方式のプリンターを活用する、保護フィルムが貼られたラベルを使用するなどの工夫が必要です。万が一読み取れない場合に備え、手入力用の商品コードをラベルに併記するなどのバックアップ体制も構築しておきます。
2)定期的に改善を図る
導入後も、現場の声を踏まえて継続的にフローを見直すことが重要です。「特定の場所で電波が入りにくい」「ラベルの貼り付け位置が読み取りにくい」といった課題を解消し続けることで、より精度の高い管理が実現します。実在庫とデータが一致しているかを棚卸で確認し、運用の質を高めます。
8.スーパーカクテルの導入事例・活用事例
内田洋行の「スーパーカクテル」シリーズは、在庫管理においてバーコード管理ができるオプション機能を提供しており、バーコード管理と連携した豊富な実績を持ちます。例えば、食品製造業や卸売業において、ハンディターミナルを用いた入出荷検品により、ロット管理の厳格化と作業時間の短縮を同時に実現したケースがあります。現場の運用に合わせた柔軟なカスタマイズにより、物流品質の向上を支援します。
▼バーコード管理による物流品質の向上についてご紹介した導入事例
新宿と共に135年。新時代に向けた「店舗・工場・物流が連動する基幹システム刷新」への道のり(株式会社新宿高野 様)
食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」を導入し、ヒューマンエラー防止とトレーサビリティ管理を実現(マルトモ株式会社 様)
秤量・投入ミスを防止し、業務効率・欠品率を劇的に改善 スーパーカクテルと秤量機連携で実現した化粧品OEM企業の業務改革(株式会社コスメサイエンス 様)
9.まとめ
バーコード在庫管理は、作業の効率化やミスの削減、リアルタイムな在庫把握を実現するための有効な手段です。導入には機器の選定やルールの策定といった準備が必要ですが、自社の課題を明確にしたうえで段階的に進めることで、大きな投資対効果を期待できます。
RFIDとの違いや注意点を踏まえ、自社に最適なシステム構成を検討することが大切です。正確なデータ管理は、経営判断の迅速化や顧客満足度の向上にも直結します。まずは現状の課題を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
効率的な在庫管理を行いたいなら、内田洋行にご相談ください。内田洋行は、ICTのプロフェッショナル集団として、「真のDX」を提供し続けています。
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