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製造業でペーパーレス化が求められる理由とは?メリット・進め方・成功事例まで解説
製造業のペーパーレス化は、コスト削減や業務効率化につながる重要な取り組みです。
この記事では、導入によって得られるメリットや、現場の課題を乗り越えるための具体的な進め方を解説します。成功企業の事例も紹介するので、自社の生産性を高めるための第一歩としてぜひ参考にしてください。

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1.製造業でペーパーレス化が求められる理由と目的

製造業でペーパーレス化が求められる理由と目的は、おもに社内の業務改善と、対外的な企業価値向上の2つの側面に大別できます。以下で、詳しく解説します。

1)業務効率化につなげるため

紙媒体や手書きによる情報管理は、記載ミスや認識誤り、情報のヌケモレを招きやすいだけでなく、手書き作業やシステムへの転記・手入力といった多くの手間がかかります。また、検索や共有に時間がかかることで情報の陳腐化を招き、業務効率を妨げる要因となります。

ペーパーレス化により正確な情報を素早く共有・一元管理できれば、転記などの手入力業務も軽減され、作業時間の削減が可能です。集計や分析もスムーズになるため、業務の停滞がなくなり、確実な業務効率化につながるでしょう。

2)迅速な情報提供と生産性向上で企業価値を高める

製造業におけるペーパーレス化は、データ連携をスムーズにし、得意先などのステークホルダーに対して正確な情報を一早く提供できる社内体制の構築につながります。

また、デジタル化によって業務の生産性が向上すれば、従業員の業務負荷を軽減しつつ、顧客へのサービスレベルを高めることが可能です。こうした取り組みは、結果として紙の消費を抑えることになり、SDGsの観点からも評価される持続可能な経営基盤となります。

2.製造業がペーパーレス化で得られるメリット

製造業のペーパーレス化は、コスト削減や生産性向上をはじめ、製造現場に多くのメリットをもたらします。具体的な内容を解説します。

1)業務効率化で生産性を向上させる

紙の書類で発生していた作成・印刷・配布・回収や、雛形の改訂・周知にかかる手間、必要な情報を探すための時間が削減されます。
タブレットやパソコンなどを用いて現場で入力したデータをそのまま活用することで、転記作業などが不要になり業務スピードが向上します。効率化によってできた時間をコア業務に充てることで、組織全体の生産性向上につながるでしょう。

製造実績をシステムに自動反映(電子帳票システム「XC-Gate」)

2)印刷・保管のコストが削減できる

製造現場で日々発生する図面や作業指示書の印刷には、用紙やインクなどの消耗品費がかかります。

ペーパーレス化すればこれらの直接的な費用を削減できる上、膨大な書類を保管していたキャビネットや倉庫も必要ありません。空いたスペースを有効活用できるだけでなく、外部倉庫の賃料といった間接的なコストも削減できるのが利点です。

3)検査記録の電子化で管理者の負担が減る

紙の検査記録は、現場からの提出や内容の確認、システムへの転記やファイリングなど、管理者に多くの付帯業務を強いることになります。記録に不備があれば、担当者への確認や膨大な書類のなかから探し出す手間も発生していました。

検査記録を電子化すればこれらの作業負担が軽減され、管理者は本来の管理業務や改善活動に注力できるようになります。

検査状況のデータ管理・実績自動集計(電子帳票システム「XC-Gate」)

4)データ管理によるセキュリティ強化

紙媒体で起こりがちな紛失や汚損といった物理的なリスクは、電子化によって根本から解消できるでしょう。さらに、データごとに閲覧・編集の権限を設定することで、不正アクセスや意図しない情報漏えいを防げます。

5)人的ミスの防止で品質の安定化につながる

紙の図面や指示書では、古い情報の参照や類似品との取り違えといった人的ミスが起こりがちです。

ペーパーレス化でデータを一元管理すれば、誰もが最新版の正しい情報へアクセスできるようになります。これによりヒューマンエラーを防ぎ、作業の手戻りや不良品の発生を抑制し、製品品質の安定化に貢献します。

3.製造業のペーパーレス化の課題

製造業でペーパーレス化を進める上で、導入コストや現場に根付く文化など、乗り越えるべき課題があります。以下でおもな課題について解説します。

1)導入コストと移行の負担がかかる

製造業でペーパーレス化を進めるには、システム導入に伴う高額な初期投資が課題です。また、既存の業務フローの変更や従業員への操作研修など、移行に工数がかかる点も負担となります。万一のシステム障害に備えたバックアップ体制の構築も欠かせません。

2)現場の紙文化が根強い

製造業の現場では、設計図や作業指示書といった専門書類が紙で扱われ、口頭伝達を伴う業務が慣習化しています。長年この方法で業務が回っているため、従業員は現状に不便を感じにくく、デジタル化への必要性を認識しにくい傾向があります。この根強い紙文化が、ペーパーレス化への課題といえるでしょう。

4.製造業のペーパーレス化の進め方

製造業のペーパーレス化を成功させるためには、計画的なステップが重要です。ここでは、具体的な4つのステップでその進め方を解説します。

1)ペーパーレス化の目的を明確にする

まず、なぜペーパーレス化するのか目的を明確にしてください。単に紙を電子化するのではなく、コスト削減やセキュリティ強化、情報共有の迅速化など、自社の課題解決につながる具体的な狙いを定めることが重要です。目的が曖昧だと効果が限定的になるため、経営層が主導して全社的な目標を定めましょう。

2)小さな範囲からペーパーレス化を進める

目的が明確になったら、実践です。しかし、全社一斉の導入は現場の混乱を招き、かえって生産性を落とす危険があるため避けましょう。

まずは特定の部署や、日報・作業報告書といった一部の書類に絞って試験的に導入します。スモールスタートで課題を洗い出し、効果を確かめながら進めることが、全社的なペーパーレス化を成功させるポイントです。

3)従業員へのIT教育を行う

製造業のペーパーレス化を円滑に進めるには、従業員へのIT教育が不可欠です。紙の業務に慣れた従業員も安心して新しいツールを操作し、電子データを適切に扱えるよう、計画的な研修を実施してください。

全社的な基礎研修に加え、職位や業務内容に応じて研修レベルを調整すると、より効果的にITリテラシーの向上が図れます。

4)効果を検証して拡大する

導入後は、その効果を客観的に検証することが全社展開へのポイントです。承認日数の短縮率や印刷コストの削減額といった具体的な数値で、成果を「見える化」しましょう。このデータが社内での説得材料となり、他部署や工場全体へ適用範囲を拡大する後押しになります。

5.まとめ

製造業のペーパーレス化はコスト削減や生産性向上はもちろん、品質の安定化や企業価値向上にもつながる重要な経営課題です。導入には初期投資や現場の慣習といった壁もありますが、目的を明確にし、スモールスタートで計画的に進めることで乗り越えられます。その上で、自社の課題に合ったシステムを選び、着実に導入することが成功への近道です。

内田洋行は、50年以上にわたり中堅・中小企業の業務効率化を支援してきたICTのプロフェッショナル集団です。豊富な導入事例を基に、お客様の課題に合わせた「真のDX」を支援します。生産管理の課題解決やERP導入を検討する際は、お気軽にご相談ください。

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著者清水 孝衣
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部
著者清水 孝衣
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部

入社後、全国の販売パートナーを通じスーパーカクテルの拡販に従事。さまざまな業種のお客様の業務改善提案に携わる。2020年より営業経験を活かしてデジタルマーケティングおよびインサイドセールス業務に取り組んでいる。
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