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生産管理・販売管理とは?工程や目的についてわかりやすく解説
自社の生産管理・販売管理の方法を見直して、業務効率を上げたいと考えている人もいるでしょう。本記事では、生産管理・販売管理の工程や目的について解説しています。生産管理システム・販売管理システムの導入がおすすめな理由も解説するため、参考にしてください。

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1.販売管理とは?

販売管理とは、商品やサービスの販売に関するプロセスを管理し、管理業務の効率化や利益アップを目的とする仕組みです。具体的には、受注や出荷、請求といった販売の一連の流れを管理し、売上や利益を正確に把握できるようにします。なお、製品だけではなく、「サービス」といった無形商材も、販売管理の対象です。

営業管理との違い

販売管理と似た言葉に、営業管理と売上管理があります。

営業管理は、おもに「顧客との関係や営業活動そのものの管理」に重点を置く点が特徴です。営業における各プロセスを目標管理や顧客管理、活動管理などに細分化し、営業の最大効率化を目指します。受注に繋がる前の営業の活動や顧客との接点情報、受注しなかった案件情報の管理も行います。

2.販売管理の工程

ここでは、販売管理の工程について解説します。

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1)受注管理

受注管理は、顧客からの受注を受けるまでのプロセスを管理することです。受注管理のプロセスは、大きく分けて「見積」「契約締結」「受注」の3段階で構成されます。

まず、顧客の要望に応じて見積書を作成し、価格や納期などの条件を提示します。その後、条件に合意が得られた時点で契約を締結する流れが一般的なフローです。そして、受注をした後に、生産(購買)・出荷などの後工程へとつなげます。

2)出荷管理

出荷管理は、受注情報に基づいて製品を正確かつ期日通りに出荷するための工程です。倉庫からのピッキング、梱包、配送手配などの作業を含み、誤出荷や遅延が発生しないように管理します。

出荷管理では、顧客との契約を遵守するように管理する必要があります。例えば賞味期限等の日付を常に前回より新しいものを出荷する、1度の出荷に複数の日付を混ぜない、決まった配送業者を使うなど、顧客ごとの条件を考慮して出荷を行います。

また、出荷をした後は、顧客に対して間違いなく製品が納品されているかも確認します。後からすぐ確認できるように、詳細な履歴・証跡を残すことも重要です。

3)請求管理

請求管理は、出荷後に顧客へ正確な請求書を発行し、入金状況を管理する工程です。取引内容や契約条件に応じて請求金額を算出し、請求書を発行・送付します。未入金や入金遅延が発生した場合は、迅速にフォローを行い、キャッシュフローの安定化を図ります。

入金時には、入金額が請求額と相違ないかもチェックしなければなりません。

4)在庫管理

在庫管理は、販売活動を円滑に進めるために、製品や原材料の在庫量を適正に保つ工程です。具体的には、受払い管理や実施棚卸、倉庫間の調整、購買依頼などの業務があります。

受払いでは、入庫や出庫のたびに詳細を記録し、常に最新の在庫状況を把握できるようにします。

実施棚卸は、帳簿上の在庫と実際の在庫を照合し、差異があれば原因を特定して正確なデータに修正する業務です。そして、在庫が不足した際には購買依頼を行い、適切なタイミングで補充します。

3.生産管理とは?

生産管理とは、製品を効率的かつ計画通りに作るために、生産プロセスを管理する仕組みのことです。生産計画の立案から資材の調達、製造工程の進捗、品質の確認、出荷までの全てのプロセスを対象とします。

限られたリソースのなかで、品質・コスト・納期を最適化することが生産管理の目的です。生産管理が適正に行われなければ、製品の品質を十分に保てません。

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4.生産管理の工程

ここでは、生産管理の工程について解説します。

1)生産計画

生産計画は、営業の販売計画や受注状況に基づいて、何を・いつ・どれだけ生産するかを決定する工程です。資材や人員、設備の稼働状況を考慮しながら、過不足のない生産を実現することを目指して計画を立てます。まずは月単位で計画を立て、日別に細分化して実際の現場への指示を作成します。

納期遅延や過剰在庫を防ぐため、需要変動があっても柔軟に対応できる仕組みづくりが求められます。

2)在庫管理

在庫管理は、製品そのものだけでなく、原材料、資材、部品の在庫を適正な数量に保つための工程です。過剰在庫はコストを圧迫し、在庫不足は生産や販売の機会損失を招くため、バランスの維持が重要です。生産に必要な原材料、資材、部品の購買依頼は、受注状況や生産予定を加味して未来の在庫数を計算し、適切なタイミング・数量で行う必要があります

各工程で予定と進捗を見える化して情報を一元化し、入念にチェックしなければ、在庫量の最適化を図れません。

3)製造指示

製造指示では、実際の生産現場で製品を作る工程を計画通りに進めるための詳細な指示を指します。作業手順や設備の稼働状況、従業員の配置などを管理した上で適切な指示を出すことで、生産効率と品質を両立させます。

4)工程管理

工程管理では、各製造プロセスの進捗を監視し、計画とのズレを早期に発見・修正します。各作業の所要時間や稼働率、エラー(不良・歩留まり)率を分析し、問題を検知した際には要因を特定して改善を図ります。要因を早期に発見することで、スムーズな対応が可能となり、スケジュールの遅延を防げます。

5)品質管理

品質管理は、製品が定められた基準を満たしているかを確認し、顧客満足度を維持するための工程です。検査や試験を通じて不良品の発生を防ぎ、原因分析と改善を繰り返すことで品質を一定に保ちます。また、顧客からの意見やクレームに対応し、その内容を適切に反映させる取り組みも品質管理の一環です。

5.販売管理の目的

1)顧客満足度向上のため

販売管理によって顧客との契約条件を守った取引を行うことで、出荷や請求時のトラブルを防ぎ、顧客満足度を高めます。適切な販売管理は、リピート率の向上につながります。また、在庫や納期を正確に把握できれば、顧客の問合せにも迅速に応じることができ、商品が欠品したり納期が遅れたりするリスクを防ぐことができます。

2)利益率向上のため

販売管理の目的の一つは、企業の利益を最大化することです。例えば、商品別や顧客別、チャネル別に売上高と利益を可視化して改善点を導くことができます。また、適切な在庫を保つことで欠品による機会損失やコストの高い緊急手配、過剰在庫によるロスを防ぎます。

6.生産管理の目的

ここでは、生産管理の目的について、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)の3点から解説します。

1)品質を高めるため

生産管理の目的は、製品の品質を一定以上に保ち、高めることです。品質が安定していなければ、顧客からの信頼を失い、クレームや返品対応の件数が増加します。

そのため、生産工程では品質基準を明確に定め、管理を徹底しなければなりません。後述するコストや納期と比較しても、最優先で考えるべき事柄です。

2)コストを下げるため

無駄をなくしてコストを最小限に抑えることも、生産管理の重要な目的です。現場では、原材料費・人件費・設備費などさまざまなコストが発生します。これらを適切に管理することで、利益率を高められます。

しかし、生産コストを下げすぎると品質の維持が困難になるため、コストと品質の適正なバランスを維持するという観点が重要です。

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3)納期を守るため

納期の遵守は、顧客からの信頼に直結します。提供する製品がどれほど高品質でも、納期が遅延すれば取引先や顧客からの信用を失ってしまうでしょう。

そのため、生産管理では、工程ごとの進捗を把握し、予定通りの納期を守り、トラブルの発生時に迅速に対応できる仕組みを整えることが求められます。

7.業務効率化を図るなら生産管理システム・販売管理システムの導入がおすすめ

企業の成長には、限られた人員や時間で最大の成果を上げる業務効率化が欠かせません。そして、業務効率化の有効な手段として注目されているのが、生産管理システムや販売管理システムの導入です。

生産管理システムでは、原材料の仕入れから製造、出荷までの流れを一元的に管理できます。生産計画の精度が高まり、過剰在庫や納期遅延といったトラブルの防止につながるでしょう。

また、販売管理システムを導入すれば、受注から請求・入金までのプロセスを自動化し、販売データを効率的に分析できます。

更に、生産管理・販売管理が一体となったシステムであれば、製品や原料の在庫情報を統合して管理できる、過去の販売実績を活用して生産計画を立てることができるなど、統合管理による業務効率化のメリットを享受できます

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販売管理システム・生産管理システムの導入事例

販売管理、生産管理、在庫管理のシステムを統合することで効果を上げた企業様の実例として株式会社新宿高野様の事例をご紹介します。

株式会社 新宿高野 様 / 株式会社タカノフルーツパーラー

株式会社新宿高野様は、新宿駅東口に本店を構える高級フルーツの専門店。高級フルーツ・ギフトの販売、オリジナル食品の製造・販売、およびフルーツパーラー・フルーツバーなどの経営を行っています。2018年に、店舗と工場、物流センターすべてに「スーパーカクテル」を導入いただきました。システム統合により、販売状況を加味した生産調整による利益向上、トレーサビリティ強化などの効果を実感いただいています。

▽株式会社 新宿高野 様 / 株式会社タカノフルーツパーラー 様の事例記事もご覧ください
新宿と共に135年。新時代に向けた「店舗・工場・物流が連動する基幹システム刷新」への道のり

8.まとめ

生産管理や販売管理は、企業の利益を支える重要な業務です。自社の業務フローを見直し、システムの活用も検討しながら、生産と販売のバランスを維持できる仕組みを整えましょう。

生産管理や販売管理を効率的に行いたいなら、ぜひ内田洋行にご相談ください。内田洋行は、純国産初のオフィスコンピュータ(USAC)発売以来、これまで50年以上にわたりICTを通じ、中堅・中小企業の業務効率化を支援してまいりました。ICTのプロフェッショナル集団として「真のDX」を提供可能なため、ぜひお問い合わせください。

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著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部
著者石井 陽子
株式会社内田洋行 情報ソリューション事業部

入社後、全国の販売パートナーを通じスーパーカクテルの拡販に従事。さまざまな業種のお客様の業務改善提案に携わる。2020年より営業経験を活かしてデジタルマーケティングおよびインサイドセールス業務に取り組んでいる。

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