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【介護・福祉向け お役立ちコラム】 施設ケアプランの作成方法!文例やポイントを紹介

2025/4/3 [福祉,コラム]

「どうやって施設ケアプランを作ればいいの?具体的な作成手順や文例が知りたい!」施設に勤務するケアマネージャーの皆さん、こんな悩みを抱えたことはありませんか?ケアプラン作成は利用者さんの生活に大きな影響を与える重要な役割を担っています。
この記事では、施設ケア計画の基本から具体的な文例、さらには作成時の重要なポイントまで詳しく解説します。読者の皆様の実務に役立つ情報を網羅してお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

ケアプランとは?

ケアプランとは、介護サービスを効率的に提供し、利用者が安心して生活を送れるよう支援するための計画書です。

この計画書には、利用者の生活状況や希望に基づいて提供するサービス内容が具体的に記載されています。たとえば、食事や入浴の支援内容、デイサービスの利用スケジュールなどが含まれます。プランがあることで、施設職員が共通認識をもってサービスを提供しやすくなるのです。

ケアプランの種類

ケアプランには、利用者の生活環境やサービスの提供方法に応じて、いくつかの種類があります。ここでは主な3つのケアプランについて解説します。

1.施設サービス計画

施設サービス計画は、要介護1〜5の認定を受けた施設サービスの利用者を対象にしたケアプランです。

施設には、主に次の種類の施設が該当します。

サービスの種類 施設など
介護老人サービス ・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設
介護医療・療養サービス ・介護療養型医療施設
・介護医療院

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護3以上の方が入所できる施設です。そのほかの施設は要介護1以上で利用できます。

この計画には、入浴や食事、リハビリテーションなど、日常生活の支援内容が詳しく記載されます。施設職員が利用する日々の状況に応じて、最適なケアを提供するための指針となります。

2.居宅サービス計画

居宅サービス計画は、在宅で生活する高齢者を対象としたケア計画です。要介護1〜5の認定を受けた在宅サービスの利用者向けに作成されます。

サービスの種類 サービス内容など
訪問サービス ・訪問介護
・訪問入浴介護
・訪問リハビリテーション
・訪問看護
・居宅療養管理指導
通所サービス ・通所リハビリテーション
・デイサービス
短期入所サービス ・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護

この計画は、訪問介護やデイサービスなど、施設外のサービスを利用する際に必要な内容に対して作成されます。居宅サービス計画では、利用者が可能な限り自立した生活を送れるよう、家族やヘルパーとの連携が重視されます。

3.介護予防サービス計画

介護予防サービス計画は、介護が必要になるリスクを軽減するための計画です。要支援1〜2の認定を受けた介護予防サービスの利用者を対象に作成されます。

サービスの種類 サービス内容など
訪問サービス ・介護予防訪問看護
・介護予防訪問入浴介護
・介護予防訪問介護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導
通所サービス ・介護予防通所介護
・介護予防通所リハビリテーション
・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防認知症対応型生活介護
短期入所サービス ・介護予防短期入所生活介護
・介護予防短期入所療養介護
その他 ・介護予防特定施設入居者生活介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護など

この計画の目的は、利用者が健康な生活を維持し、要介護状態への進行を防ぐことです。
具体的な例として、地域の体操教室への参加スケジュールや栄養指導の内容が記載されます。これにより、利用者の健康管理を集中して取り組んでいきます。

施設のケアプランの作り方と文例

施設ケアプランを作成する際には、利用者の生活全体を把握し、最適な支援を提供するための詳細な計画を立てる必要があります。ここでは、施設ケアプランの作成手順について、以下の6つの項目に分けて解説します。

  • 基本情報・アセスメント
  • 施設サービス計画書(1)(2)
  • 週間サービス計画表
  • 日課計画表
  • サービス担当者会議の要点
  • 施設介護支援経過

文例も紹介するので、参考にしてみてください。

基本情報・アセスメント

基本情報とアセスメントはケアプラン作成の基盤となる部分です。利用者の年齢、性別、疾患、趣味などの基本情報に加えて、生活状況や本人・家族の希望を詳細に記録します。
上記のほかに記載する項目の例は以下のとおりです。

  • 病歴
  • 生活の自立度
  • 週間サービス計画表
  • 被保険者情報
  • 現在利用しているサービス

施設サービス計画書(1)(2)

計画書(1)では、利用者や家族の意向を確認・分析し、実施するケアの方向性を明確にします。次の3点について記載する必要があるでしょう。

  • 利用者および家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
  • 介護認定審査会の意見およびサービスの種類の指定
  • 総合的な援助の方針

たとえば、本人から「毎日散歩ができるような支援を希望する」など、具体的な要望があった場合、「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」欄にニーズを記録します。そして、総合的な援助の方針として、「散歩を続けられるよう、リハビリを提供いたします。また、痛みや体調についても適宜確認し、必要な支援を検討します。」などと記載します。

計画書(2)では、これらの目標を達成するために具体的なサービス内容をリスト化します。記載内容は次のとおりです。

  • 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
  • 長期目標
  • 短期目標
  • サービス内容

移動に関する記載例は以下のとおりです。

記載内容 記載例
生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 車いすが不慣れなため、転倒することなく安全に過ごしたい
長期目標 転倒なく安全に生活できる
短期目標 ・車いすとベッドの移乗を安全に行う
・下肢筋力を維持する
サービス内容 ・車いす移乗はスタッフが付きそう
・下肢筋力を維持するリハビリを行う

週間サービス計画表

週間サービス計画表では、利用者が1週間に接する支援や活動内容を時間帯ごとに記載します。介護保険外サービスや利用者家族からの支援、利用者本人の日常的な生活の様子も週間サービス計画表に記入しましょう。これにより、職員間での情報共有が生じ、サービスの質が向上します。

日課計画表

日課計画表は、利用者本人が施設内で過ごす1日のスケジュールを詳細に記載したものです。
具体的には、起床時間、食事時間、自由時間などを細かく記載します。この計画表は、利用者の生活リズムを整えるために役立ちます。

週間サービス計画表と日課計画表は、どちらかを作成すればよいので、利用者さんに合わせて選びましょう。

サービス担当者会議の要点

サービス担当者会議とは、ケアプラン確定のために情報共有や意向確認、課題解決を目的とした会議です。ケアマネージャーが主催し、サービス担当者や利用者、家族が参加します。

サービス担当者会議の要点には、この会議での検討内容や結論、課題などを記載します。会議に出席していなかった人にも伝わりやすいよう記載しましょう。

施設介護支援経過

施設介護支援経過では、家族との面談の様子やサービス提供者からの報告内容を経過として記載します。

来館記録「長男が来館され、ラウンジで過ごされる。一緒に和菓子を召し上がり、談笑。最近食欲がないようだったが、和やかに桜餅を完食。」

経過記録は施設の公的な記録になるため、客観的に記載するよう心がけましょう。

施設のケアプランを作成する際のポイント3つ

施設のケアプランを作成する際は、利用者が安心して生活できる環境を整えられるよう、ポイントを押さえて作成するのがおすすめです。
以下では、ケアプラン作成時に意識すべき3つのポイントを解説します。

1.その人らしい生活ができるよう計画を立てる

ケアプランは利用者の個性や生活習慣を最大限に尊重して作成することが求められます。たとえば、「毎朝コーヒーを飲むことが日課であり、これが生活の楽しみ」という人がいた場合、その習慣を施設のサービスに組み込む計画です。また、趣味や希望を反映した活動を取り入れることで、利用者生活の質(QOL)を向上させることができます。

具体的な方法として、アセスメント段階で利用者本人だけでなく、家族からも詳細な生活情報を聞き取り、計画に反映させるとよいでしょう。

2.施設の公的な記録になることに留意する

ケアプランは内部資料ではなく、施設運営の透明性を確保するための公的記録でもあります。

このため、計画書には具体的かつ正確な記載が必要です。たとえば、「週2回の入浴介助を行う」といった具体的な頻度や、「歩行補助は2名で実施」など、詳細なほうが確実です。

また、行政機関や家族からの確認を受ける可能性を考慮し、どの項目についても明確に分かりやすく記載しましょう。

3.支援システムを利用する

効率的かつ正確にケアプランを作成するためには、施設支援システムを活用することがおすすめです。介護支援ソフトを使えば、利用者ごとのアセスメント情報やサービス内容を簡単に管理でき、計画の見直しや更新もスムーズに行えます。

さらに、これらのシステムは職員間の情報共有を行う効果もあり、ケアの質を向上させることにつながるでしょう。

ケアプランを作成する際には、利用者に配慮した計画を立てること、記録としての透明性を高めること、そしてテクノロジーを活用して効率を上げることが大切です。

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