SmartOfficeNavigator 導入事例
三菱自動車工業株式会社 様

働きがいのある会社を目指し、新システムを開発日常業務における無駄を排除し、ホワイトカラーの生産性を高める
業種 | 自動車およびその部品の開発、生産、販売 |
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主な導入効果 | 働き方改革/生産性の向上/施設利用の効率化/社内コミュニケーションの円滑化 |
導入システム |
SmartOfficeNavigator(スマートオフィスナビゲーター) SmartRooms(スマートルームズ) |
2020年に設立50周年を迎えた三菱自動車工業株式会社様。エクリプスクロス、アウトランダーPHEV などのSUV、スタイリッシュなミラージュ、運転初心者や小柄な女性でも無理なく乗りこなせるek ワゴンなど、個性的な自動車を製造し続けています。
その同社は、R&D の中心拠点である岡崎地区内において、新オフィスビルを建設するプロジェクトを実施(2018年10月運用開始)。これを機にICT 技術で人と場所を繋ぐ新たなシステムとして、内田洋行と三菱自動車は協議し、その協創から生まれたものが「SmartOfficeNavigator」です。岡崎地区を起点に開発がなされた本システムは、2019年から同時進行で、東京本社にも導入されています。

課題&導入効果
- 課題
-
- どの会議室を選べばいいか、使用できるかわからない。
- 従来の会議室予約は会議室名称を選択し予約を行っていたが、空きがないと何度も会議室を選択し、空き状況を確認しなければならず、知らない会議室は、場所・収容人数・設備等が不透明で、適切な会議室を探すのに時間を要していた。(岡崎地区には400 近い会議室がある)また、とりあえず会議室をおさえておいて、使用しない空予約も課題だった。
- 導入効果
-
- 状況の見える化に成功!快適なオフィスへ
- 建屋全体を俯瞰した会議室マップ(場所の特定)と会議室の収容人数や設備などの条件検索機能で予約までにかかる時間を大幅に短縮。自分が予約している会議室が一目でわかりキャンセルも容易なことと、会議室の予約時間から10分が経過しても入室がないと自動解約する機能とで空予約は解消。
- 課題
-
- オフィスの中で誰がどこにいるのかわからない。
- 社員や部署が多く(岡崎地区では約1 万人が勤務)誰がどこにいるのか見える化できておらず、人を探すことに時間を費やしていた。これまでは座席表を紙で作成し、壁に貼ったりして対応していたが、座席表はその場に行かないと活用できないし、ペーパレス化、オフィス美化の方針ともずれていた。また座席表では、フリーアドレスには対応できない。
- 導入効果
-
- 状況の見える化に成功!快適なオフィスへ
- PC だけでなくスマホ、サイネージなどからも人(席)を探すことができるようになり、人探しの作業効率が上がると共にペーパレス化、オフィス美化も達成できた。また本社は、フリーアドレスなので、社員の居場所検索(ダイレクトコミュニケーションサポートツール)として貢献している。
導入の背景
R&D中心拠点に新オフィスビル
働き方改革の促進を目指す
――まずは、岡崎製作所の概要と特色、および新R&D オフィスビルの建設の狙いについてお聞かせください。

ファシリティマネジメント部
(岡崎管理)シニアスタッフ
開発マネジメント本部 開発管理部 兼務
加藤 和彦 様
三菱自動車工業の国内の主な拠点は東京、岡崎、京都、水島の4 カ所ありますが、その中でも岡崎は開発、デザイン、生産機能を集約した三菱自動車R&Dの中心拠点です。全体で約1 万人が働いており、そのうち開発部門のメンバーが3500 名を占めています。
新R&Dオフィスビルの建設は、人が増えてオフィスが手狭になったことと、建物の老朽化が進んだことが起点となりました。また、近くで仕事をしていながら連絡をメールで行なうなど、コミュニケーション上の課題もありました。そこで新ビル建設を機に課題の解消とともに、働き方改革を促進させ、働きがいのある会社になることを目指しました。
2014年10月に働き方改革「WAKU2 PJ(ワクワクプロジェクト)」をスタート。「ワクワク」は特にこだわったキーワードです。個人がパフォーマンスを最大化するためには、仕事を楽しむことが最も重要と考えており、16年4月に開発内設備推進グループが発足した際も、単に建物を建設・リノベするだけでなく、ワクワクするようなICT 技術で業務効率化を図ることにも取り組むこととしました。
余裕時間をより創造性の高い仕事に振り向けることが狙いです。その後、17年6月にビルが着工、18年4月にファシリティマネジメント部が発足しています。
新R&Dオフィスビルの建設は、人が増えてオフィスが手狭になったことと、建物の老朽化が進んだことが起点となりました。また、近くで仕事をしていながら連絡をメールで行なうなど、コミュニケーション上の課題もありました。そこで新ビル建設を機に課題の解消とともに、働き方改革を促進させ、働きがいのある会社になることを目指しました。
2014年10月に働き方改革「WAKU2 PJ(ワクワクプロジェクト)」をスタート。「ワクワク」は特にこだわったキーワードです。個人がパフォーマンスを最大化するためには、仕事を楽しむことが最も重要と考えており、16年4月に開発内設備推進グループが発足した際も、単に建物を建設・リノベするだけでなく、ワクワクするようなICT 技術で業務効率化を図ることにも取り組むこととしました。
余裕時間をより創造性の高い仕事に振り向けることが狙いです。その後、17年6月にビルが着工、18年4月にファシリティマネジメント部が発足しています。
加藤氏
変わる工場、変わらないオフィス
探すための時間の無駄を排除したい
――今回、「SmartOfficeNavigator」と「SmartRooms」を導入前は、どのような課題をもたれていたでしょうか。
例えば、会社支給のスマホはセキュリティ等の観点からほぼ電話とメールしか使えませんが、いろいろなアプリが自由に使える個人所有のスマホは、非常に便利です。以前は会社でなければ仕事ができませんでしたが、今では社外からのテレワークが可能な中、会社の方が不便!という逆転現象が起きているところもあります。
また、工場は最先端なIoT技術等を取り入れてドラスティックに変化し続けている事に対し、ホワイトカラーが働くオフィスは旧態依然のままで、ほぼ変化していません。そこで、今までにないオフィスへ変革して、働き方を変えていくべきと考えました。
ホワイトカラーの生産性は見えにくいものですが、日常業務の中には多くの無駄が存在しています。それが1人1日数分だとしても、人数分が年間で積み上がると億単位のコストになり、その解消ができるのであれば、システム投資の費用対効果は非常に大きなものになります。そこで、まずは付加価値を生まない「人、物、場所、情報などを探す時間」の無駄を排除するシステムを構築することにしました。
もう一つの課題は、われわれが実現したいこととITベンダーが提供する製品との間に乖離があることでした。市販製品はカスタマイズの自由度が低く、痒いところに手が届かない。仕様変更にもコストがかかり、要望を十分に反映できないことから、1からの開発を目指すことにしました。
また、工場は最先端なIoT技術等を取り入れてドラスティックに変化し続けている事に対し、ホワイトカラーが働くオフィスは旧態依然のままで、ほぼ変化していません。そこで、今までにないオフィスへ変革して、働き方を変えていくべきと考えました。
ホワイトカラーの生産性は見えにくいものですが、日常業務の中には多くの無駄が存在しています。それが1人1日数分だとしても、人数分が年間で積み上がると億単位のコストになり、その解消ができるのであれば、システム投資の費用対効果は非常に大きなものになります。そこで、まずは付加価値を生まない「人、物、場所、情報などを探す時間」の無駄を排除するシステムを構築することにしました。
もう一つの課題は、われわれが実現したいこととITベンダーが提供する製品との間に乖離があることでした。市販製品はカスタマイズの自由度が低く、痒いところに手が届かない。仕様変更にもコストがかかり、要望を十分に反映できないことから、1からの開発を目指すことにしました。
加藤氏
――プロジェクトのスケジュールについて教えてください。

ファシリティマネジメント部(岡崎管理)
甲能 渉 様
具体的に社内で検討を開始したのは17年4月で、6月に新ビルの工事がスタートしました。10月に複数のベンダーから提案をもらってヒアリングし、当初8社から4社へと絞りこみ、最終的に18年4月に内田洋行さんに決定しました。
その後、7月にシステム構築プロジェクトが開始し、10月に新ビルが竣工。翌19年2月にSmartOfficeNavigator について1次リリース(会議室予約・フロアマップ)を実施、9月に2次リリース(トップページ・社員検索等)を実施し、本格運用を開始しています。
その後、7月にシステム構築プロジェクトが開始し、10月に新ビルが竣工。翌19年2月にSmartOfficeNavigator について1次リリース(会議室予約・フロアマップ)を実施、9月に2次リリース(トップページ・社員検索等)を実施し、本格運用を開始しています。
甲能氏

誰でも、簡単に使えるシステム
「使いたい」と思わせるデザインにも強くこだわり
――導入されたSmartOfficeNavigatorのこだわりについて教えてください。
必要な情報を「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に」直感的に扱えるシステムの導入を目指しました。具体的には、スマホ、タブレット、PC などマルチデバイスで使用でき、プル型サイネージなどのツール、各種OS上での対応が可能なシステムとしました。
甲能氏
アプリやPC 画面は、複雑な操作がまったく必要ないこと、情報を視覚化すること、ワクワク感を演出するスタイリッシュなデザインにもこだわっています。また、様々な情報を一つに集約したポータルで誰でも簡単に使えるものを目指しました。今回はまだ手入力ですが、将来的には、音声入力でいろいろな雑務を効率的にこなしてくれるシステムにしたいと考えています。
加藤氏
- PC端末から会議室を検索。
- スマートフォンからも会議室の検索が可能。
――今回、東京の本社でも同様のシステムを導入されたということですが、岡崎と本社のシステムの違いについてはいかがでしょうか。
発案は岡崎ですが、本社も同時期にオフィス移転を検討していたことから、合同プロジェクトとして推進しました。そのため、会議室予約やフロアマップなど基本的な仕様は同じです。ただし、本社はフリーアドレスなので、社員の位置検索・来訪者管理機能を追加しています。
加藤氏
- フロア全体を俯瞰。会議室内の写真も掲載され、ユーザーをサポート。
選定のポイント
提案時の完成イメージを高く評価
使いやすさに優れ、ワクワク感を備える
――内田洋行の SmartOfficeNavigator 提案を採用したポイントをお聞かせください。
SmartOfficeNavigator は既製品の採用ではなく、当社の働き方改革のために新たに開発したシステムです。全8社の中で、機能、価格、使いやすさ、完成イメージなどから総合的に最も優れていたのが、内田洋行さんの提案でした。決め手は、世界観の演出とスマホアプリ感覚の使いやすさ(UX=ユーザーエクスペリエンス)です。提案時から、完成イメージがしっかりと造り込まれており、われわれの希望に合うものでした。
加藤氏
体制としても、内田洋行さんは様々な会社が関わるプロジェクトをしっかりまとめ、われわれの要望にレスポンス良く対応してくれました。
甲能氏
今後オフィスにはますますITが欠かせなくなるなかで、ICTとオフィス環境を事業として取り組む内田洋行さんとは価値観を共有し、共同開発パートナーとしてAIやIoTなど一緒に新しい事に取り組んでいくことができるとも思っています。
加藤氏
効果と展望
利用頻度、満足度ともに高い数値
さらに他拠点への展開も予定
――導入後の効果はいかがですか。

運用開始の6カ月後に開発本部を対象にアンケートした結果ですが、SmartOfficeNavigator の認知度は約70%。利用頻度(週1回以上)も約70%で、内訳ではよく使っているが44% 、たまに使っているが25%です。満足度も約60%(満足25%、やや満足35%)に上ります。これら利用状況の分析も内田洋行さんのサポートを受けています。データ更新などの運用負荷が低い事も特長です。ユーザー情報や部署情報のデータ更新もスムーズです。以前は、利用状況の分析を行うには、特に、前裁きの工程に非常に多くの工数が掛かっていましたが、それも大幅に軽減して効率化しています。
課題の一例とした会議室の空予約の解消については、予約時間から10分が経過しても入室がないと自動解約する機能があるので、ほぼ解消していると考えています。また現在、空いている会議室もリアルタイムで把握できますし、サイネージ表示もあるので、利用効率はかなり高まっていると思います。
課題の一例とした会議室の空予約の解消については、予約時間から10分が経過しても入室がないと自動解約する機能があるので、ほぼ解消していると考えています。また現在、空いている会議室もリアルタイムで把握できますし、サイネージ表示もあるので、利用効率はかなり高まっていると思います。
甲能氏

まだ、岡崎工場の1万人のすべてが SmartOfficeNavigator を使用できる環境ではないため、一部、「不満」の回答もありますが、われわれとしては、より良い環境整備を行い、不満の解消を図っていくことが使命と考えています。さらにこれまでは、オフィスのいたるところに張り出していた座席表もサイネージへと変わったことで、スタイリッシュで美しいオフィスになりました。
加藤氏

――今後のシステム利活用や施策、拡張などについてもお聞かせください。
2020年に設計本館(システム活用対象者約500名)も追加されましたが、現時点での、システム対象施設は岡崎地区全体の約400のうち190にとどまっています。これを今後は、岡崎実験エリアや京都・水島地区へも順次拡大していく予定です。新しい先進的なオフィス環境を提供し社員に影響力を与えることで、そこで働く社員もパフォーマンスを発揮しやすくなる様な新しい手立てを模索しています。今回は、探す無駄の解消に取り組みましたが、次の段階としては、移動の無駄、待つ無駄、準備する無駄の解消を見据えた取り組みに対して、努力を続けていきます。
加藤氏
三菱自動車工業株式会社
代表者 | 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者 加藤 隆雄 |
---|---|
会社設立 | 1970年4月22日 |
資本金 | 2,843億円 |
事業内容 | 自動車およびその部品の開発、生産、販売 |
本社所在地 | 東京都港区 |
所在地 | 愛知県岡崎市 |
URL | https://www.mitsubishi-motors.com/jp/ |

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