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【食品ITフェア2022 オンライン】 人がやらなくてもいい仕事がそこにある!
「スーパーカクテル」を活用した更なるデジタル変革
〜受発注業務の効率化〜

2022/5/31 [食品,ERP,セミナーレポート]

「スーパーカクテル」をご利用いただく中で、食品業のお客様に課題として多く伺うのは、受発注業務のさらなる効率化です。「スーパーカクテル」とRPAツール・FAX-OCRソフト等を連携することで、紙を使った業務や、人がやらなくてもいい仕事をデジタル化した事例を紹介いたします。「スーパーカクテル」と現場の方が使いやすいツールの組み合わせで、業務効率の向上を実現します。

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株式会社内田洋行
情報ソリューション事業部

デジタル化が求められる食品業界

スーパーカクテルは1997年に発売を開始しました。今年で25年目となり、導入実績は累計で5,500本を超えています。特に食品業においてはとても多くのご採用をいただき、食品業向けERP(基幹システム)市場では6年連続でシェアナンバーワンの評価をいただいております。

また、2019年10月からは専門情報誌『食品ITマガジン』を発刊しています。最新版(10号)では中小企業のDXを特集。食品業様のITに関するさまざまな記事や導入事例を提供しています。ウェブサイトからダウンロードいただくことも可能です。ぜひご一読ください。

▼最新号からバックナンバーまで
【関連コンテンツ】食品×ITの専門情報誌「食品ITマガジン」

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本題に入ります。
まず、社会の変化の中で食品業界の抱える課題を振り返りたいと思います。人口減少の中で食品市場が縮小し、競争が激化しています。また、少子高齢化や共働き世帯の増加により、消費者ニーズも多様化しています。品質に対する顧客の要求水準は高くなっており、価格競争が厳しい中で高品質を維持しなければならないというジレンマが生じているのです。さらに、昨今の原材料費、人件費、物流費の高騰は、製造コストの上昇に直結する課題です。

今後も付加価値を提供するには、より一層の製品開発や経営効率化が必要であり、そのためにはITの活用が不可欠です。2020年、経団連が「Society 5.0時代のサプライチェーン」というレポートを出しました。その中で、産業界における環境の変化や、サプライチェーンの推進すべき方向が示されています。さらに、2021年12月には、デジタル庁が「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を策定。今後、産業界全体でデジタル化が進んでいくと予想されます。

スライド資料:DXを通じた産業や企業構造改革へ

中小企業の受発注におけるEDI普及率は低く、依然としてFAXや電話が主流という報告もありますが、食品業では比較的EDIが普及していると考えています。流通業のEDIである流通BMS(ビジネスメッセージ標準)には14,600社以上の企業が登録しています。また、酒類・加工食品業界における企業間情報交換のシステム化や標準化の推進を図っている「FINET」というEDIも2,000社以上が利用。BtoBプラットフォーム「インフォマート」による受発注のシステムも4,300社以上が利用しています。今回のコロナ禍でさらにEDIの普及やECモールの活用が進んでいると思われます。

ただ、「2024年問題」という外部環境の変化が起きます。NTTが提供するINSネットの「ディジタル通信モード」が2024年1月に終了する予定で、ISDN回線を用いたEDIが利用できなくなります。

スライド資料:2024年のEDI問題への対応

2024年以降は、流通BMSあるいはWebEDIで対応することが求められます。WebEDIについては、手作業の業務も多く、いかに効率化するかが今後の大きな課題になるでしょう。

これら食品業を取り巻く多様な課題に取り組むには、基幹システムのデジタル化を推進し、業務効率化を図ることが不可欠です。この講演では、デジタル化の第一歩というテーマで、受発注業務の効率化について説明させていただきます。基幹システムの「スーパーカクテル」を土台に、次のツールを連携させると、さまざまな受発注の効率化が可能になります。

スライド資料:本日ご紹介する連携ソリューション

【製品のご紹介】業務自動化RPAツール「Autoジョブ名人 with スーパーカクテル」
【製品のご紹介】文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」

FAX受注を自動化する

FAXの受注業務を効率化した事例を紹介いたします。次に紹介するお客様においては、注文は電話、FAX、EDIで受けております。新システム導入前は、入力の事前作業がとても多く、特にFAX受注に大きな負荷がかかっていました。注文書をFAXで毎日平均230枚受信。担当者が一件ずつ得意先コードや自社商品コード、単位を確認し、手作業でシステムに入力していたそうです。また、コロナ禍でリモートワークが求められるようになっても、このような紙ベースの業務があるために出社しなければならず、この点でも大きな課題となっていました。

スライド資料:導入事例 受注業務の効率化

そこで、こちらのお客様は基幹システムのスーパーカクテルに「AnyFormOCR」と「Autoジョブ名人」をあわせて導入し、受注業務の効率化を図りました。

新システムでのFAX受注は、複合機を活用して、受信時に得意先電話番号から得意先コードと帳票IDを自動判別。プリントアウトと同時に特定のフォルダにPDFで保管されます。このPDFをOCRツールがデータ化します。更に、RPA(自動化ツール)で商品コードなども自動変換し、スーパーカクテルに受注として登録します。人が実際にする作業は、OCRのデータ化に間違いがないかを確認するだけとなり、業務負荷が大幅に軽減されました。

このお客様の場合、FAX注文の50%が数社の得意先から受信するものでした。まずは1社から新システムでの受注をスタートし、徐々に対応する得意先を増やしていきました。それまでは1日4名で対応していた業務ですが、現在は1~2名となり、リモートワークでの対応も可能になったとのことでした。

FAXのOCRシステムを導入するにあたっては、帳票の設計から始めます。設計ツールを使い、まずは実際に使われている帳票を読み込んで、項目ごとにデータの振り分けを設定していきます。OCRエンジンについては高精度のものを複数搭載。さらに、手書き文字に対してはAIによるOCRエンジンをオプションで提供しております。

スライド資料:FAX OCRシステムについて

重要なことは、今使っている実際の帳票に対する識字率を事前に検証することです。
あるお客様の場合は、識字チェックをしたところ、100%の率で読めた帳票もあれば、40%程度の帳票もありました。このような事前検証を踏まえて、帳票の形式を変更するなどの工夫をしていきます。ただ、すべての帳票を100%の識字率でデータ化できるわけではありません。人の目で結果を確認する工程はどうしても必要になります。

また、特定の商品を多く注文する得意先もいます。あるお客様の事例では、スーパーカクテルの注文履歴データからよく購入いただく商品を記載した注文書を作成し、この注文書を使っていただくことで識字率を上げ、100%に近い結果が出せているとも聞いています。

RPAツールで煩雑なEDI作業を自動化

RPAシステムについても少し紹介させていただきます。RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略です。人がパソコンなどで繰り返し行う操作をソフトウエアで自動化するツールで、業務の効率を上げることができます。

スライド資料:RPAシステムについて「Autoジョブ名人」

RPAツールの1つ「Autoジョブ名人」は、例えば特定の取引先のEDIにログインしてIDパスワードを入力し、未処理の注文データを抽出してダウンロードし、基幹システムに取り込むといった作業の自動化が得意です。

どのような作業をどういう手順で実施するかというシナリオ設定をする際は、2つのやり方が可能です。1つは、業務フロー図のような画面で作業を流れに沿って入力する方法。視覚的に捉えやすいので直感的に構築できます。もう1つは、Excelのような画面で1行に1作業ずつ入力していく方法。一度に表示できる情報が多いので、複雑なシナリオを作るときに向いています。
エラーが発生した場合にメールで通知する機能やスケジュール機能もあるので、担当者は安心してRPAに運用を任せることができます。

また、「Autoメール名人」という兄弟製品もあります。こちらはメールに特化したRPAツールです。例えば、注文書がメールに添付されて届く場合、その注文書の内容をデータに変換して基幹システムに取り込むといった作業を自動化できます。

最近、お客様から「EDIの取引がとても増えた」「ECモールに複数出店するようになって、受注や在庫の管理がとても煩雑になった」というご相談をよく受けるようになりました。

スライド資料:RPAによるEDI受注業務の効率化事例

あるお客様は、非常に多くのEDIを通して取引をしていました。その数は全国5拠点で100サイト。大きな作業負荷になっていました。そこで「Autoジョブ名人」を用いて、自動でEDIから注文データをダウンロードし、基幹システムに転記するシステムを構築。わずか3カ月で100本のシナリオを作成。すべてのEDI作業を自動化して、業務量を大幅に削減できました。

RPAツールを用いると、さまざまな業務を省力化できます。

スライド資料:RPAツールで省力化できる業務

お客様の導入事例を見ていると、EDIデータの取り込みやレポート作成など単純作業における導入が目立ちますが、RPAツールは条件分岐があるような複雑な業務も対応できます。シナリオをうまく作ることができれば、より効率よく業務を回すことが可能です。例えば、購買調達において欠品しそうな商品あるいは原材料を自動で洗い出して発注データを作成させるお客様もいます。

煩雑な発注業務を効率化

次は、発注の業務を効率化するツールを紹介させていただきます。スーパーカクテルは「エアレポ」というツールと連携すると、文書の自動配信が可能になります。最近は、食品製造業のお客様の原材料発注や、業務食材卸のお客様の注文書発行などにおけるニーズで、多くのお客様にご利用いただいています。

スライド資料:発注業務の効率化(帳票配信自動化サービス)

スーパーカクテルで発注を計上すると、自動的に発注書がFAXあるいはメールで送付されるという仕組みです。最新バージョンの「スーパーカクテルCore」シリーズでは、このエアレポとの連携機能が強化されました。クラウド上での文書の保管や配信、削除なども自動で可能です。

基幹システムのスーパーカクテルがもつ発注支援業務についても、少し紹介させていただきます。

スライド資料:発注支援業務の紹介(スーパーカクテル)

上に示した機能は、在庫情報を利用して、マスターデータにある発注点、発注リードタイム、発注サイクルなどを加味した上で、今後どの時点でどの商品・原材料をどれくらい発注すればよいのかを自動的に算出するものです。算出された発注候補は、Excel上に展開されます。それを担当者が確認、調整してから、スーパーカクテルに発注データとして取り込みます。先ほどのエアレポと組み合わせれば、発注計画立案後から発注書の発行まで自動化することが可能です。

スーパーカクテルと他の発注支援ツールを連携して活用しているお客様もいらっしゃいます。フェアウェイソリューションズが提供する「φpilot(ファイパイロット)シリーズ」は、過去の出荷実績や受注、在庫情報などから統計的に未来の出荷を予測します。

スライド資料:需給調整/発注計画効率化(φpilot series)1

こちらのお客様の例では半年に一度、おおまかな出荷の予測を立て、毎月直近の出荷の実績なども加味して発注量を計算し、発注します。新システム導入前は、出荷予測が商品担当者しかできませんでした。しかもExcelで個別に管理されていたので、当人でないとわからないという状況もあったそうです。また、出荷予測はとても工数の多い作業なので、頻繁に更新できない悩みもありました。

このお客様は、発注のリードタイムが長い輸入品を主に取り扱っています。需要の変化に対応できず、後手に回って機会損失をすることも少なくなかったということでした。しかし、新システムを構築し、スーパーカクテルから過去の出荷実績や現在の在庫情報をφpilotシリーズに連携することで、適正な出荷予測と発注計画の立案を可能にしました。

出荷予測の計算方法では、異常値を除いて単純平均や移動平均、前年対比、季節変動加味など、自社・商品に合った方法を選ぶことができます。予測と実績の予実監視を行い、迅速に計画の修正や、リカバリの手を打つことが可能になりました。出荷予測から動的な発注点管理、発注までを効率的に運用いただいている事例になります。

スライド資料:需給調整/発注計画効率化(φpilot series)2

今後も、食品業のさまざまな課題やデジタル化への対応、お客様の業務変革や経営の効率化の実現において、時流に沿ったソリューションをご提案してまいります。

▼食品ITフェア2022の講演録をまとめて読みたい方へ
【無料ダウンロード】食品ITフェア2022講演レポート集

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主な製品シリーズ

  • 文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」
  • 業種特化型基幹業務システム スーパーカクテルCore
  • 会議室予約・運用システム SMART ROOMS
  • 絆 高齢者介護システム
  • 絆 障がい者福祉システム あすなろ台帳

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