【UCHIDA ビジネスITフェア 2024】 「UCHIDA ビジネスITフェア 2024」(東京会場)開催レポート
ビジネス環境が刻々と変化し続けている今、DXはもはや待ったなしの状況です。「UCHIDA ビジネスITフェア」は、最新トレンドに応じたITソリューションを、有識者によるセミナーと多彩なIT企業による展示で紹介する、年に一度の大イベント。「デジタルでつながるビジネスの未来」と題して、2024年10月18日に港区の明治記念館で行われた東京会場の様子をお届けします。
ビジネス環境が刻々と変化し続けている今、DXはもはや待ったなしの状況です。「UCHIDA ビジネスITフェア」は、最新トレンドに応じたITソリューションを、有識者によるセミナーと多彩なIT企業による展示で紹介する、年に一度の大イベント。「デジタルでつながるビジネスの未来」と題して、2024年10月18日に港区の明治記念館で行われた東京会場の様子をお届けします。
ソフトバンク元監督・工藤公康さんによる講演の様子
今年のビジネスITフェアでも、最先端のビジネストレンドに応じた13のセミナーが3つのフロアで開催されました。その内容は、食品業界におけるトレーサビリティや、物流業界における「2024年問題」(ドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題)など業界固有の旬のテーマから、生成AIなど注目のデジタル技術、人的資本経営など企業課題までさまざま。
なかでも注目を集めていたのが、福岡ソフトバンクホークス元監督・工藤公康さんによる特別講演「組織を動かす信念と覚悟 〜未来を見る・創る・拓くために〜」。工藤さんといえば、プロ野球選手時代には“優勝請負人”といわれ、監督としてはチームを5回日本一に導いた名将です。
そんな工藤さんの野球哲学を、実体験を交えてビジネスの組織論に置き換えて語った講演はイベントの締めくくりとして開催され、多くのビジネスパーソンが熱心に耳を傾けていました。今回行われたセミナーのレポートはこちらで公開していますので、ぜひ見てみてください。
休憩室の様子
ちなみに、会場となった明治記念館は、結婚式場としても利用される歴史ある迎賓施設。フロア内には休憩コーナーが設けられ、こちらも参加者の皆さんで賑わっていました。窓から望むのは芝生の緑がまぶしい日本庭園。スタッフが振る舞うフリードリンクを片手にパソコンを開く人も多く、コワーキングスペースのようになった一角も……。
そのほか、内田洋行の基幹業務システム「スーパーカクテルシリーズ」など、実際にアプリケーションやシステムを体験できるハンズオンセミナーや、事前申込制のセッションなど、より実践的な形式のセミナーも数多く行われました。
展示会場の様子
そして、イベント当日に常に多くの人で賑わっていたのが、注目の製品・サービスを体験できるソリューション展示フロアです。来場者を出迎えるのは、「基幹連携ソリューション」と題されたパネル。基幹業務システム・スーパーカクテルシリーズは、工場や物流などサプライチェーンごとに特化したサービスや、会計管理・労務管理などのアプリケーションと一体的に運用できます。すなわち、「デジタルでつながるビジネスの未来」が実現できるというわけ。
フロアに所狭しと並ぶ多種多様な展示ブースは、その数40! ここからは気になる展示をピックアップしてご紹介していきます。
「スーパーカクテルCore」展示の様子
まずは内田洋行の「スーパーカクテルCore」のブースから。スーパーカクテルシリーズは1997年に生まれ、2018年に「Core」をリリース。ビジネス環境の変化に合わせて機能強化を繰り返しており、現在はバージョン10となっています。会場では「販売」「生産」「原価」「会計」など製品ラインナップごとにブースが設けられ、多くの人が担当者の説明に聞き入っていました。
「スーパーカクテルCore」の説明を聞く来場者の様子
そのうち「販売」ブースの担当者いわく、現行バージョンの特徴は大きくはふたつ。ひとつは、スーパーカクテルCore製品同士はもちろんのこと、文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」などとも標準で連携できること。もうひとつは「物流オプション」の機能が強化され、在庫管理の精度が向上したこと。
「スーパーカクテルシリーズは450もの業種のお客様にご利用いただいていますが、『販売』を導入されることの多い物販業界では、在庫管理が課題になりがち。そのソリューションを強化しました。また、業界を問わず需要が高まっているのが社内DXです。基幹システムと各種サービスとの連携がスムーズなのも当製品の強みだと思います!」
「V-ONEクラウド」展示の様子
その「連携」ができるサービスのひとつが、アール・アンド・エー・シーの提供する「V-ONEクラウド」。こちらのブースにもおじゃまして担当者にお話をうかがいました。
「私たちが提供しているのは『入金消込特化型システム』。入金消込とは、取引先から受け取った入金額と請求額を照合して消し込む作業のこと。この作業は入金パターンが取引先ごとに異なり照合作業が煩雑で、担当者が目視・手作業で行っている場合が多く時間もコストも膨大になります。この入金消込を『V-ONEクラウド』では1クリックで完了させることができるんです」
「V-ONEクラウド」では入金消込を1クリックで完了
こちらが実際の画面。販売管理システムから取り込んだ売上データと、銀行から取り込んだ入金データを1クリックで自動照合、その結果を一覧画面に表示して確認することができます。もちろん、一括で処理するだけなく個別に処理することも可能。独自の照合ロジックと機械学習を搭載しているため、使えば使うほど自動照合の精度が向上するそうです。
「φ-Pilot Series」展示の様子
会場では、サプライチェーンごとに展示が並ぶ一角も。こちらは「需給調整」のソリューションとして展示されていた、フェアウェイソリューションズの「φ-Pilot Series(ファイパイロットシリーズ)」、なんと“未来の在庫量”をコントロールできるという製品です。
「当社は2000年に起業しまして、2014年に『φ-Pilot』をリリースしました。それまで出荷計画は担当者の経験的予測に頼ることが多かったのですが、統計予測の手法で将来的な需要を算出し、実際の在庫状況とズレが生じるとアラートを出すことで、在庫の適正化を図るというシステムなんです」
需給調整オペレーションの標準化について紹介するボード
これはいわば、需給調整のオペレーションを標準化できるという優れもの。さらに生産管理システムと連携することで、過剰生産によるロスの解消も期待できるそうで、今年からスーパーカクテルシリーズとも連携が可能になりました。
無線LANアクセスポイント「SR-M」展示の様子
さて、ビジネスにおけるDXは、基幹業務やサプライチェーンだけにとどまりません。そもそもの「機器管理」も必要不可欠なテーマです。ということで、富士通のグループ会社・エフサステクノロジーズの製品「無線LANアクセスポイント『SR-M』」のブースをご紹介。
無線LANアクセスポイントは社内ネットワークの基盤となる機器ですが、通信障害が起こったときなどに対応に四苦八苦した経験がある人も多いのではないでしょうか? この製品はいわば、専門の担当者がいなくても簡単に管理できる仕様が特徴です。
「無線LANアクセスポイント『SR-M』」管理画面のイメージ
担当者いわく、「集中管理画面が直感的に操作できたり、障害を自動で診断して対処方法を提示したり、設定や運用がブラウザで簡単に。ハンディターミナルなど無線LANに接続する機器の多い業種でよく活用されています」とのこと。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアも進化しているんですね。
「Microsoft Surface/Microsoft Copilot」展示の様子
最後にご紹介するのは、デジタルテクノロジーの代名詞的存在、「AI」のブース(担当者のおふたりも「AI」ポーズを決めてくれました)。ここでは、日本マイクロソフトとウチダスペクトラムが出展し、「Microsoft Surface」の実機が展示されていました。その内容は……。
「ウチダスペクトラムでは長年、ソフトウェア・ライセンス販売事業を行ってきました。その中で近年では導入支援サービスを展開しており、直近では『生成AI』を活用するためのサポートがスタートしたんです」
「Microsoft Surface/Microsoft Copilot」機能紹介のボード
その内容は、AI機能を搭載したデバイス「Microsoft Surface」と、生成AI技術を用いたチャットボット「Microsoft Copilot」を組み合わせたもの。ビジネスにおける変革のためのフレームワーク「ADKAR(アドカー)モデル」に基づいた、生成AIをビジネスで活用するための支援を提供しています。話題の生成AI、これからも盛り上がりそうですね。
今年のテーマ「デジタルでつながるビジネスの未来」を紹介するボード
「デジタルでつながるビジネスの未来」というテーマのもと、セミナーには福岡ソフトバンクホークス元監督の工藤さんをはじめさまざまな分野の第一人者が登壇、展示会には内田洋行のスーパーカクテルシリーズを中心に、DXに関わる多種多様なソリューションが集まりました。
この東京会場にはおよそ1,000人のビジネスパーソンが来場。その後、11月14日には大阪市北区のグランフロント大阪を舞台に大阪会場でも開催され、こちらには800人が参加。いずれの会場も登壇者、参加者ともに熱気にあふれていました。
今、デジタル技術は驚くほどのスピードで進化し続けており、ビジネス環境はもちろん、社会全体が変化を繰り返しています。そのなかで、人々の営みやビジネスなどあらゆる物事がデジタルでつながっていく……。今回の「UCHIDA ビジネスITフェア」の会場に集った人々や製品、サービスからは、そんな未来が垣間見えました。
▽次回は、2025年3月に「食品ITフェア2025 オンライン」を開催予定!
登録は無料ですので、お気軽にお申し込みください(1月中旬よりお申し込み受付を開始)