【セミナー】AIを中心にDXの事例から世界の潮流までを解説
山口 真由さんによる特別講演「岐路に立つ日本 〜世界の潮流と日本の現在地〜」の様子
「UCHIDA ビジネスITフェア」が開催された明治記念館で行われたのは、多彩なソフトウェアやデジタルサービスを紹介するブースが並ぶ「ソリューション展示」と、デジタル分野の有識者が登壇する12の「セミナー」。デジタル技術への注目度の高まりを反映してか、開場の10時半から閉場の18時まで、会場には数多くのビジネスパーソンの姿が。
セミナーは3つの会場で行われ、どれもほぼ満席。「生成AIで変わる企業戦略」「AIで出来る業務改善」「AIエージェント活用」などなど、12のうち6つの講演タイトルに「AI」の文字が入っていたことからも、ビジネスにおける重要度とニーズの高さがうかがえました。
そして今回、特別講演の講師としてお招きしたのは、ニューヨーク州弁護士や財務官僚としても活躍、テレビ番組などでもその姿を目にする信州大学社会基盤研究所の山口真由特任教授。「岐路に立つ日本 〜世界の潮流と日本の現在地〜」と題した講演には300名以上が参加、日本と世界の趨勢やこの変革の時代に求められる意識などについて語りました。
【ソリューション展示】業務フローごとに最先端の製品・サービスを紹介
基幹システムをサプライチェーンと業務フローとに対応させた模式図のパネル
さて、展示スペースに目を向けてみると、こちらには広い会場にたくさんの企業ブースがところ狭しと並んでいました。その数、なんと38!その中央に設けられていたのが、基幹システムをサプライチェーンと業務フローとに対応させた模式図のパネル。会場のブースは、このパネルと連動する形で配置されていました。
そしてパネルとともに会場中央で紹介されていたのが、内田洋行の基幹業務システム「スーパーカクテルCore 販売」「スーパーカクテルCore 会計」「スーパーカクテルCore FOODs生産・原価」「スーパーカクテルCore物流オプション」と、文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」。
ブース担当スタッフいわく、基幹業務システムの導入を検討している人はもちろん、すでに導入している人も、連携ソリューションを求めて展示に見入ったり、説明に耳を傾けたりしているそう。とくにAIを活用したソリューションは、人材不足解消の手段として注目している人が多いと教えてくれました。
ということで、各ブースの気になる展示内容を業務フローごとにご紹介します。
販売業務カテゴリ
「AIエージェントが、判断が必要な受注業務も完全自動化!」と題したブースを展開していたのはユーザックシステム。「knowfa」というそのサービスの内容は、受注業務における人の判断が必要なプロセスを99.7%以上の精度で自動化するというもの。仮に商品名が省略されていても、生成AIが自分で判断して適切なデータに変換してくれるのだそう。
経理・人事業務カテゴリ
こちらのカテゴリには、CMでおなじみ「奉行iクラウド」のブースが。申請書のペーパーレス化から複雑な給与計算の自動化まで、人事業務のDXをかなえる製品が紹介されていました。さらに「奉行AIエージェント」なる新製品の展示も。こちらはAIが契約書を読み取り、2027年からの新リース会計基準の対象を自動で判断するというすぐれもの。
生産・原価管理業務カテゴリ
生産・原価管理業務カテゴリにも「AI」を掲げるブースがありました。モーションが提供する「Optamo for Shift」は勤務シフト作成ツール。スタッフのスキルや担当タスクなどの設定を元に、AIが最適化されたシフトを提案するというクラウドサービスです。担当者は「生産の現場はもちろん、介護や医療などどの業界でも活用していただけます!」。
物流業務カテゴリ
ブースの多くはIT関連で、展示はモニター中心。その中で目を引いたのは、テラオカのピッキングカートシステム。「ウチは『はかり』から始まった会社ですから」ということで、カートに計量器を内蔵しピッキングと検品が同時にできるシステムを提供しています。
さすがにAIではないだろうと思いきや、実はこの製品は「AIピッキングカート」。効率の良いオーダーを自動で組み合わせたり、ピッキングルートを自動計算したりと、倉庫内での最適な物流業務を実現できるすごいシステムです。
店舗管理カテゴリ
店舗管理カテゴリにはソフトバンクが出展。「『勘と経験』を最適化する人流データ/AIを紹介」という気になる展示を行っていました。その内容は、スマホのGPSなどを活用した人流データとAIを掛け合わせることで、勘や経験頼みだった出店戦略や売上予測などを最適化するソリューション。今後はスーパーカクテルシリーズとの連携も見据えているそう。
情報共有/データ連携カテゴリ
最後は「情報共有/データ連携カテゴリ」。10以上のブースが並ぶ中、常に人だかりができていたのが、内田洋行の「Mμgen(ミュージェン)GAI」。自社情報を活用した生成AI機能の利用を実現する、ChatGPTプラットフォーム構築サービスです。
担当者によると、企業の社長から、総務担当、工場の社員まで、さまざまな立場の人が関心を持ってくれたそうで、「途切れなく話し続けたので、もう喉が…」とうれしい悲鳴が。おそらく、情報漏洩のリスクが気になる中、“自社専用”の「ChatGPTプラットフォーム」というワードに反応した人が多かったのではないでしょうか。
東京と大阪、2会場合計で1,900名のビジネスパーソンが参加!
明治記念館の庭園を眺めながら一息つける参加者のための休憩場
会場の一角には、参加者のための休憩場も設けられました。明治記念館の庭園の緑を眺めながら一息つけるスペースでは、無料ドリンクがふるまわれ、こちらも大盛況。カウンター席には電源が用意され、セミナーとセミナーの合間にパソコン仕事をする人の姿も。その中で、来場者に今回の「UCHIDA ビジネスITフェア」の感想を聞いてみると、こんな声が。
「上司が内田洋行のメルマガを見て『勉強になるから』とすすめられたんです。私たちの会社は情報通信業で 、ベンダーとしてお客様にAIの活用を提案することもありますし、社内でもAIの業務利用を検証しているところ。今回参加したセミナーでは、Microsoft の Copilot の導入事例の紹介が良かったです。失敗談も語っていたのが、具体的でとても参考になりました!」
ということで、東京会場は大盛況のうちに閉幕。その後、10月30日には大阪市のグランフロント大阪でも開催され、2会場を合わせて1,900名のビジネスパーソンが訪れました。今回注目の的となっていたAIは、驚くほどの速さで進歩しつづけています。DX、そしてその先のAI化は、まさにサブタイトルとして掲げた「ビジネス変革の鍵」なのです。
▽次回は、2026年4月に「食品ITフェア2026 オンライン」を開催予定!
登録は無料ですので、お気軽にお申し込みください(2月上旬よりお申し込み受付を開始)