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【食品ITフェア2025 オンライン】 短期間で急成長!洋菓子製造小売業DADACA様のシステム構築成功ストーリー

2025/4/9 [食品,ERP,セミナーレポート]

2020年11月に設立し短期間に急成長を遂げた洋菓子製造小売業のDADACA様のシステム構築をお手伝いしてきた営業/SEが、そのポイントを順を追ってわかりやすく解説します。

株式会社内田洋行ITソリューションズ
首都圏事業本部 ソリューション事業部 営業1部 営業課 次長
吉田 雅俊 氏

株式会社内田洋行ITソリューションズ
Customer support & IT engineering本部東日本Customer support & IT engineering事業部Solution engineering 1部Customer Support & System Design 1課
原田 純弥 氏

会社概要

吉田氏:今回は、2021年に基幹システムを導入された洋菓子製造小売業のDADACA様の事例についてご紹介します。DADACA様は2020年に北海道夕張市で設立された現在急成長中の会社です。

株式会社DADACA様 会社概要

システム導入の経緯

吉田氏:以下は、DADACA様のシステム導入の目的と目指す姿を図にしたものです。

3つの観点から課題を整理しました。

まず、業務フローの観点です。DADACA様は、会社を立ち上げたばかりで業務フローが確立されていませんでした。そこで、基本設計と業務フローの作成を丁寧に行い、売上拡大につながる仕組みの構築を目指しました。

次に業務量の観点です。
急速な販路拡大によってどんどん業務量が増えていました。そこで、業界向けのパッケージシステム「スーパーカクテル」を採用することで、業務負担を減らし、業務増に耐えうる仕組みの構築を目指しました。

最後に人材の観点です。
多くの企業の共通したお悩みかと思いますが、DADACA様にはIT担当者が不在でした。そこで、内田洋行ITソリューションズとしては通常の支援だけではなく、より現場に入り込んでの特別の支援を行うことで、システム稼働並びに運用による現場の負担軽減を目指しました。

システム導入の詳細について

吉田氏:システム導入は段階を踏んで行いましたが、まず第1段階の導入について詳細をSEの原田が説明します。

第1段階

原田氏:次の図は、スーパーカクテルが対応する業務の範囲です。

第1段階のシステム導入では図の左側にある販売管理業務(受注、出荷、売上)と、売掛管理業務(売掛、請求、回収)を対象にシステム導入を行いました。

システムの構築期間は2021年8月から2022年1月で、2021年12月から本稼働しました。

システム導入のポイントは大きく2点あります。
1つ目は、1カ月かけて丁寧に基本設計の打ち合わせを行ったことです。スーパーカクテルの標準機能の説明から始まり、どういう機能を実装するか、どうお使いいただくかを検討。並行して各種マスターの設計やスーパーカクテル導入のための環境構築も進めました。

2つ目は、通常の事例では、基本設計が終わった後、詳細設計や開発、テストといったフェーズに入るのですがDADACA様の場合は、標準機能をカスタマイズせずそのまま使うという方針でしたので、基本設計終了後はユーザーテストという形で、すぐに使っていただくフェーズに入りました。

苦労した点は、DADACA様にとって初めてのシステム導入であったため、スーパーカクテルの機能説明以前に、システムの考え方自体からご理解いただく必要があったことです。そのため、ご質問やそれに対する解答をすべて文書化してあとから見直せるようにするなど、DADACA様に不安や疑問が残らないよう工夫し、またできるだけわかりやすい説明を試みました。
また、スーパーカクテルはいろいろな業務に対応できるようマスターの登録項目が多くなっており、システムに不慣れなお客様にとっては負担が大きいので、一から一緒にマスターを作成しました。

プログラム開発が終わってシステムを使っていただくタイミングで、操作説明を通常は2〜3回行うのですが、今回のケースでは特別支援として、20回ほど訪問し説明しました。
これによってお客様の疑問や不安はかなり解消できたと思っています。

吉田氏:ありがとうございます。第1段階の導入では業務フローの確立、作業の削減、システムの基盤づくりができたということですね。続いて第2段階の導入の説明をお願いします。

第2段階

原田氏:第2段階では、以下の図の右側の、購買管理業務でハンディターミナル(入力端末)の導入を行いました。2023年2月から導入し、同年8月から本格稼働しました。

ハンディターミナルでは、入荷、仕入だけでなく、製造実績、原料在庫、倉庫間移動の管理にも対応しました。
ハンディターミナルで読み取った情報はスーパーカクテルと連携することができます。
ハンディターミナルをどのように使いたいか、現場でヒアリングをし、必要な機能や画面を一から設計しました。できるだけ最小限の操作で使用できるよう心掛けてシステム設計をしました。

入荷検品では、スーパーカクテルの入荷データとして必要な仕入れ先や商品名、数量が、バーコードをスキャンすることで入力できるようになっています。

出荷検品では、バーコードをスキャンすると受注番号が表示されるので、あとは数字を入力するだけです。

完成検品では、商品コード、商品数、賞味期限を読み取って入力する画面です。

移動検品では、複数の倉庫間の商品の移動を管理します。商品コードや賞味期限などのデータは最初に商品を登録したときに入っているので、あとは、どの倉庫に出すかだけを入力するようになっています。

棚卸では、商品をスキャンすることで棚卸しができます。画面の下のほうにある帳簿在庫というところでスーパーカクテルの在庫情報が確認できるので、システム上の在庫数と実在庫数にずれがないかその場で確認できます。

ハンディターミナルを導入するにあたって気をつけたポイントは以下のとおりです。

ハンディターミナルを実際に操作する方は、工場の倉庫担当者や製造担当者がメインであり、普段の業務ではほとんどスーパーカクテルの入力を行わない方ですので、説明の際には、システム用語を極力使わず、現場の方にわかりやすい言葉に言い換えるなどしました。
また、操作の説明資料は、文字ばかりだとわかりづらいので、画面のイメージ図や操作の遷移図を掲載して視覚的にわかりやすく理解しやすいように努めました。

苦労したのは、DADACA様の成長速度が大変早く、開発当初には存在しなかった商品が新たに登場し、最初は設計に入っていなかった機能が必要になる、といったことが起こったことです。そのような場合はプログラム修正ができるところはしたり、運用で対応いただくなどの形で乗り切りました。

吉田氏:苦労もあったようですが、第2段階では第1段階で確立した基盤をベースに在庫管理中心に業務の効率化や在庫の精度向上を図ったのですね。では第3段階の導入について説明してください。

第3段階

原田氏:第3段階では、以下の図の左側の、青枠で囲っている部分、いわゆる外部システムとの連携を行いました。

スーパーカクテルに機能を加えるというよりも、他のシステムと連携することによって新たな機能を加えるということを行いました。

大きくは、①LINEによる受注の機能の連携、②電子帳簿保存法対応機能の連携、③会計システムの連携の3つを行いました。

まずLINE受注について。これは大規模店ではなく小さな町の商店街や個人商店を対象とした機能で、「クロスオーダー」という外部サービスと連携し、LINEでいただいた注文をスーパーカクテルに直接取り込めるようにしました(2022年12月から3〜4カ月で導入実装)。

2つ目は、「UC+ドキュメント」という外部サービスを利用して、納品書や請求書をクラウド保存やタイムスタンプ保存ができるようにしました。

3つ目の会計ソフトとの連携では、スーパーカクテルで仕分けデータを作りそのまま会計ソフトにアップロードできる連携機能を導入しました(2024年9月〜11月)

スーパーカクテルには外部システムとの連携のモジュールがあるので、これを使って、1からプログラムを組むよりもかなり低いコストで新機能を追加することができました。

システム導入の効果・評価

原田氏:これまでのシステム導入の評価について振り返ります。

1.最初にシステムが入っておらず、業務フローも確立していなかったという課題がありました。これに関してはスーパーカクテルの標準機能を導入いただきシステムの機能をベースに業務ルールを作っていただきました。ルールに沿って業務を行うことで、増えていく業務にも対応できるようになりました。

2.以前は出荷しようと思ったら商品がなかったということもありましたが、システムの導入によって、受注残の管理や、出荷予定や出荷・未出荷の数量も把握できるようになり、商品が不足するということがなくなりました。

3.従来は手作業での管理が多く業務が煩雑でしたが、システムを導入したことで売上集計などがボタン一つでできるようになりました。

4.手作業で行っていた伝票作成作業も、システム導入後はボタン一つで簡単にできるようになりました。

5.従来は日々の在庫が追えていませんでしたがハンディターミナルを導入したことで、リアルタイムで在庫量が把握できるようになりました。

その他、コスト削減のために、ゼロカスタマイズでスーパーカクテルを導入し、またスーパーカクテルの連携モジュールを使用することで外部のシステムとの連携も簡単にできたため、大幅に費用を抑えられ、DADACA様にも大変喜んでいただけました。

今後の展開

吉田氏:最後に、今後の展開をまとめたのが以下の図です。
現在は、一番下の層、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップが終了したところです。次の展開としては、発注残管理やEC連携が課題として挙がっています。これについて説明してください。

原田氏:最後に、今後の展開をまとめたのが以下の図です。
現在は、一番下の層、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップが終了したところです。次の展開としては、発注残管理やEC連携が課題として挙がっています。これについて説明してください。

EC連携は、NEXT ENGINEという外部システムをスーパーカクテルと連携することで、Amazonや楽天などECサイトの受注情報をスーパーカクテルに直接取り込めるようになります。

さらに将来的には、現在ハンディターミナルで行っている在庫管理のデータをNEXT ENGINEと連携させ、今より効率的な注文管理ができるようにしたいと考えています。

現在、製品の製造実績もハンディターミナルで入力していただいていますが、これが、スーパーカクテルのオプション機能である原価計算を導入して連携させれば、計画的な製造につながっていくかと思います。

吉田氏:そうですね。さらに次のステップとしては、製造原価管理・貿易業務の効率化を図りたいところです。

スーパーカクテルには、原材料費や労務費、経費の実績値を用いて、製品の製造原価を算出するオプションモジュールがあります。これを活用することで、標準原価の見直しや、本当にこの商品で儲かっているのかを把握することができるようになります。

最終的には原価シミュレーション機能を用いていただければ、適正価格の設定に大変役立つはずです。

スーパーカクテルとシームレスに連携が可能な貿易管理システムも用意しています。輸出・輸入両方に対応しています。これを導入することで貿易関連の帳票の出力や、諸掛を加味した原価の設定、外貨対応が可能になります。

以上がDADACA様のシステム構築ストーリーです。今後もDADACA様の成長を支えられるようサポートして参ります。

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