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【これからの働き方、これからのICT】 ツールの導入とあわせて考えたい、社内のIT研修の進め方

2022/4/8 [コミュニケーション,コラム]

多くの企業で利用されているクラウドサービス「Microsoft 365」を中心に、働く場とIT、ITとの関わり方、企業で導入し浸透させるにはどうしたら良いか等をご紹介する連載コラムです。「せっかく導入したMicrosoft 365をもっと活用したい」「ITツールで業務の生産性を高めたい」「新しい働き方のヒントを探している」といった方のお役に立てれば幸いです。

株式会社内田洋行
ネットワークビジネス推進事業部
太田 浩史

2010年に内田洋行でOffice 365(Office 365の前進であるBPOS)の導入に携わり、以後は自社、他社問わず、Office 365の導入から活用を支援し、Office 365の魅力に憑りつかれる。自称Office 365ギーク。Office 365 の良さや便利さ、利活用のコツを広めるべく、セミナーや勉強会での登壇、ブログや書籍の執筆などを行っている。2013年に米 Microsoft 社より、Microsoft MVP Award を初受賞し、現在は8度の連続受賞中。

はじめに

私たちの生活にITは不可欠なものになっています。世帯の8割以上にスマートフォンが普及するほか、自動車やテレビにもコンピューターが組み込まれ、インターネットにつながるようになりました。そうした多くのコンピューターが、私たちにとって難しいことや、めんどうなことを、より楽に、より便利にしてくれています。仕事の場面でも同様に、業務を進めるにあたってパソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用する機会は多く、ITの活用が不要だと考える人は少ないでしょう。

国内では2010年ごろを「クラウド元年」と呼ぶようですが、それから10年以上が経ち、企業がクラウドサービスを導入することも当たり前となりました。特にMicrosoft 365のような「SaaS (Software as a Service)」型のクラウドサービスでは、それまでには考えられないほど簡単、短期間、安価で、数多くのソフトウェアを利用できるようになりました。しかし、そうしたクラウドサービスには、カスタマイズの自由度が低いといったデメリットとも考えられる特徴もあります。このように、クラウドサービスを利用するには、あらかじめ用意された機能を利用するため、それらの機能を理解し、自分たちがやりたい業務との折り合いをつけながら利用する必要があります。

目指したいのは使い方を自分たちで考えられること

Microsoft 365は、世界中で同じサービスや機能が提供されています。そのため、さまざまな規模や業種、文化などが異なる多くの企業が同じ機能を利用することになります。そうした違いに対応するためにも、Microsoft 365 では、ユーザーが自分たちに合わせて機能を選択できるよう、数多くの機能が提供されているとも考えられます。つまり、Microsoft 365を効果的に利用するには、提供される機能が自分たちの業務にどのように生かせるかを、自分たちで考えながら利用する必要があります。

また、近ごろでは、同じ企業内であっても、業務内容や部署、プロジェクトなどによって、利用したいツールが異なることもあります。そうした多くの業務は、数人でチームを組んで行うことも多く、チームごとにツールの使い方を考えられることが理想ではないでしょうか。

社内IT研修に力を入れる企業が増えている

そして、数年前ごろから、Microsoft 365の導入などをきっかけとし、社内のユーザーを対象にしたIT研修に力を入れようとする企業も増えています。

社内IT研修の進め方は企業によって異なりますが、上手く進めやすい方法としては、「すでに使えているユーザーが、さらに使えるように支援する」といったものがあります。この方法のメリットは次のようなものがあります。

・ITに関する苦手意識の少ないユーザーは、理解が早く効果が出やすい
・社内で身近な活用例を作り、他のユーザーの手本とできる

あらかじめすでに使えているユーザーは、ITの活用に対して苦手意識もなく、積極的に取り組んでもらえることが多くあります。そのため、研修の実施から実際の業務で活用してもらえるまでの時間も短く、効果を目で見て分かりやすくなります。これは、研修を実施する側にとってもメリットが多く、また、マネージャーなどに活動の成果を報告しやすくなり、社内IT研修を継続していく理由も作りやすくなります。反対に、効果が出るまでに時間がかかってしまうと、心が折れてしまい挫折しやすくなります。

また、そうして活用を進めたユーザーは、他のユーザーの手本となってくれます。ユーザーにとっても、身近な活用例は魅力的で、利用後の効果も分かりやすく、利用してくためのモチベーションに繋がるものになります。こうした社内の例を「社内事例集」としてまとめておき、ユーザーと共有する場合もあります。

オンライン研修や動画の活用

こうした社内IT研修では、従来は会議室に集まり実施する集合研修型が主流でしたが、昨今はオンライン会議が広く普及したことから、オンライン型が増えてきました。オンライン研修になったことにより、業務時間の合間を使って研修に参加したりするなど、より多くのユーザーに気軽に参加してもらえるようになりました。さらには、動画を活用したオンデマンド型も増えています。研修の内容を動画にしておくことで、好きな時間に観ることができ、繰り返し確認したり、他のユーザーと共有したりすることもできます。動画編集についても、無償で利用できるソフトウェアがあるほか、Microsoft TeamsのWeb会議を録画したり、PowerPointの画面録画の機能を利用したりするなどで、簡単に動画を作成できるようになっています。

ユーザー同士が交流できる場を作る

会社として人事部やIT部門などが提供する研修のほか、社内のユーザー同士が情報を共有し合ったり、教え合ったりする場を用意することもおすすめです。こうしたユーザー同士の社内コミュニティの運営には、Microsoft TeamsやYammer、SharePointなどを利用することができます。

内田洋行でも、Yammerを利用した社内コミュニティが運営されています。Microsoft Teamsの活用方法や便利な機能の使い方などを共有するのを目的としたコミュニティのほか、ExcelやWordといったOfficeなどを含めてMicrosoft 365の活用Tipsを共有しあうコミュニティなどがあります。

また、こうした場で共有されたナレッジは、SharePointサイトにまとめられるなど、あとから他のユーザーが探して参考にできるように残すようになっています。

ユーザー同士が交流できる場を作る

(左)Yammerを利用した社内コミュニティ、(右)SharePointを利用した情報発信サイト

そのほか、内田洋行では、Power AppsやPower Automate、Power BIなどのPower Platformの話題を中心に、2週間に1度の頻度でオンライン勉強会を開催しているコミュニティもあります。この勉強会では、社内で利用している事例を紹介したり、困りごとを他の参加者に聞きながら解決したりなど、より密に情報共有や助け合いが行われています。毎回、きちんとしたテーマを用意できるわけではありませんが、定期的に集う場を作ることで、そのツールを使おうとするモチベーションにも繋がっていきます。

こうした取り組みを実行してみて強く思うことは、毎回の質を高めるよりも、継続することに重きを置く方が成功の確率が高まるということです。次回のテーマをしっかり決めてからと考えると、良いネタが思いつかないからスキップしようとも考えてしまいがちで、いつしか開催するのが億劫になってきてしまいます。そうであれば、まずは集うことを最優先に考え、とにかく継続して開催するよう意識するのがコツだと思います。

これからの業務を支える現場のテクノロジスト

Microsoft 365に限らず、業務ではさまざまなクラウドサービスが利用されるようになってきました。そして、ユーザーがより多くの場面でITを活用できるようになってきています。そのため、専門のIT技術者でなくとも、与えられたツールをただ利用するのではなく、それを自分たちの業務でどのように活用するかを考え活用できるユーザーの存在が重要になってきています。たとえばIT関連調査会社の大手であるガートナーも、このようにユーザー部門に所属しながらも、技術的スキルを活かした業務に従事するユーザーを「ビジネス・テクノロジスト」と定義し、今後はそうした人材の活躍の場を作っていくことが大事だと提言しています。

実際に取り組みを進めている企業の例を見てみると、社内業務改善の専任チームを組織するパターンが多く見られます。そのほか、現場でIT活用を進めていた従業員を、業務改善のスペシャリストとして起用し、部門を超えた横展開が出来るようにしようとする例や、IT部門などに所属していた技術者を一時的に他部署に配置するといった例もあります。いずれの場合も、現場でのIT活用による業務改善を現場任せとはせずに、そうした活動を評価し、会社として活動に取り組んでいるところが特徴です。

ITの活用 ツール×ヒト

業務でITを活用するために、ツールやサービスの導入だけではなく、それを利用する人の育成も重要視されるようになってきました。社内での教育や研修をどのように計画し実行していくのか、社内のユーザー同士が情報を共有し助け合う場をどのように運営していくのかなど、企業それぞれの事情や文化に合わせて考えていく必要があります。近ごろでは、そうした取り組みを支援して欲しいとご相談をいただくことも増えてきました。私たちも社内で試行錯誤をしながら進めている取り組みでもありますが、今後も機会を見つけては紹介していきたいと思います。

Microsoft 365 の導入・活用を検討されている方へ

主な製品シリーズ

  • Webベース基幹業務システム スーパーカクテル イノーヴァ
  • 業種特化型基幹業務システム スーパーカクテルCore
  • 会議室予約・運用システム SMART ROOMS
  • 絆 高齢者介護システム
  • 絆 障がい者福祉システム あすなろ台帳

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