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【これからの働き方、これからのICT】 ハイブリッドワークの実践に必要なIT環境とは

2022/3/11 [コミュニケーション,コラム]

多くの企業で利用されているクラウドサービス「Microsoft 365」を中心に、働く場とIT、ITとの関わり方、企業で導入し浸透させるにはどうしたら良いか等をご紹介する連載コラムです。「せっかく導入したMicrosoft 365をもっと活用したい」「ITツールで業務の生産性を高めたい」「新しい働き方のヒントを探している」といった方のお役に立てれば幸いです。

株式会社内田洋行
ネットワークビジネス推進事業部
太田 浩史

2010年に内田洋行でOffice 365(Office 365の前進であるBPOS)の導入に携わり、以後は自社、他社問わず、Office 365の導入から活用を支援し、Office 365の魅力に憑りつかれる。自称Office 365ギーク。Office 365 の良さや便利さ、利活用のコツを広めるべく、セミナーや勉強会での登壇、ブログや書籍の執筆などを行っている。2013年に米 Microsoft 社より、Microsoft MVP Award を初受賞し、現在は8度の連続受賞中。

はじめに

ここ数年で一気にリモートワークが話題に取り上げられることが増え、在宅勤務などを経験したことのある人の割合も高くなりました。しかし、対面で行ったほうが効率の良い業務や、現場でしか行えない業務もあり、従来通りのオフィスワークの必要性も同時に語られるようになりました。そして、業務を進めるうえでは、業務内容や進捗などの違いで、個人やチームそれぞれの都合に合わせた多様な働き方が求められるだろうと考えられています。そこで施策のひとつとして、リモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせた「ハイブリッドワーク」が注目されています。今回は、ハイブリッドワークを実践するために必要なITの観点について、少し考えていきたいと思います。

なぜ完全なオフィスワークに戻らないのか

そもそも業務にとってオフィスワークのメリットがあるのであれば、従来通りの完全なオフィスワークに戻っても良いはずです。しかし、感染症対策のための社会的に大規模で実施されたリモートワークによって、多くの人がリモートで働く手ごたえとメリットを実感しました。

従業員には、これまで会議室に集まらなければならなかった社内や顧客との打合せをWeb会議でも十分にできると感じた人や、これまで会社の自席でしか行えなかった業務が自宅でもできるといった手ごたえを感じた人も多いでしょう。また、在宅勤務では、自宅のほうが集中して業務に取り組めると感じる人もいます。さらには、平均 1 時間程度とされる通勤時間がなくなり、仕事と生活の関係が近づくことで、家族と過ごす時間が増えたり、空いた時間を趣味や学習などに利用できたりするようになります。こうしたことから、リモートワークは生産性向上の策としてだけではなく、従業員の生活や人生にも影響を与えるものであり、企業にとっても今後の人材確保に向けた取り組みのひとつとも考えられています。

IT環境がハイブリッドワークの基盤

ハイブリッドワークを円滑に進めるためには、従業員がどこで働いていたとしても、業務に必要な情報やデータ、機能などに平等にアクセスできる必要があります。そのためには、業務はオフィスを中心にではなく、IT環境を中心に考える必要があるでしょう。多くのコミュニケーションや業務をIT環境に実現できれば、オフィスや自宅などの働く場は、その場に居るのが必須のものではなく、さらによりよく働くための選択肢として考えられるようになります。

IT環境を働く場の中心に考える

Microsoft 365 では、こうしたコミュニケーションの基盤を築くために利用できる、Microsoft TeamsやSharePoint Online、Yammer、Exchange Onlineなど多くのツールが提供されています。なかでも近ごろ重要視されているのは、チャットを利用したコミュニケーションや Web 会議に利用できるMicrosoft Teamsです。Microsoft Teamsを利用したチャットのコツについては、前回の記事もご参照ください。

また、普段の関わりのある業務がより多くデジタル化されていることも重要になります。このときに見落とされがちなのが、従業員にとって身近な業務ほど、アナログなやり方で残ってしまっていることが多い点です。全社的な共通業務は、ワークフローシステムなどが導入されており、IT部門が関わり予算をかけて導入していることが多くあります。一方で、それぞれの部門で行われている業務では、そうしたデジタル化の予算が付かずに、手作業や紙を使った業務も残っていることが多くあります。例えば、部内の備品の持ち出しや予約管理を紙で行っている場合、その持ち出し・予約状況を確認するためには出社せざるを得ません。このようにちょっとした業務ではあるものの、それがデジタル化されていないために、従業員の働き方には制約が生まれてしまいます。

従業員の身近な業務がデジタル化されずに残る

そこで、いま注目されているのが、Microsoft 365 で利用できる SharePoint Online や、ローコード開発ツールであるPower Apps、Power Automateです。これらのツールを利用し、これまで紙を利用して行っていた部内業務も、デジタル化できるものが多くあるかもしれません。特にPower Appsでは、データの入力や閲覧のフォームを素早く作成することができます。そして、こうしたツールの使い方を習得し利用するための難易度は下がってきており、ユーザー部門でも自分たちで仕組みを作ってしまうといった例も着実に増えてきています。

社内でも社外でも同じ環境を利用する

ハイブリッドワークを実践するときは、働く場所に関わらず常に同じパソコンを利用したいと考えるはずです。これまでも、ノートパソコンを社外に持ち出したり、シンクライアントを利用したりといった方法がありました。しかしながら、紛失のリスクがあったり、高額な費用が必要になってしまったり、管理が複雑になってしまったりといった課題があります。そこで、昨年Microsoftから発表され注目されているのが、クラウド上のWindowsを利用することができるWindows 365です。

Windows 365 クラウド上で動作するクラウドPCを手元の端末から利用

毎月の決められた料金体系に応じて支払うことで、ユーザーはどこからでもアクセスができるほか、ブラウザからもアクセスできるためiPadなどからも利用することができます。デスクトップ上のデータはすべてクラウド上にあるため、物理的な紛失によるリスクも減らすことができます。SaaSとして提供されるため、管理もシンプルなものになっています。

リモートアクセスのためのネットワーク整備

クラウドサービスを導入したとしても、それに接続するためのネットワークが無ければ利用することができません。在宅でのリモートワークをはじめようとするときに、自宅ではインターネット回線を契約していないといった問題も顕在化することがあります。また、頻繁に在宅勤務を行う業種の場合、インターネット回線の費用を会社が負担するという動きも広がってきているようです。

そうした流れを受けて、5G回線が在宅勤務のブロードバンド回線として注目されています。5G回線では高速通信が可能であり、工事不要でルーターを設置できる点がメリットです。また、5G回線を仕事で用いる専用回線として利用することで、プライベートで利用している機器を同一ネットワークに置かないようにすることで、セキュリティ対策も取りやすくなります。

まだまだサービスエリアが限られていますが、普及するにしたがいリモートワークの重要なツールとなりそうです。

オフィスに出社する意味を最大化する

働く場所を柔軟に選択できるハイブリッドワークでは、これまで以上にオフィスに出社する目的を明確化する必要があります。そのひとつの目的が、従業員同士の対面によるコミュニケーションです。Web会議が浸透してきたとはいっても、対面のコミュニケーションをすべて置き換えられるものにはなっていません。何人かで集まってアイデア出しをするようなブレスト会議では、やはり同じ場所に集まって議論したほうが、早く柔軟に会議を進めることができます。

ほかにも、オフィスに出社して偶然会った同僚と話をしたり、直接会うことによって安心感を得られたりすることもあります。こうした働き方が日常化していけば、リモートワークでの気分をリフレッシュするためにオフィスに出社するといったこともあるかもしれません。

そうしたオフィスに出社して行う働き方をより効果的にするために、内田洋行ではオフィスワークナビゲーションシステム「SmartOfficeNavigator」を開発しています。従業員の在席情報をWi-Fiなどを利用して取得することで、話したい相手がどこにいるかを把握でき直接会いにいくことができたり、オフィス内の混雑状況を可視化することで集中して作業できる場所を見つけたりすることができます。さらには、その日に働きたいお気に入りの場所や必要な会議室をあらかじめ予約しておくこともでき、オフィスに出社したものの作業スペースが無かったという事態を防ぐこともできます。

オフィスワークナビゲーションシステム - SmartOfficeNavigator(スマートオフィスナビゲーター) | 内田洋行

このように、リモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせるハイブリッドワークの実践のためには、従業員がどこからでも平等に利用できるIT環境の整備が必要になります。ひと口にIT環境と言っても、コミュニケーションツールや業務アプリ、パソコンやネットワークなど多岐に渡ります。しかしながら、従業員の働き方の見直しや、さらには、災害や緊急時の事業継続のためにも今後も必要性が高まっていくことでしょう。こうした新しい働き方が根づき、それによって私たちの生活や人生にどのような影響が与えられるのか、個人的にも楽しみにしているところです。

Microsoft 365 の導入・活用を検討されている方へ

主な製品シリーズ

  • Webベース基幹業務システム スーパーカクテル イノーヴァ
  • 業種特化型基幹業務システム スーパーカクテルCore
  • 会議室予約・運用システム SMART ROOMS
  • 絆 高齢者介護システム
  • 絆 障がい者福祉システム あすなろ台帳

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