【講演】先進的なIT化に取り組む食品関連企業8社の事例を紹介
日清食品ホールディングス株式会社 執行役員・CIO 喜多羅 滋夫 氏
今回、特別講演としてお招きしたのが、日清食品ホールディングス株式会社のIT化を牽引する、執行役員・CIOの喜多羅滋夫氏。満席の参加者が耳を傾けるなか、新しい基幹システムを導入し複雑な社内システムを整理・統合、効率的な保守運用を実現したことで、勤務時間の削減に加え人材育成を成し遂げた事例を語っていただきました。
そのほか、農産物の流通企業・種苗メーカー・ICT企業の3社により設立された株式会社スマートアグリカルチャー磐田の新たな農業のビジネスモデルや、サッポログループマネジメント株式会社のグループロジスティクスの考え方、「神戸プリン」で知られるトーラク株式会社のITを活用したサスティナビリティ経営についてなど、食品業に携わる全8社による事例紹介の講演が行われました。
「植物工場」「物流効率化」「クラウド・食品業向けパッケージ活用」「受発注生産性向上(RPA)」「需要予測・需給調整」「データ活用」「原価管理」など、多彩なテーマで行われた講演の一部は、ITレポートにて公開予定。
【展示】基幹システムに物流、RPAまで。多彩な製品を展示
各種講演が行われている間、地下1階で行われていたのは「ソリューション展示」。株式会社内田洋行の基幹業務システム「スーパーカクテルシリーズ」をはじめ、株式会社フェアウェイソリューションズの需給調整PSIソリューション「φ-Pilot Series」、株式会社キーエンスの文字認識機能搭載ハンディーターミナル「ハンディーターミナルBTシリーズ」、ユーザックシステム株式会社のRPA業務自動化ソフトウェア「Autoブラウザ名人 Autoメール名人」などなど、物流からRPAまで、食品業向けのさまざまなIT関連製品を紹介する全10ブースが並びました。
展示ソリューションの一覧(東京会場)
食品業向け基幹業務パッケージ
スーパーカクテルデュオFOODs
株式会社内田洋行
食品製造小売業向け基幹業務パッケージ
スーパーカクテルデュオFOODs店舗販売
株式会社内田洋行
食品業務向けBI見える化ツール
MotionBoard食品テンプレート
ウイングアーク1st株式会社
需給調整PSIソリューション
φ-Pilot Series
株式会社フェアウェイソリューションズ
庫内作業・在庫の最適化を支援するWMS
スーパーカクテル物流
株式会社内田洋行
配送計画・運賃シミュレーション
簡易配車インタフェース
アドバンスド・コア・テクノロジー株式会社
文字認識機能搭載ハンディターミナル
ハンディーターミナルBTシリーズ
株式会社キーエンス
物流業務向けBI見える化ツール
MotionBoard 物流KPI分析テンプレート
ウイングアーク1st株式会社
RPA業務自動化ソフトウェア
Autoブラウザ名人 Autoメール名人
ユーザックシステム株式会社
スーパーカクテルを植物工場の経営管理に最適化
植物工場向けスーパーカクテルクラウド
株式会社内田洋行
ブースの様子
会場には多数の来場者の姿が見られ、各ブース担当者と話し込むビジネスマンの姿も。たとえば内田洋行の「スーパーカクテルデュオFOODs店舗販売」は、食品を扱う企業の業務に特化したERPパッケージに小売業態の機能をアドオンした製品。デパ地下などで直接販売している食品メーカーの方が興味深く説明を聞いていました。
また、社内に蓄積された大量のデータを分析・可視化できるウイングアーク1stのBIツールに食品業務ならではの分析視点を取り入れた「MotionBoard食品テンプレート」のブースにも人だかりが。こちらでは、オリジナルキャラクター「わっとちゃん」のグッズを配布してPR。来場者の人気を呼んでいました。
お客様の導入事例記事をパネルで紹介
日本食糧新聞に掲載された食品業のお客様のシステム導入事例記事をパネルにてご紹介するコーナーを設けました。気になる記事をまとめ読みできるため好評でした。
【来場者の声】さらに加速している、食品業界全体のIT化
神戸プリン・ココナッツサブレ・水のほうれん草
展示会場では、各ブースのほか来場者へのプレゼントもご用意。おなじみのお菓子「ココナッツサブレ」(日清シスコ株式会社)や「サッポロ黒ラベル」(サッポロビール株式会社)から、なんと生のホウレンソウ(株式会社スマートアグリカルチャー磐田)まで、講演を行った各企業から自社製品が提供されました。会場に設けられた休憩スペースでは、さっそく口にする来場者の姿も……。来場者の方にお話をうかがったところ、こんな感想が聞かれました。
「私たちは調味料や食材の製造・販売を行っている会社の社員です。いま、会社でRPAツールによる業務効率化を進めようとしていて、参考になればと『RPAを活用した業務の自動化による働き方変革』という講演を聞きにきました。また、他社の動向をつかむために、原価管理システムの実践事例の講演にも申し込みました。展示ブースも気になるものがたくさんありますね!」
食品関連業や植物工場関連業に携わる方が数多く参加した今回の「食品ITフェア2018」。講演で語られた数々の先進的な事例が示すように、いま、食品業におけるIT化はさらに加速しています。その息吹が、随所で感じられるイベントとなりました。