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【食品工場長向けコラム】 防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

2022/10/28 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜」と題して、日々のヒヤリ・ハット事故への対策、避難経路や消火器などの点検を怠らないことの重要性についてお話します。

他山の石として受け止めること

2022年2月に新潟の菓子工場で、多数の死亡者がでる火災が発生してしまいました。
9月にも、広島の食品工場で火災が発生しています。

私も、食品工場の火事の燃えている現場、消火後の復旧の現場に何度か立ち会った事がありますが、亡くなられた方が出た現場には立ち会った事はありません。
報道によると、新潟の工場は深夜の火災だったため、避難経路がわからずに防火シャッターのそばで亡くなられていたとあり、防火シャッター等に蓄光の工夫があれば防げた死亡事故と思うと、非常に残念です。

火災が発生したときには、初期消火にあたることと、まず、逃げることを日常的に従業員教育することが大切です。
新潟の工場では、消防で把握している火事だけでも過去に8回、従業員の話だと小さなボヤも数多く発生していたようです。小さいヒヤリ事故のうちになぜ、対策を取らなかったのか非常に残念です。
新潟の死亡事故を他山の石として、加熱設備には自動消火装置の設置を検討してみませんか。

避難経路の確認

食品工場の現場で「非常口」の看板があり、避難経路になっているけれど、その先は出入り口が封鎖されている場合があります。虫が侵入するとの理由で非常口自体が開かなくなっている場合、外部侵入者を防ぐためにチェーンでロックしている場合などがあります。

非常口は火事などの場合の避難経路になりますので簡単な方法で鍵を外して避難できるようにしておくことが重要です。非常シャッターが自動で閉まった場合、避難ドアの開け方やどこにあるかなど、停電した場合でも避難口にたどり着けるように、蓄光の蛍光灯、照明、シールなどの設置を行うことが必要です。
実際に、日が落ちてから、照明を消して、避難経路が判明するか確認することをお勧めします。

消火器の位置がわかるか

あなたの目の前で火事が起きたとします。大きな工場であればこの時点でスプリンクラーが作動しますが、ほとんどの工場ではスプリンクラーが設置してあることは非常に少ないと思います。

火事に気がついた方が消火器で初期消火することになると思いますが、作業場の何処からでも消火器の場所が目に付きますか。消火器が何処にあるかどこから見ても明確になっていますか。消火器の表示は色々有りますが、図の様に赤い三角形がひらひらしている表示は判りやすい表示になります。日本語の読めない方でも、容易にわかる表示が必要です。

消火器は手に取りやすい場所に置いてありますか。消火器の前に荷物が放置されていて消火器に手が届かないようになっていませんか。
消火器の使用できる日付は期限内になっていますか。

消火栓も使い方が判らないと使用することはできません。消火栓からホースを火元まで延ばしても電気のスイッチを押さないと水は出ないのです。水を出すためのスイッチが何処にあるか日ごろ訓練を積んでおく必要があります。

一度、防火管理対策ができているか、工場点検を計画してみませんか。

防火対策のチェックリスト

項目 内容
1.防火対策の担当 防火対策の担当、点検の担当が明確になっているか
2.過去のボヤ対策/td> 過去にボヤを出した場所の対策ができているか
3.漏電対策 毎月、漏電などの点検を行っているか
4.加熱設備対策 加熱設備には、自動消火装置が設置されているか
5.天かす等の処理 潜在的に熱を持っている天かすなどの処理方法が適切か
6.暖房設備 暖房設備の消し忘れなどの管理ができているか
7.電気製品の管理 家庭用延長ケーブルなどを作業場で使用していないか
8.たばこの処理 喫煙後のたばこの処理方法が適切かどうか確認しているか
9.放火対策 悪意を持った方が侵入できない環境になっているか
10.消火栓の取り扱い 従業員全員が消火栓の取り扱いを理解しているか
消火器の置き方

食品工場長向けコラムの記事一覧

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カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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