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【食品工場長向けコラム】 原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

2023/1/20 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜」と題して、リコールや不良品への対策に有効な紐づけ(トレースフォワード)を行うために必要なことをお話します。

原材料に問題があるとわかった時

あなたの工場で使用している粉類、添加物、香料などに、異物混入や使用してはならない添加物を使用していた等の問題が判明したときに、問題のある原料の紐を引っ張れば、使用履歴、製造履歴、出荷履歴とつながり、最終商品の出荷先、保管先が5分以内に明確になりますか。

最終商品から紐をひっぱった時には、直ぐに使用した原材料が明確になる工場は多くあり、紙の帳票でも直ぐに記録をたどれる所は多いのですが、原材料から紐をひっぱった時に、途中の枝分かれが多く、確認までに時間のかかるところがあります。

あなたの工場の管理がどのようになっているか、原材料、添加物、包装資材について、それぞれLOT区分が確実に出来ているか確認してみませんか。

紐を付けるために必要なこと

  • 原材料の入荷時に、原材料の製造日が毎日新しい物が入荷してきていることを確認していますか。原材料の製造LOTが必ず前日よりも新しくなっていますか。
  • 入荷時に、数量以外の品質、表示を確認していますか。
  • 使用時に、先入れ先出しを行わなかったときに気がつくシステムができていますか。
  • 配合時などに、使用したLOTを確認し記録していますか。この記録時に、間違えたLOT番号を書いたときに気がつくようになっていますか。
  • 殺菌温度、冷蔵庫の温度のように、帳票上で今日使用する原料のLOTは何番を使用するか、帳票上に自働で記載があって、作業者が記載してあるLOT番号を見て使用するようにしてありますか。

ほとんどの工場では、空白の帳票に、ただ作業者がLOT番号を記載し、帳票の確認者も見ていない状況になっています。システム上、今日使用する原材料のLOTはこれを使用すべきと事前に記載できる仕組みが必要です。

記録の保管は、特に添加物、原材料を製造している工場では、製造した添加物、原材料を出荷先の工場で使用した製品の賞味期限切れまで保管する必要があります。あなたの工場の製品がどのように使用されているかの確認が必要です。

最終製品からのトレースバックの訓練だけでなく、ある原材料の、あるLOTからの紐付けができているかどうかの訓練を行ってみませんか。

原材料の入荷時に、原材料の製造日が毎日新しい物が入荷してきていることを確認していますか。原材料の製造LOTが必ず前日よりも新しくなっていますか。

入荷時に、数量以外の品質、表示を確認していますか。

使用時に、先入れ先出しを行わなかったときに気がつくシステムができていますか。

配合時などに、使用したLOTを確認し記録していますか。この記録時に、間違えたLOT番号を書いたときに気がつくようになっていますか。

殺菌温度、冷蔵庫の温度のように、帳票上で今日使用する原料のLOTは何番を使用するか、帳票上に自働で記載があって、作業者が記載してあるLOT番号を見て使用するようにしてありますか。

ほとんどの工場では、空白の帳票に、ただ作業者がLOT番号を記載し、帳票の確認者も見ていない状況になっています。システム上、今日使用する原材料のLOTはこれを使用すべきと事前に記載できる仕組みが必要です。

記録の保管は、特に添加物、原材料を製造している工場では、製造した添加物、原材料を出荷先の工場で使用した製品の賞味期限切れまで保管する必要があります。あなたの工場の製品がどのように使用されているかの確認が必要です。

最終製品からのトレースバックの訓練だけでなく、ある原材料の、あるLOTからの紐付けができているかどうかの訓練を行ってみませんか。

原材料からの紐づけを実現するためのチェックリスト

項目 内容
1.入荷時の検品 入荷時に、数量以外の品質の検品を行っているか
2.LOT区分 先入れ先出しなどのLOT区分が確実か
3.使用時の紐つけ 配合などの使用時に、原材料の紐付けをおこなっているか
4.記録の保管 最終商品の賞味期限切れまで、記録を保管しているか
5.紐付け訓練の実施 最終商品までの紐付けの確認訓練をおこなっているか
履歴の問い合わせについて

食品工場長向けコラムの記事一覧

・原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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