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【内田洋行ITフェア2015in東京】 クラウド事情最前線 ビジネスを支えるAWSクラウド活用術

2016/2/1 [クラウド,セミナーレポート]

2006年にAmazon Web Services, Inc. がクラウドコンピューティングサービスであるアマゾンウェブサービス(以下、AWS)を提供開始してから9年がたち、クラウドは特別なものではなくITでビジネスを加速させる上で必須の環境となっています。本セッションでは、お客様へのAWS導入事例を中心に、企業ITで大きく広がるクラウドの活用と、そのビジネスを支えるAWSの最新動向についてご紹介します。

目次

  • なぜAmazonがクラウドコンピューティングサービスなのか
  • AWSの特徴と導入のメリット
  • クラウド事情最前線
  • AWS利用の不安点

内田洋行ITフェア2015 in 東京にて

アマゾンウェブサービスジャパン株式会社

なぜAmazonがクラウドコンピューティングサービスなのか

AWSとは、Amazon.comの関連会社であるAmazonWeb Services, Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。

Amazonというと、みなさんは“本屋”を連想すると思いますが、なぜAmazonがクラウドコンピューティングサービスを始めたのでしょうか。

答えは、Amazonの創業者のジェフ・ベゾスが掲げるミッション、「Earth’s Most Customer Centric Company」つまり、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」にあります。

この図は、もとはジェフ・ベゾスがカフェの紙ナプキンに描いた図だと言われていますが、Amazonのビジネスモデルを示したものです。

Since1995…「規模の経済」×「ITの活用」で「薄利多売」のビジネスモデルを実現

「規模の経済」による低コスト化、「ITの活用」による効率化によって「薄利多売」のビジネスモデルを実現する。

徹底した低コスト化による値下げが顧客満足度の向上につながり、新規ユーザーが増える。するとパートナー企業も増える。パートナー企業が持つ新しいソリューションによって選択肢が増える。するとまたそれが顧客満足につながるという好循環が生まれ、結果として自社の成長につながるというモデルです。

本も、クラウドコンピューティングサービスも、同じビジネスモデルのもとに提供していると考えています。

AWSの特徴と導入のメリット

AWSは、2006年に始まりました。現在では50を超えるサービスを提供しています。

最初に始めたのは、AmazonS3(Amazon Simple Storage Service)という、クラウドストレージサービスです。当初、このサービスは、大量の顧客データを安全に保管したいというAmazonの社内のビジネス課題を解決するために生まれました。

このサービスのすごいところは、ユーザーがデータを保存した瞬間に3カ所のデータセンターに自動的に複製されることです。3つのデータセンターが同時にダメになる可能性は極めて低く(設計上の耐久性は99.999999999%)安心してご利用いただけます。

AWSの特徴は次の6つです。

  • (1) 初期投資が不要
  • (2) 低額な利用価格
  • (3) 実際の使用分のみ支払い
  • (4) セルフサービスなインフラ
  • (5) スケールアップ・ダウン、イン・アウトが容易
  • (6) ビジネススピードの改善

(1) アマゾンのアカウントを作っていただくだけですぐにスタートできます。

(2) (3) 従量課金で利用いただけます。また、2006年から51回の値下げを行っています。

(4) セルフサービスなインフラを構築するためAPI連携を行うことが可能です。

(5) サーバーのスペックが足りなかった、逆に大きすぎたという場合15分程度で適性なサイズにすることができるので無駄がありません。

(6) これはビジネス上、もっとも重要なことだと思いますが、一般的には新規にサーバーを設置する場合、最短でも数か月くらいはかかります。しかし、AWSなら大幅な時間短縮ができすぐにサービスを提供できます。

クラウドサービスのメリットはコストだとよく言われますが、クラウドの本当の価値はビジネススピードの改善やビジネスモデルの変革にあります。

2006年からスタートし、来年で10年目を迎えます。リージョンと呼ばれるデータセンター拠点は世界で12カ所。世界190カ国以上、100万以上のお客様に利用いただいています。

クラウド事情最前線

「クラウドファーストからクラウドネイティブへ」

これが、私どもの最近のキーワードです。

クラウドファーストとは、システムを構築する場合に、最初の選択肢としてクラウドを選ぶという意味です。「日経コンピューター」誌の中で初めてこの言葉が使われたのが2年前の2013年です。もはや、クラウドコンピューティングは常識になり、次の段階があるのではないか。それが「クラウドネイティブ」です。

「クラウドネイティブ」とは、AWSのフルマネージドサービスを利用していただくことを前提にシステムやアプリケーションを構築することで、みなさんが本来の業務に集中していただけるということ。

たとえば、サーバーの設置やネットワーク管理、アプライアンス管理は皆さんの本来の業務ではないはずです。それを、AWSがすべて請け負うことで、みなさんの不要な業務を徹底的に省力化する。

最終的にはサーバーレスにすることも可能です。費用対効果の向上をさらに一歩進められます。

デジタル革新に向けたお客様との取り組み

AWS利用の不安点

クラウドコンピューティングサービス導入にあたっての不安点は大きくは以下の3点だと思います。

  • (1) セキュリティ
  • (2) 移行
  • (3) 料金

(1) セキュリティ

セキュリティについては、「共有責任モデル」を考えています。

お客様は、基本的にOS以上のセキュリティに責任を持つ。AWSはハイパーバイザー以下のセキュリティに責任を持つという考え方です。つまり、お客様は、サーバー、ストレージ、DBなどについてはまったく心配しないでAWSに任せて大丈夫ということです。

富士通の次世代クラウド基盤 デジタルビジネス・プラットフォーム

AWSのリージョンの場所は社員もごく一部を除いて知りません。また、第3者による監査機関も設置しています。厳重なセキュリティ管理を行っています。

2013年のユーザー調査でも、60%の企業が、自社にデータセンターを持つよりもクラウドのほうがセキュリティが高いと答えています(出典:IDC 2013 U.S. Cloud SecuritySurvey Doc)。

(2) 移行

大量のデータの移行は、AWSの2つの新サービスによって低コスト、短時間で可能になりました。

・AWS Import/Export Snowball

AWSから提供するハードウェアにお客様の大切なデータを入れてアマゾンに送っていただくサービスです。大量のデータも迅速に移行することができます。

・AWS Database Migration Service

いろいろなDB、異機種間でデータの同期をするサービスです。最小限のダウンタイムでデータベースのAWS移行を実現します。オンプレと並行し、徐々にAWSに移行することもできます。また、AWS Database Migration Serviceに加えて、大容量のデータ移行を行う際に作業時間の短縮を考慮するとAmazon所有のストレージアプライアンスAWS Import / Export Snowballをご利用頂くことも可能です。

(3) 料金

一般的に、AWSの利用料金の中で、大きなウェートを占めるのが時間課金部分です。この部分を圧縮するために、2つのオプションを用意しています。

1)リザーブドインスタンス

・あらかじめ1年または3年間使用する前提で前払いしていただくことで割引できる仕組みです。

2)スポットインスタンス

・スポット価格(時価)による課金。開発や検証などで一時的に使用する場合に適しています。

ご利用状況によって、最適なオプションを選択していただくことで、コストを圧縮することができます。また、予算どりもしやすくなります。

AWSは日本でも数万のお客様にご活用いただいています。

ぜひAWSを上手に活用して、業務の効率化、本来のビジネスへの集中を実現してほしいと思います。

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