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【内田洋行ITフェア2018in東京】 未来志向の基幹システムとは。
安定性・信頼性+データ連携スピード、利便性向上で変化に立ち向かう。

2018/12/13 [ERP,セミナーレポート]

導入実績450業種、5,000本……中堅中小食品業向けERP分野において売上実績No.1のシステム「スーパーカクテル」が生まれ変わりました。生産性向上やビジネススピード向上のみならず、デジタルビジネス時代の新たなサービス構築や需要拡大に貢献。今回は、新機能「処理の予測・自動化」、「物流・原価業務プロセスの強化」や最新の他システムとすぐにつながる「API連携機能」などのポイントを紹介します。

目次

  • お客様の生産性の向上に「いかにお役立ちができるか」
  • クラウドとのミックスでサプライチェーン全体の生産性を向上
  • 基幹システムの基本機能を強化
  • 「スーパーカクテルCore」の5つの機能強化ポイント
  • (1)ハンディターミナルを活用して庫内サイクルを効率化
  • (2)生産や販売計画の立案を支援
  • (3)連産型や分散型の生産にも対応
  • (4)原価管理の効率化と経費労務費の連携
  • (5)消費税の複数税率にもしっかりと対応

内田洋行ITフェア2018in東京にて

株式会社内田洋行
情報システム事業部 プロダクト開発部 部長
内藤祐介

お客様の生産性の向上に「いかにお役立ちができるか」

「未来志向の基幹システムとは」と題して、この2018年11月にリリースした弊社のソフトウェア「スーパーカクテルCore」について説明します。

今、「働き方改革」というキーワードがいろいろなところで聞かれ、「休み方改革」という言葉も現れている状況です。少子高齢化が進んでいる中、どのように私たちの働き方を改革していき、どのように生産性の向上を図っていくのか。すべての企業にとって、これが経営課題になっていると思います。

今回の「スーパーカクテルCore」の開発にあたっては、お客様の生産性の向上に対して「いかにお役立ちができるか」を最大テーマに取り組んできました。私どもは、お客様の業務効率の改善に向けて今後の大きな経営テーマとなる省力化や省人化を如何に図っていくかが重要だと考え、基幹システムのさらなる機能強化を実現したいと考えます。

しかしながら、自社だけで実現できる生産性改善の範囲は限定されます。今、中小企業に求められる基幹業務システムは、取引先とのサプライチェーンの中で省力化や省人化を図るなど、社内外全体における業務プロセスの生産性の向上を図っていくものだと考えています。

クラウドとのミックスでサプライチェーン全体の生産性を向上

「スーパーカクテルCore」のコンセプトは、社内業務の省力化や省人化を図る基幹システムに加えて、企業間のサプライチェーン全体における省力化や省人化を図るクラウドサービスの二つをうまくミックスさせることで、お客様の生産性向上の実現を目指すというものです。

現行の「スーパーカクテル」を利用しているお客様の中には、すでに基幹システムとクラウドを連携させた事例がいろいろと出ています。2つの事例を紹介します。

1つ目は、製造卸業のお客様です。この会社では、流通在庫の縮小をテーマにされました。そのため、まずEDI化を実施し在庫情報をクラウド上に公開し、在庫照会や在庫引当情報を取引先がいつでも確認できる環境を整備されました。それにより納期回答のスピード化や納期の短縮化を実現しました。

こうして省力化や省人化を図ることで、サービスの向上や納期の短縮化も同時に実現。さらに、得意先の購買システムとのパンチアウト連携や、運送会社の貨物追跡サービスとの連携強化なども図りました。基幹システムとクラウドサービスを結びつけることで、得意先と代理店、外部サービスとの連携が強まり、受注から出荷まで時間を最短化し、ビジネススピードの向上を可能にしました。

2つ目は、製造小売業の事例です。この会社では、店舗や工場、倉庫などに分散されている個々のデータをクラウドに集約することで、社内におけるデータ連携を強化し、本部がリアルタイムに全社の経営データを入手することを可能にしました。また、サーバーをクラウド上に配置することで、サーバーの稼働監視やデータバックアップなどの負荷の軽減も実現。さらに、協力工場や仕入れ先に対しても、原料在庫の情報を公開し、調達のリードタイムの短縮も可能にしました。その結果、在庫の最適化と納期の短縮化につなげられました。

こうした導入事例や成功モデルを上手に活かしながら、私どもはお客様の生産性向上の実現を進めたいと考えています。

今回、「スーパーカクテルCore」の開発にあたっては、まず基幹システムの「販売管理」「会計管理」「物流管理」「生産管理」「原価管理」に関わる機能について大幅な強化を図りました。そして、EDIを介して外部システムや外部サービスと連携できる仕組みをクラウド基盤の中に用意。「スーパーカクテルCore」でこうした形を作ることができれば、自社単独の業務改善にとどまることなく、サプライチェーン全体で生産性の向上を目指せるようになります。

基幹システムの基本機能を強化

「スーパーカクテルCore」の特徴を紹介します。まずは、強化された基幹システムの基本機能です。3点あります。

1つ目は、業務自動化の強化です。今回、新たに「自動化ツール」を採用しました。たとえば、日報や統計資料の作成などの定型業務があれば、これに対して自動化を推進し、業務の手間を削減していきます。

2つ目は、データ閲覧や登録権限の強化です。システムを利用するときのデータの閲覧や登録の権限を強化して、取引データの参照について制限したり、伝票処理の誤入力を防止したりします。

3つ目は、組織変更対応の強化です。組織変更があると、マスターやデータの移行でとても手間がかかります。この移行をスムーズに進める機能を強化しました。

「スーパーカクテルCore」は、お客様の販売計画や調達、生産計画、在庫、販売などの業務プロセスをしっかりと連動させることで、サプライチェーンの効率化を図ります。特に、物流業務を外部に委託すると、在庫管理で商流や物流が求められます。販売数量と金額を示す商流在庫と、在庫数量とロケーションを示す物流在庫の同期がどうしても必要で、これを実現する仕組みを今回用意しました。

さらに、在庫管理においてはバーコードを活用した入出荷検品システムも用意しました。これを使えば在庫管理の精度を向上させられます。たとえば賞味期限や製造ロットの日付の管理を自動化でき、日付の逆転を防止できます。

当社の「スーパーカクテル」は、食品業向けERPで3年連続シェアNo.1(※)を達成しています。今回は、食品製造業などプロセス型製造業に最適なパッケージ「スーパーカクテルCore FOODs」も別途用意しました。これまでの多くの活用事例を活かした内容になっております。
(※)出典ITR「ITR Market View:ERP市場2018」ベンダー別売上金額シェア2015年度・2016年度・2017年度(予測)、スーパーカクテルデュオ、イノーヴァが対象

この業界では、季節変動や消費動向を踏まえた販売計画や生産計画による在庫の適正化や、製造出荷の流通在庫の短縮化が強く求められます。この「スーパーカクテルCore FOODs」は、販売・生産計画の見える化や予定原価と実際原価の差違の把握、マスターへのスムーズなフィードバックなどの機能を備え、プロセス全体のPDCAサイクルをしっかりと回す駆動力を生み出します。

「スーパーカクテルCore」における基幹システムとクラウドとの連携のイメージは、次のようになります。ポイントは、APIを介して取引先とスムーズにつながることで、業務の効率化やビジネススピードの向上を図ることが可能になるという点です。

「スーパーカクテルCore」の5つの機能強化ポイント

ここからは、強化した機能のポイントを紹介したいと思います。以下の5つあります。

次の絵は、食品業の製造現場をイメージしたものです。入荷検品から棚入れが始まり、製造指示があり、ピッキングをして生産をし、検査業務を行って、出荷トレースをしていく。また、原価管理や購買管理などもする。今回の強化ポイントは、この絵の中でオレンジ色で示した部分、つまり入荷検品、ロケーション管理、出荷管理、検査業務、原価管理部門の機能に関わるところです。

強化ポイント1:ハンディターミナルを活用して庫内サイクルを効率化

まずは物流業務の支援です。

今回、物流オプションとして、ハンディターミナルによる入出荷検品という新しい機能を用意しました。入出荷検品や在庫管理をスムーズに行えます。たとえば、入荷した品物を棚に入れようとしたとき、所定のスペースが空いておらず、仕方なく別の場所に収めるというケースはよく発生すると思います。このような品物を、ハンディターミナルを使ってロケーション別に管理できれば、どこに何がいくつあるかいつでもわかるようになります。ピッキングもスムーズになり、庫内サイクルの効率化も図れるようになります。

在庫管理においては、新たに部分引当への対応も可能にしました。現行の「スーパーカクテル」では、受注数に対して有効在庫が満たないケースがあると「引当ができない」と判断し、「出荷できない」という形をとっています。しかし、「スーパーカクテルCore」では、有効在庫分の先行引当を可能にして、先行出荷や分納に対応できる機能を盛り込みました。

強化ポイント2:生産や販売計画の立案を支援

2つ目の強化ポイントは、PDCAサイクルの最適化です。今回は、このサイクルの中でも、販売計画の立案や生産計画への連携、販売計画予実表に関わるところを強化しました。

販売計画は、過去の売上データを参考にしながら作成し、これをベースに予測や目標を立て、生産計画に連動させていきます。「スーパーカクテルCore」は、この販売計画と生産計画をしっかりと連携させることで、効率化を図り、計画の立案をスムーズに進めることを可能にします。

また、今回、販売計画に対する実績を管理するための「販売予実対比表」を用意しました。計画に対する実績の計画比や前年比、伸張比などの推移をゲスト別に確認できるので、計画の見直しに活用できます。

強化ポイント3:連産型や分散型の生産にも対応

3つ目の強化ポイントは、プロセス型生産機能の拡充です。プロセス型生産は、さまざまな形態があり、今回の「スーパーカクテルCore」では、単体型だけでなく、複数の製品を複数の原材料から製造する連産型にも対応できるようになりました。計画、製造、完成までのプロセスを一元管理できるようになっております。また、一つの材料から複数の製品を生産する分解型についても機能強化をして、加工の指示書なども出力できるようにしました。より精度の高い生産性を実現できるはずです。

今回、生産管理の部分では検査管理の充実も図りました。検査工程の管理をしっかりと進めていこうということで、「検査中」や「合否判定中」などの検査工程ステータスをしっかり把握できるようにしました。また、検査中の製品は正式な在庫とは別に管理し、最終検査の合格を経たものを改めて正式な在庫として加えるという形にしました。在庫管理の精度をさらに上げられるでしょう。

強化ポイント4:原価管理の効率化と経費労務費の連携

4つ目は、原価管理の効率化です。

今回、原価シミュレーションの機能も強化しました。現行では、生産数とコストによる原価シミュレーションと、販売単価の設定による売上のシミュレーション、そしてこの原価のシミュレーションと売上のシミュレーションの結果から求められる利益のシミュレーションを提供しています。「スーパーカクテルCore」では、これらに加えて、販売金額の目標や売上予想を起点として、その金額を達成するために必要な販売数や生産数などの数量シミュレーションもできるようにしました。原単価だけでなく、利益率や限界利益、利益額を総コストで割り算した生産性も把握できるようにしました。

経費や労務費の連携についても強化しました。現行でも、経費や労務費の入力機能を用意していますが、今回はExcelで作成したデータをシステムに取り込める機能を新たに用意。このExcelの作成にあたっては、過去の会計システムのデータを参照できます。これによって入力の省力化を図ることが可能です。また、仕入データを参照しながら外注経費を自動生成していく機能も用意しました。

強化ポイント5:消費税の複数税率にもしっかりと対応

最後は、法令対応です。いよいよ2019年10月から消費税が改正され、軽減税率を含む複数税率に対応する必要性が出てきます。税率の移行期では、経過措置としての8%、改正消費税としての10%、軽減税率としての8%の3種類が発生すると思われます。

ここで注意しなければならないのは、経過措置の8%と軽減税率の8%では意味合いが違うことです。国税と地方税の内訳が微妙に異なり、消費税の申告にはこれらをきちんと区分けして管理しなくてはなりません。

「スーパーカクテルCore」は、この混在する税率に対応します。税取引を区分けする課税種別と税率を区分けする軽減種別を別々に管理することを可能にして、税率別に売上を表示しなくてはならない請求書では、区分記載請求書をアウトプットします。

今回、締日変更の簡素化も行いました。現行は、得意先マスターの中で設定した締日のサイクルにのみ対応します。今回、得意先の都合などで発生したイレギュラーな請求締や締日変更に対して随時締処理を追加しました。従来、制限の多かった締日変更に伴う運用も簡単に実施できるようになります。税改正の移行のタイミングでも、この随時締処理の機能を利用することが可能です。

また、「スーパーカクテルCore 会計」についても、当然のことながら、消費税の改正や元号の改訂に対応します。

新しくなった「スーパーカクテル」をぜひ展示会場でご確認ください。

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