今回は、内田洋行のスーパーカクテルInnovaと、NTTデータのProject Space(プロジェクト・スペース)を紹介します。
まず、内田洋行の横田より、スーパーカクテルInnovaについて説明します。
設備業界を巡る市場動向
タイトルで「設備業等の工事業様に特化した」と謳っていますが、なぜ設備業なのでしょうか。市場環境を整理してみましょう。
設備業界には、オリンピック需要、災害対策を含む国土強靭化による需要の高まりなどプラス要因がある一方、労働人口の減少、人件費・資材費の高騰などのマイナス要因もあり、収益の圧迫、業務負荷の増大など、悪循環に陥っているという現状があります。
スーパーカクテルInnovaでできること
ソリューションの1つとして、紹介したいのが、スーパーカクテルInnovaです。
スーパーカクテルInnovaは、基幹系システム(販売・購買・在庫など)に、ワークフロー、社内情報共有ポータルなどの社内システムを統合した、オールインワンのERP(Enterprise Resources Planning)パッケージです。さらに、帳票出力ツールなども組み込まれており、会社の業務すべてを網羅することができます。
また、複数の会社で1つのアプリケーションを共同利用できる「マルチテナント」、「取引先連携」「多言語・多通貨対応」など、多彩な機能を標準で装備しているだけでなく、カスタマイズ・拡張性に優れています。
基盤としては、情報系に強い「intra-mart」と、基幹系に強い「Biz∫APF」を採用しています。この後、ご紹介するProject-Spaceも、同じプラットフォームで稼働します。
スーパーカクテルInnovaの特徴は次の5つです。
1)総合データベースシステム・共通マスターによる優れた拡張性
intra-mart上に構築したアプリケーション(スーパーカクテルInnova/Biz∫シリーズ)は、全てのマスターの共通化とデータの統合化の実現が可能。重複入力をなくし、業務効率を大幅に向上できます。
2)高いセキュリティ機能
「誰が」「何を」「どうする」を「許可」「禁止」で判定する共通的な認可機能で、アクセスコントロールを行います。また、厳重なパスワード管理が可能です。
3)情報の見える化を実現させるツールの用意
標準装備の簡易集計・レポートツール「View Creator」を利用し、intra-martのデータベース情報を表形式やグラフに表示、検索、CSVやPDFに出力することができます。データを有効活用でき、また業務プロセスの見える化によって業務が加速します。
4)バージョンアップの柔軟性
Windowsベースで組まれたシステムはOSのバージョンアップのたびにシステムをもう一度作り直さなければならず、その度に初期費用と同じだけのコストがかかるとも言われています。スーパーカクテルInnovaは、共通基盤上で、パラメータ等の変更により簡単に、アプリケーション機能の変更・追加が可能です。また、開発した資産や設定したパラメータは技術変化を経てもアプリケーションは影響を受けず、半永続的な利用が可能。運用コストを抑えることができます。
5)業務の全体最適と省力化を実現するビジネスプロセスのIT化
基幹システムとワークフローは同一基盤上で動作するため、入力業務の省力化が可能です。また、プロセスの進捗状況を見える化をすることで業務停滞を防止できます。
業務プロセスは、プログラミング不要なツールの利用により生産性の高い業務プロセスの作成ができます。
各プロセスのしかるべき担当者が必要な処理を行い、滞ることなく次のプロセスにまわしていくという、適切な業務プロセスがデザインでき、業務の効率化・スピードアップが図れます。これはスーパーカクテルInnovaの最も重要な特徴で、ほかのERPにはないものです。
また、BAM(Business Activity Monitoring)機能として、必要な情報に即座にアクセスできるダッシュボードを備えています。自動化できるような作業を人がやっている、何度も重複した処理を行っている、作業が属人化しているなどの問題点を、ツールを用いることで効率化が可能です。
Project-Spaceとは何か
ここからは、NTTデータエンジニアリングシステムズの松村より、Project-Spaceについて説明します。
Project-Spaceは、設備工事・エンジニアリング業や受注生産型製造業のお客様に特化したERPテンプレートです。スーパーカクテルInnovaと同様、intra-martを基盤としています。
業界特有の機能を実装していることにより、最小限のカスタマイズで確実に導入することが可能です。
主な機能は、次の7つです。
- 1) プロジェクト(工事番号、製造番号)単位での損益管理
- 2) 契約番号と工事番号の関連機能(1:N、N:1、さらにN:Nへも対応)
- 3) 部門・工事単位での予実算管理と着地見込の入力機能
- 4) 労務費・間接費等の原価配賦機能
- 5) Excelからのデータ取り込み機能(受注契約情報、検収情報等)
- 6) 工事完成基準・部分完成基準・工事進行基準での売上計上機能
- 7) WEBでの仕入先との電子発注機能(見積依頼〜発注、検収)
Project-Spaceは、モジュール単位・ユーザー単位での導入が可能ですので、必要なものから少しずつ導入し、スモールスタートができるという利点があります。
Project-Spaceの機能について
Project-Spaceの主な機能についていくつか紹介します。
1)Excelからのデータ取り込み機能(受注契約情報、検収情報等)
受注契約情報等のデータは、Excel取込機能を用いて、“いつでも”“簡単に”“すばやく”入力することができます。
2)契約番号と工事番号の関連機能(1:N、N:1、さらにN:Nへも対応)
Project-Spaceでは、複数の契約情報と複数の工事情報を一つの受注情報として関連付けて管理することができます。
3)WEBでの仕入先との電子発注機能(見積依頼〜発注、検収)
Project-Spaceは、オプションとして、電子発注システム(EDI)を用意しています。
見積依頼⇒回答⇒見積結果入力⇒発注入力⇒受注入力⇒納品入力⇒検収入力のプロセスをすべて電子化できるので、大幅な調達業務の標準化・効率化になります。結果的に、業務コストの削減につながります。
Project-Spaceは、設備工事、エンジニアリング業を中心に100社以上の企業様に導入いただいています。
Project-Spaceを使えば、高いシステム運用コストをかけずに、さまざまな業務を省力化、効率化できます。基幹システムについて、お悩みがある企業様はぜひご相談ください。