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【内田洋行ITフェア2017in東京】 食品流通現場におけるIT活用「最新事例」のご紹介

2017/12/19 [食品,物流,セミナーレポート]

物流の現場では「物流コスト」や「人手不足」が深刻な課題になっています。企業では、人材確保のために働きやすい環境を整える、業務を見える化し自動化を進めるといった努力が不断に続けられています。
各社の取り組みでトップにくるのは、在庫削減、続いてピッキングや保管などの効率化、積載率の向上というような順になるのではと思います。これらを踏まえて2つの事例を紹介します。

目次

  • 「需要予測システム」導入事例
  • 「配車計画」システム導入事例

内田洋行ITフェア2017 in 東京にて

株式会社内田洋行
情報システム事業部ソリューション営業部 営業2課
石井 陽子

「需要予測システム」導入事例

まず初めに、需要予測システムの導入事例を紹介します。

お客様は年商約300億円の食品流通業です。需要予測や発注の管理は、個人がExcelで管理しているケースが非常に多かったそうです。ここで問題なのは、Excelによる管理は属人的になること、何か予想を超える変化が起きたときに対応が遅くなることです。

需要予測は、精度100%を目指すのではなく、予測した後の変動の内訳を明らかにし、変動を監視して早めに手を打つのが一番の目的です。予測した後に、どれくらいの変動がどういう要因で起こりうるかを予め把握しておくこと。変動があったときに、どれくらいのサイクルで変動を見直すのか、変動が起きたときにどういう手を打つのかを、予め決めておくこと。これらがポイントであると考えています。

システム化の範囲としては、まずお客様が出荷の予測を立てます。一般的には半年ごとに立案して、月々で見直します。そこに、毎月、発注のタイミングによって計画に修正を加えます。修正の要因としては、新商品が出る、取引先で特売を行う、テレビで紹介されてトレンドが生まれつつある、などがあります。この流れをシステム化します。

このお客様の場合、いくつか課題がありました。まずは出荷の予測、発注量の計算がExcelの作業で行われていたこと。5〜7人の専任者が商品のカテゴリーごとにいて、毎回、販売管理の基幹システムからCSVを抽出してExcelに加工、転記していました。もう1つは、予測と実績のズレが検知できないことでした。さらに、今後、品目、倉庫ともに拡張される予定で、発注の担当者をなるべく今のまま、あるいは減らしたいと要望されていました。

出荷予測計算を自動化し精度を高める

まずは出荷予測計算の半自動化を目標としました。販売管理のシステムから過去の出荷実績のデータを取得し、それを元に予測をします。さらに、過去1年間に実施したセールや特売のデータも取り入れます。

どれだけ発注したらいいかについては、その予測を元に計算します。このときポイントになるのは、出荷予測と直近1週間の出荷・入荷のデータを掛け合わせ、そのズレ(乖離)を見ることです。例えば明後日に+100の乖離があると予測されたら、今日、発注しておく、というような考え方で発注量の計算をしていきます。このときに「発注点」の決定も大事になってきます。

発注点は、商品ごとに設定していきます。このお客様の場合は、ABC分析(※)をして、Aランクは発注点を自動計算、Bランクは発注点を固定しました。Cランク以下はスポットに近い商品なので、発注点設定の対象外としました。

Aランクの実績から発注点を自動計算する場合、設定するのは安全在庫の日数(もしくは個数)です。安全在庫は、予測から実績がブレた場合のバッファです。これに入荷のリードタイムを加えました。このお客様は頻繁に発注点検をしていたので、発注点検の間隔もリードタイム(所要期間)の一部として、予測を立てました。

(※)ABC分析:管理する対象を重要度によってA、B、Cの3つのグループに分け、それぞれの特性に応じて管理するために行う分析。

予測と実績のズレを監視

このシステムは、在庫の推移の予測と実績のズレを毎日監視し、乖離が出たときにアラートを出す仕組みになっています。乖離については閾値を商品ごとに何%とか何個というように設定します。グラフは上の点線が予測で、下の実線が実績。実績に乖離が発生した時点で、アラートが出ます。

アラートが出たら、どのぐらい修正するとよいかを計算をします。なるべく早い段階で修正値が出せれば、入荷の量を増やすことができます。減らすのは現実的には難しいかもしれませんが、何らかの対策は打てるでしょう。

システム導入により業務は削減、予測精度も向上

Excel転記が業務上の負荷になっていたので、そこが改善され業務の削減ができました。発注計画についても、業務が属人化していたという問題が解消されました。以前はアラートを感知するしくみがなかったので、担当者が不在のときは乖離を知ることができませんでしたが、システムの導入により、担当者以外でも計画をある程度立てられるようになりました。修正は担当者が行いますが、点検などの業務は担当者が不在でもできるようになり、対象アイテムが拡張しても、担当者の人数を増やさなくて済むようになっています。

システム化することで、予測の精度自体が向上したことも大きな効果です。

改善効果のまとめ

  • (1)Excel作業の負荷が軽減された。
  • (2)発注計画や点検などの属人的な部分が解消された。
  • (3)予測サイクルを半年から1ヶ月に短縮できた。
  • (4)属人的な経験値とノウハウで需要予測を立てていたものの精度が上がった。

「配車計画」システム導入事例

年商約150億円の食品製造業のお客様の事例について、要点を簡単に紹介します。

こちらの会社は、運送会社の指定や車両のキャパシティに課題意識があり、車両と運送会社への荷物の振り分けを自動で行うしくみを考えていました。システム化によって「最もリーズナブルな運送会社、最も安価な方法」をシミュレーションすることが目標でした。

納期を伸ばせる荷物を見つけ積載率をアップ

システム導入前は、トラックの積載率にかなりのばらつきがあったので、配送部門では、荷物の納期をずらすことで積載率の低い車をなくそうと考えました。お客様に直接送るものは納期の変更ができませんが、自社の営業所に補充として送るようなものは融通がききます。そこで、このような荷物について納期を前後1日ずらせるように営業の部署と調整しました。その結果、配車の際に積載率が低い車がある場合システムが感知し、配送の担当者が営業に確認して、前後にずらすことができるようになりました。

システム導入で積載率がアップ

納期を1日ずらす部分では経験が必要と思いますが、安い路線業者を探して安くあげるという、担当者がいちばん頭を使っていた部分がシステム化されました。その結果、非熟練者でこの業務が行えるようになり、配車を担当していた熟練者は経験や能力が求められる他の部署に異動しました。

紹介したように配送部門と営業部門が調整して、荷物の納期をずらしてもよい条件をシステムに組み込んでいるので、積載率の向上という面でも効果がありました。

改善効果のまとめ

  • (1)一番安い運送方法を自動シミュレーションすることで、業務の属人化を解消した。
  • (2)配送計画と積載率を同時に自動調整することで、積載率向上も実現した。

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