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【内田洋行ITフェア2018in東京】 ユーザーが語るRPA導入のコツ 〜59業務のRPA化に着手してわかったこと〜

2018/12/13 [RPA,ワークスタイル,セミナーレポート]

昭和電機株式会社は、社内の働き方改革に向けた取り組みの一環としてRPAを導入し、定型業務の自動化による労働生産性の向上に取り組んでいます。自動化のプロジェクトを進めていく上でわかってきたRPA導入のコツを、事例を踏まえながら紹介します。またユーザックシステム株式会社のRPAソリューション製品についても紹介します。

目次

  • <ユーザックシステム株式会社>
  • WEB-EDIの広まりの中でRPAが強く求められた
  • <昭和電機株式会社>
  • 何もわからないところからスタートした
  • まずは始めてみて、各部署にヒアリングへ
  • RPAで作り出した時間で別の業務を強化
  • RPA導入で業務を高度化し競争力を確保する
  • RPA化してわかったこと
  • <ユーザックシステム株式会社>
  • 最新のRPA導入事例

内田洋行ITフェア2018in東京にて

昭和電機株式会社
経営管理部 ICTシステムグループ 兼 総務グループ
栗山 隆史 氏

1980年入社。営業部に配属。大阪支店、金沢営業所、名古屋支店、福岡営業所勤務。1997年に全社コンピュータシステム構築のプロジェクト責任者としてシステムを立ち上げ。2013年に営業企画を経て東京支店勤務。2015年からICTシステムグループ 現職。

ユーザックシステム株式会社
取締役 マーケティング本部長
小ノ島 尚博 氏

<ユーザックシステム株式会社>

WEB-EDIの広まりの中でRPAが強く求められた

当社、ユーザックシステムは今年で創業48年目になります。東京と大阪で、システムインテグレーション事業やオリジナルソフト、スマートフォンアプリ・クラウドサービスなどを開発し、お客様の基幹システムと柔軟に連携することで受注から出荷までをカバーするソリューションを提供しています。中でも、当社が開発した「名人シリーズ」は、長年蓄積してきた受発注や物流業務のノウハウをパッケージにしたソフトウエアで、取引先ごとの対応が必要な業務のシステム化を迅速にすることが可能で、基幹システムとも柔軟に連携できるのが特徴です。

この名人シリーズの中には、三つのRPA(Robotic Process Automation)のソフトウエアがあります。「Autoジョブ名人」「Autoメール名人」「Autoブラウザ名人」です。このRPAソフトウエアの開発が始まった背景には、さまざまな業界でウェブを介して受発注業務を行うWEB-EDIの広まりがあります。

受注側で、取引先からデータをダウンロードする手間が増え続けるという問題が生じ、「これをなんとか自動化できないか」との要望を当社は強く受け、2004年にブラウザ操作自動化ソフト「Autoブラウザ名人」を、2010年にメール操作自動化ソフト「Autoメール名人」を、そして2018年に新しいRPAソフトウエア「Autoジョブ名人」を発売しました。国内で最も早くからRPAソフトウエアを自社で開発してきた当社は、これまでに700社以上の会社にソリューションを提供してきました。

RPAソフトウエアの一番のポイントは、稼働の安定性です。いかに安定して、業務を継続できるか。当社は15年間の業務自動化ノウハウで培ったHTMLタグ解析機能を用いて、アプリケーション画面の構成要素であるUIタグによる確実な項目指定で、安定した業務の自動化を実現します。

実際に導入された企業様はこのRPAソフトウエアをどのように使っているのか。導入にあたってのコツやポイントを、昭和電機の栗山様に語っていただきたいと思います。

<昭和電機株式会社>

何もわからないところからスタートした

当社は、1956年に設立された、主に電動送風機を受注で製造している会社です。

当社がRPAを導入した目的は大きく4つあります。1つ目は、事務系の労働時間の削減。2つ目は、定型作業のロボット化による人的ミスの防止。3つ目は、業務手順の見える化と改善。4つ目は新たな業務の創造です。

導入の発端は、管理部長の「RPAをやるぞ!」の一言でした。あるセミナーでRPAのことを知り、その翌日に発した言葉でした。突然でした。

実は、当社は、従業員の労働時間について課題を抱えており、労働時間を短縮しなくてはなりませんでした。その手段の一つにRPAがあると知っての一言でした。しかし、その場にいた情報システム部門の人間は、その言葉を初めて聞きました。「RPAって何?」「知らん」というような状態から、当社のRPAへの取り組みが始まりました。

たまたま、管理部長がそのセミナーで『RPA MAGAZINE』という冊子をもらってきていて、その表紙を見たら「ユーザックシステム」と書いてありました。当社のシステムでこちらの会社に仕事をお願いしていたので、「すぐに呼ぼう」となり、来ていただきRPAとはどんなものなのかを尋ね、ようやく内容が見えてきました。

本当に何もわからないところからスタートしたのですが、ユーザックシステムの力を借りてRPAの導入を決めました。

まずは始めてみて、各部署にヒアリングへ

RPAの導入の経緯と効果は次の通りです。

とりあえず総務の仕事の中で、「週報の集計と再発信」と「勤怠の未入力者への注意喚起メールの発信」から取り組むことになりました。週報というのは、幹部クラスの社員が毎週、さまざまなフォームで報告書を入れるものです。それまで、この週報を管理部で集め、一つの情報にして、改めて全社員に送信していました。これをまずRPAで自動化することにしました。週報が幹部クラスの社員からメールで送られてくると、RPAが自動的に集め、担当者順にすべて並べ替え、一つのPDFファイルにし、社員全員に発信をするという仕組みを作り上げました。

ここで工夫したのは、社員にファイルを送信するときのメールのアドレスに「automail」と付け、文面に「これはRPAで処理したものです」と明記したことです。社員たちに、RPAを導入したことを知らせたのです。

また、勤怠の未入力者については、当社は営業所が北海道から九州まであり、締め日の20日が近づくと勤怠の打ち忘れがあってバタバタします。そこで毎日、勤怠の打ち忘れをチェックして、該当する者には打ち込むように指示するRPAを作りました。

これらの様子を見ながら、11月に私を含めた情報システム担当の3人が各部署に行き、「パソコンを使って転記をしているような業務はないか」、あるいは「基幹システムからデータを落として加工しているような業務はないか」と尋ねていきました。そして、RPA化ができそうな業務を46ほど抽出しました。その後、さらに13業務を追加。この中で、やりやすいものや、すぐに取り掛かるべきものから手をつけ、2018年9月には23業務をRPAで自動化。削減できた時間は、月間218時間となりました。

オレンジ色になっているところが、自動化がスタートしているところです。

RPAで作り出した時間で別の業務を強化

当社が導入したRPAの一つに「納期回答ロボット」があります。当社は、受注生産が多いので、全営業所で1日約600件に上る納期回答があります。この業務に、1日に約5.5時間を費やしています。これをなんとか削減し、このRPAで生まれた時間を使って、例えばお客様に対する電話対応や見積もりなどの業務を強化できないかと考えました。

以前は、各営業所の担当者が基幹システムから納期回答の一覧表を取り出し、自分たちが受注したお客様の名前がそこに入っていれば、手元にある回答書に手書きで納期を記入しファックスでお伝えしていました。

このやり方を、「Autoメール名人」で自動化しました。まず、このソフトウエアが基幹システムから納期回答要望データを収集し、お客様ごとに分けます。次に、あらかじめ社員が入力していた納期データと組み合わせ、それをPDFファイルにします。そして、各担当の社員にメールで送付。お客様に直接メールで送付することもできるのですが、現段階では各担当者にメールで送り、その担当者がそのままお客様にメールで送ったり、ファックスで送ったりしています。

RPA導入で業務を高度化し競争力を確保する

今後、RPA化による新業務の創造も積極的にしていきたいと考えています。

例えば、大手の会社ではすでに導入されていますが、当社もこれからインターネットを利用した受注体制を構築したいと思っています。RPAで受注情報を集め、自動的に手配をする。これまでなかなか着手できなかったのですが、今回、RPAを導入できたことで、それを目指せるインフラが整ってきました。

また、インターネット上の情報収集も自動でやりたいと考えています。例えば、当社が販売している製品がどれくらいの価格で売られているのかを調べたい。また、競合メーカーの製品の価格に関する情報も、自動で集めたいと思っています。

さらに、営業担当者の見積もり業務も支援できないかとも考えています。営業担当者は、1日に5〜6件の見積もりをしているのですが、多くの見積もりを抱えるうちに忘れてしまうものも出てきてしまいます。これをなくすために、RPAがチェックして、見積もりを出してから一定期間経過した案件があれば、担当者にメールでその存在を教えるという仕組みを考えています。

このようにRPAを導入することで、当社は業務を高度化して競争力を確保したいと考えています。これまでは、本来すべき業務の一部が過重労働で手つかずでした。RPAで単純業務を削減できれば、着手できていない業務に取り組める可能性が出てきます。人を増やせば解決できる面はありますが、中小企業は新しい人材を入れたくても、なかなか集められないという実情があります。RPAの導入で今いる社員で業務を高度化し競争力を確保していくのが重要だと思います。残業時間を減らすことは難しいのですが、かつてのような残業の仕方はさせないようにすることで、負担を軽くできればと思っています。

RPA化してわかったこと

当社は、RPA化をトップダウンで推進しました。そして、導入するRPAソフトウエアをさまざまに検討して、身の丈に合ったRPAソフトとしてユーザックシステムの「Autoメール名人」と「Autoジョブ名人」、NTTデータの「WinActor」を選びました。

我々は、これらのソフトを実際に使ってみれば、使いにくいものは自然に淘汰(とうた)されるだろうと考えています。

また、ヒアリングするときは、情報システム部門が出向くことが大切だと思いました。現場は目の前の仕事で手一杯だからです。こちらが現場に行き、そこで実際にパソコンを使った定型業務をやってもらい、説明してもらっているところをパソコンの画面と一緒にビデオカメラで撮影するのが良いと思います。我々はその映像を使ってRPAを作っていきました。

ただ、そのRPAを作り上げたら、運用は情報システム部門がするのではなく、現場に「やって」と押しつけることです。すると、現場主導で人からRPAに置き換えるようになり、RPA前提で新たな業務設計ができるようになっていきます。

それから、RPAは止まる場合があります。それを前提にRPAを動かしていくことを考えておくことも大事です。「Autoメール名人」の良いところは、止まってしまったとき、その状況を知らせてくれる機能があり、早く手を打つことができます。

このような形で当社はRPA化を進めているところです。今後は、基幹システムに入力する業務をRPAで自動化していきたいと考えています。

<ユーザックシステム株式会社>

最新のRPA導入事例

当社のRPAソフトウエアの導入事例をいくつか紹介したいと思います。

1つ目の事例は、商品総合卸の会社です。Autoメール名人を用いて、主に食品メーカーの仕入れ先からメールで送られてくる月間2,500通の出荷報告情報を自動で処理する仕組みを作り、月83時間とミスを削減しました。

2つ目の事例は、ボディケア用品の小売りをしている会社です。この会社は、店舗の情報収集に力を入れていて、「ABEJA INSIGHT」というAI店舗解析サービスを活用しています。各店舗はこのAIが作ったデータをクラウドから取り出すのですが、多くの時間がかかっていました。これをAutoブラウザ名人で自動ダウンロードできるようにして、経営判断の迅速化につながりました。

3つ目の事例は、自動車部品販売の会社です。人手によるWeb価格調査をRPAで自動化し、自社ECサイトで競争力のある価格を設定できるようになりました。

4つ目の事例は、自動車部品製造の会社です。得意先の調達ウェブサイトから受注データなどを取得する作業を自動化したところ、工数と人的ミスを大幅に削減できました。

5つ目の事例は、医療用品や日用品を販売するグループ会社の一つで、事務の業務を一括で処理している会社です。ここでは、取引先の支払い情報がメールの本文欄に記載されて送付され、それをEXCELに人力でコピー&ペーストして請求情報と照合していました。その数は、最大で1日に10,000明細。これを自動化して、経理処理の大幅削減を実現しました。

6つ目の事例は、包装資材メーカーです。納品書と送り状の発行やお客様からの配送状況の問い合わせ対応に時間がかかっていましたが、Autoジョブ名人で商品の配送状況を管理することで、問い合わせ対応工数の削減と顧客満足度の向上を実現しました。

以上が定型業務の自動化による生産性向上の事例です。

これらを参考に、昭和電機様のように目的をしっかりと見据えたうえでぜひ積極的にRPA導入をご検討いただければ幸いです。

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