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【会計コラム】 消費税引き上げ直前の確認事項

2019/7/24 [会計,コラム]

今回の会計コラムでは「消費税引き上げ直前の確認事項」についてまとめました。10月1日から開始する「区分記載請求書等保存方式」を中心に、基本的な考え方や実務上のポイントなどをぜひ押さえておいていただきたいです。

目次

  • はじめに
  • 消費税引上げに伴う制度上のポイント
  • 消費税引き上げによる実務の影響ポイント

アクタス税理士法人
代表社員 税理士
加藤 幸人 氏

東京と大阪を中心に5拠点、総勢約150名で構成する会計事務所グループ「アクタス」の代表を務める。税理士は、「接客・サービス・コンサル業」であるという考えにもとづき、いつもお客様の立場になって徹底的に考え、経営視点でのコンサルティングを提供している。セミナー講師も数多く行っており、受講者目線で、わかりやすく丁寧な解説には定評がある。

はじめに

2019年10月1日より消費税率が10%となり、新たに軽減税率制度が導入され、「区分記載請求書等保存方式」が始まります。軽減税率制度や区分経理、請求書記載事項の変更、経過措置など開始まで3ヶ月あまりの今、実務上のポイントを再確認してください。

消費税引上げに伴う制度上のポイント

1.消費税の経過措置について

2019年10月1日以後に行われる消費税の対象取引について、経過措置の対象となる取引については、旧税率(8%)が適用されます。どのような取引が経過措置の対象となるか再確認してください。

◆国税庁Webサイト「消費税率等の引上げについて

2.消費税軽減税率制度について

軽減税率である8%が適用される取引は、飲食料の譲渡と新聞の譲渡です。軽減税率の対象となる「飲食料品」や「新聞」がどのようなものか、その定義を押さえて対象品目を判断することがポイントとなります。

◆アクタスWebサイト「消費税の軽減税率制度(Actus Newsletter)

◆国税庁Webサイト「消費税の軽減税率制度について

3.区分記載請求書等について

2019年10月1日から2023年9月30日までの間は、「区分記載請求書等保存方式」が始まります。区分記載請求書には、今までの請求書への記載事項である「発行者の氏名又は名称、取引年月日、取引の内容、対価の額、受領者の氏名又は名称」などの内容に加えて、「軽減税率の対象品目の譲渡である旨」と「税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)」を追加記載することが必要になります。軽減税率対象品目の譲渡がない場合には、従来通りの請求書でよいこととなっています。

◆国税庁Webサイト「よくわかる消費税軽減税率制度(平成30年7月) PDF5ページ参照」

4.適格請求書等について

2023年10月1日からは「適格請求書等保存方式」(インボイス方式)が開始します。そこからは、すべての課税事業者に適格請求書等の交付が義務づけられます。適格請求書には、区分記載請求書の内容に加えて「税率ごとの消費税額及び適用税率」と「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が必要となります。

◆国税庁Webサイト「消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が導入されます PDF参照」

消費税引き上げによる実務の影響ポイント

1.各種システム(販売管理、請求書発行、レジ、会計)の改修等の最終確認は済んでいるか

販売管理システムについて区分記載請求書等の記載事項に漏れはないか、財務会計システムについて複数の税率に対応した処理ができるか、小売店や飲食店では既存レジシステムの改修が必要ないかなど、システムについて、今一度、消費税引き上げの対応が万全か確認する必要があります。

なお、中小企業のレジの購入やシステム改修については、軽減税率対策補助金があります。

軽減税率対策補助金事務局Webサイト

2.既存の契約書について金額条項の記載内容の確認は行ったか

契約書において、価格や報酬を定めた条項が「消費税込」といった表示で定められていないか確認を行いましょう。例えば、「54,000円(消費税込)」と記載されている場合、消費税率が10%になっても、54,000円の請求しかできないような可能性があるためです。

3.自社に発生する経過措置取引の確認は行ったか

消費税の経過措置が適用される取引等は全部で10種類あります。10月以降に引き渡しが行われる取引であっても、経過措置の適用により旧税率8%となる取引は、必ず経過措置を適用する必要があります。

4.区分記載請求書が正しく発行できるか、適格請求書等を見据えた準備を行っているか

販売管理システムや請求書発行のシステムについては、区分記載請求書の記載事項に対する対応の最終確認を行うとともに、2023年10月からの適格請求書(インボイス)を見据えたシステム改修や準備も、効率的にあわせて行っていただきたいところです。

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