2021年年末に、悲惨な事件が発生しました。雑居ビルの病院で放火事件が発生し、多くの命が奪われました。犯人は、ガソリンを非常階段の前で撒き、逃げることが出来ない様にしていたようです。過去に京都でも同じような事件が発生しています。
工場の敷地内に、不審者が入ることが出来ない環境を作っていますか。
従業員駐車場等も、車が自由に出入り出来ない様にゲートをもうけ、事前登録されていない車はゲートが開かないようにし、駐車場に出入り出来ないようにすべきです。
車のナンバーを読み取り、登録されていない車はパトライトが回り、「関係者以外は入場出来ません」と表示され、事務所に連絡が行くようなシステムであれば直ぐに導入できるはずです。大きな事件や事故が起きるたびに、「他山の石」として直ぐに出来る事、ちょっとお金をかけて出来る事、本格的に投資して出来る事の順に対応していくべきです。
私が工場を訪問したときに、玄関が施錠されてなく、自由に事務所まで行ける工場が多く存在します。本来の玄関は、施錠され、インターホンで本人を確認してから解錠すべきです。
初めての訪問であれば事前にアポイントを行い、訪問当日は、本人確認を名刺だけでなく公的な身分証と照らして本人確認をすべきです。
従業員が自宅から持ち込んだ農薬を製品に混入させる事件も、過去に発生しています。
あなたの工場に従業員が私物を持ち込むときの鞄は、透明で、中身が見える物を使用していますか。本来は、中身を点検してから持ち込ませるべきです。
液体の農薬などであれば、水筒に入れて持ち込むことが出来るので、お茶、水類は、会社側が準備し、自宅からのペットボトル、水筒の持ち込みは禁止すべき項目かもしれません。
少なくとも、中身が見える鞄に直ぐに変更すべきです。
外部訪問者、従業員とも一番大切なのは、工場に入場したときに、目を見て挨拶を行うことです。目を合わせて挨拶する方は、決して悪さを働かないと私は信じています。
項目 | 内容 |
---|---|
1.敷地の入場 | 関係者以外入場出来ない構造になっているか |
2.玄関 | 常に施錠されているか |
3.従業員の私物 | 中身が見える鞄で決められた物だけを持ち込んでいるか |
4.訪問者 | 事前アポのある方でも、身分を確認して入場させているか |
5.避難経路 | 事務所、会議室、更衣室なども二系統以上の避難経路があるか |
6.非常ドア | 非常ドア、避難経路が常に確保されているか |
7.駐車場 | 管理されていない車などは止められていないか |
・不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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