大きな災害が発生すると、一時的に有線の電話回線、携帯電話回線はつながりにくくなります。
インターネット環境であれば、ネットの環境が生きていれば、音声通信よりも、メールなどのネット通信の方が安定して連絡がつながります。
非常時に、従業員の方が、工場の状況等を問い合わせることもなく確認できるような、ネット上の掲示板を準備し、従業員、得意先、原材料の納品業者の方がネットを通じて確認できるようにします。
非常時に、関係者が、どのネット上のページを確認すれば、必要な情報を見ることができるか、常に訓練が必要です。早朝、深夜に災害が発生したときには、担当者が外部から掲示板が更新できるようになっているか確認が必要になります。
掲示板の更新と同時に電子メールなどで関係者に連絡できるようにします。
あるアドレスにメールを送信すると、関係者に一斉送信されるような工夫が必要です。
非常時に、担当者が固定電話に出てしまうと電話対応の要員が必要になってしまうので、録音で対応できるように日常的に準備しておくことが必要です。
危機管理センターの外壁には、日常的には従業員に向けた掲示板を設置し、非常時には、従業員、得意先、納品先への連絡板に使用できるようにしておきます。
工場のネット回線は一般的に、光回線を使用しています。危機管理センターのパソコンなどは、光回線が落ちてしまった場合、大手3社の通信会社のモデムで何時でもつながるように準備します。一ヶ月数千円の経費でモデムが準備出来ます。
私の経験でも、光の配線がつながっている電柱が、交通事故で倒れてしまった。携帯電話会社のネットが一日以上トラブルでつながらない事がありました。
ネット環境がつながらなければ、従業員、お客様との連絡が途絶えてしまいます。最低でも、複数の携帯会社のモデムの準備をお勧めします。
業務用の無線を使用し、被災区域の外と連絡が出来る環境を設置します。
衛星回線でネットに繋がり、音声も衛星回線でつながる環境を設置します。
衛星回線が通じない時に、アマチュア無線の環境で、被災地域外と連絡が出来るような環境を作り上げます。
アマチュア無線は、非常時用だけに設置することは出来ません。日常的に趣味のクラブ局を設置し、時間外に活動できるような環境が必要です。地域の子供たちとのクラブにすることで、地域に対する貢献活動にもなります。
携帯電話の中継局は、非常電源のバッテリーが切れてしまうと通信ができなくなってしまいます。衛星回線は安定しているようですが、全ての支店に衛星電話を配置するか、業務用無線の方がいいかの検討が必要に思えます。
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・危機管理センターの備えておくべき通信設備
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 |
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 【最新刊の案内】
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